15 / 64
14
しおりを挟む
フェリシアは翌朝、目を覚ますと布団を掛けられてソファの上にいた。
「…あれ? 私…」
目元をこすった彼女は小さく欠伸をして昨日のことを思い出し、慌てて脱衣所に駆け込んで顔に布のシワが付いていることに気が付き、羞恥で真っ赤になりながらシャワーを浴びるために脱衣所で着衣を脱いだ。
そして時計を確認し、いつもより早い時間に目を覚ましたことに気が付いてホッとした。
涙の痕を残らず流し、体をきれいに洗って髪を洗い、湯気で曇った鏡を手で拭って鏡を見やったフェリシアはそこで笑顔の練習をした。
ぎこちない笑顔がようやく何とか形になると、彼女は髪を軽く絞って水を切ると、魔法を使って全身を乾かし、タオルを体に巻いて保湿用のクリームを塗った。
服を着替えていると、カミルが書いたと思しき『明日やります』というメモが視界に入った。
「…あ」
カミルはだが、朝は弱い。フェリシアはそのことをよく知っていた。
(特に、定例会議の次の日はお寝坊さんですからね)
フェリシアはクスッと笑うと、慣れた手つきで洗濯を始めた。そして、さっさと下着は部屋干しだが、それ以外の者は天気がいいので外に干す。
それから一応、申し訳程度にかけられたスーツに『明日アイロンを掛けます』と書かれたメモがあることに気が付いてそのメモを取り、丁寧にアイロンをかける。
そして朝食の用意をしてしまうと、水回りの掃除から始め、次々に掃除を済ませながら階段を上がり、カミルの起床時間ぐらいに念のためドアをノックした。
「カミルさん、起きていますか?」
だが、案の定、返事はない。
「入りますよ、カミルさん」
フェリシアがドアを開けると、カミルがぐっすりと寝息を立てていた。フェリシアはそっとカミルの傍に膝をついて体を揺さぶると、彼がうーんと呻いて寝返りを打った。
「う~ん…」
顔をしかめたカミルは顔を背けるようにそっぽを向き、そして深く息を吐き出して幸せそうに息を吐き出した。
「仕方がないですかね…」
フェリシアはそっとカミルの鼻をつまむと、「ふごっ」という声と共にカミルがカッと目を見開いた。そして、フェリシアが手を退けると眼鏡を掛けた彼が上に覆いかぶさるように身を乗り出している彼女を見て彼は怪訝そうな顔をした。
「…何をしている?」
「朝ですよ、カミルさん。また遅刻だなんてシャレになりません」
「…ああ、もうそんな時間か…」
そう言った後、彼がガバッと勢いよく起き上がった。フェリシアが慌てて身を引いてぶつからずに済んだ。
「ちょっと待った。もうそんな時間なのか!?」
「はい? ええ、そうですが…」
「嘘だろ…洗濯…!」
そんな彼にフェリシアは優しく微笑んだ。
「大丈夫ですよ、カミルさん。私がやっておきましたから」
「!? それじゃあ意味がない! っていうか、マーサに殺される!」
「意味、ですか? 私の日常のお仕事なので特に問題ないですよ? でも、気を遣っていただいて嬉しいです。私は普通に日常のお仕事をしただけなのですけどね」
フェリシアはちょっとホクホク顔でそう言うと、何かを言おうとしてバランスを崩したカミルは膝をついているフェリシアにまともにぶつかってもつれるように倒れこんだ。
「ぬぉわっ!?」
「きゃあ!?」
驚いた顔をしている彼女は何が何だかわからないうちに押し倒され、カミルに組み敷かれる形で倒れていた。カミルはフェリシアの腹に顔を埋める形で倒れていたが、慌てて顔を上げた。
「すまない」
「ちょっとビックリしました。でも、大丈夫ですか?」
「あ、あぁ…」
カミルはフェリシアが起き上がるのを手伝い、その刹那、久しぶりに二人の視線がかち合った。
カミルの瞳の奥を覗く形になったフェリシアが戸惑ったように視線を揺らすと、彼は噛みしめるように尋ねた。
「なあ、今度、暇か?」
「暇? ええと、暇を作ろうと思えば作れますけど、やることがないわけでもないですよ? というか、今度というのはいつでしょうか?」
フェリシアが不思議そうに尋ねたので、カミルは慌てたように距離を取った。
「えっと、だな。そう、出かけたいところがあってついてきてほしいというか、一緒に出かけたいというかだな、その、夫婦なのに一緒に出掛けていないから…そう、散歩だ。…いや、ちょっと違うか? と、とにかく、その散歩に行きたいんだ」
「散歩ですか? ええと、どうぞ行ってらっしゃいませ…?」
カミルがゴニョゴニョと何かを言っているのでフェリシアは不思議そうな顔をしてそんなことを告げると、カミルが慌てたように言った。
「そうじゃなくて、日曜日に一緒に散歩でも行かないか?」
「…はい?」
「だ、だから…一緒に散歩でもどうかと思って。ちょっと行きたい場所があるんだ」
フェリシアはさらに不思議そうな顔をして小首を傾げた。
「行きたい場所、ですか? ぜひともお供しますけど、どういうお店ですか? あ、もしかしてランジェリーショップでしょうか? 女性に贈るために買うなら、一人では入りにくいですよね」
カミルはちょっと不機嫌そうな顔をした。
「違う。夫婦の思い出の場所に行ってみたい。何か思い出せるかもしれないからな」
彼女はあいまいに微笑んだ。
「やめた方がいいですよ、カミルさん。大した場所ではありませんし、誰も得しないですし」
「それでも、知りたいと思うのは傲慢なのか?」
カミルの言葉にフェリシアはハッとした。
(そう、ですよね。カミルさんはずっと記憶がなかったのに、それを一部でもいいから知りたいと思うのは当然のことですよね)
フェリシアは上ずった声で「はい!」と元気に返事をすると、彼は怪訝そうな顔をしたが、やがて時計を確認して慌てたように胸元のボタンをはずし始めたので、フェリシアも慌てて背を向けて靴を履き、ドアの方へ駆け出した。
「ご、ごめんなさい…!」
カミルは戸惑ったような表情をしたが、やがて苦笑した。
「夫婦なら生着替えくらい見たことがあるだろう…? 別に見てほしいわけじゃないが」
フェリシアはドアを完全に閉め切らない状態で手を止め、そしてドア越しに言った。
「恥ずかしいので黙秘します!」
そして、フェリシアがドアを閉め、急いで下の方に逃げるような形で降りて行ったのだが、その後、玄関先のカレンダーの日付の部分に赤い丸が付けられ、その下に遠慮がちにお出かけと書きこまれたのだった。
「…あれ? 私…」
目元をこすった彼女は小さく欠伸をして昨日のことを思い出し、慌てて脱衣所に駆け込んで顔に布のシワが付いていることに気が付き、羞恥で真っ赤になりながらシャワーを浴びるために脱衣所で着衣を脱いだ。
そして時計を確認し、いつもより早い時間に目を覚ましたことに気が付いてホッとした。
涙の痕を残らず流し、体をきれいに洗って髪を洗い、湯気で曇った鏡を手で拭って鏡を見やったフェリシアはそこで笑顔の練習をした。
ぎこちない笑顔がようやく何とか形になると、彼女は髪を軽く絞って水を切ると、魔法を使って全身を乾かし、タオルを体に巻いて保湿用のクリームを塗った。
服を着替えていると、カミルが書いたと思しき『明日やります』というメモが視界に入った。
「…あ」
カミルはだが、朝は弱い。フェリシアはそのことをよく知っていた。
(特に、定例会議の次の日はお寝坊さんですからね)
フェリシアはクスッと笑うと、慣れた手つきで洗濯を始めた。そして、さっさと下着は部屋干しだが、それ以外の者は天気がいいので外に干す。
それから一応、申し訳程度にかけられたスーツに『明日アイロンを掛けます』と書かれたメモがあることに気が付いてそのメモを取り、丁寧にアイロンをかける。
そして朝食の用意をしてしまうと、水回りの掃除から始め、次々に掃除を済ませながら階段を上がり、カミルの起床時間ぐらいに念のためドアをノックした。
「カミルさん、起きていますか?」
だが、案の定、返事はない。
「入りますよ、カミルさん」
フェリシアがドアを開けると、カミルがぐっすりと寝息を立てていた。フェリシアはそっとカミルの傍に膝をついて体を揺さぶると、彼がうーんと呻いて寝返りを打った。
「う~ん…」
顔をしかめたカミルは顔を背けるようにそっぽを向き、そして深く息を吐き出して幸せそうに息を吐き出した。
「仕方がないですかね…」
フェリシアはそっとカミルの鼻をつまむと、「ふごっ」という声と共にカミルがカッと目を見開いた。そして、フェリシアが手を退けると眼鏡を掛けた彼が上に覆いかぶさるように身を乗り出している彼女を見て彼は怪訝そうな顔をした。
「…何をしている?」
「朝ですよ、カミルさん。また遅刻だなんてシャレになりません」
「…ああ、もうそんな時間か…」
そう言った後、彼がガバッと勢いよく起き上がった。フェリシアが慌てて身を引いてぶつからずに済んだ。
「ちょっと待った。もうそんな時間なのか!?」
「はい? ええ、そうですが…」
「嘘だろ…洗濯…!」
そんな彼にフェリシアは優しく微笑んだ。
「大丈夫ですよ、カミルさん。私がやっておきましたから」
「!? それじゃあ意味がない! っていうか、マーサに殺される!」
「意味、ですか? 私の日常のお仕事なので特に問題ないですよ? でも、気を遣っていただいて嬉しいです。私は普通に日常のお仕事をしただけなのですけどね」
フェリシアはちょっとホクホク顔でそう言うと、何かを言おうとしてバランスを崩したカミルは膝をついているフェリシアにまともにぶつかってもつれるように倒れこんだ。
「ぬぉわっ!?」
「きゃあ!?」
驚いた顔をしている彼女は何が何だかわからないうちに押し倒され、カミルに組み敷かれる形で倒れていた。カミルはフェリシアの腹に顔を埋める形で倒れていたが、慌てて顔を上げた。
「すまない」
「ちょっとビックリしました。でも、大丈夫ですか?」
「あ、あぁ…」
カミルはフェリシアが起き上がるのを手伝い、その刹那、久しぶりに二人の視線がかち合った。
カミルの瞳の奥を覗く形になったフェリシアが戸惑ったように視線を揺らすと、彼は噛みしめるように尋ねた。
「なあ、今度、暇か?」
「暇? ええと、暇を作ろうと思えば作れますけど、やることがないわけでもないですよ? というか、今度というのはいつでしょうか?」
フェリシアが不思議そうに尋ねたので、カミルは慌てたように距離を取った。
「えっと、だな。そう、出かけたいところがあってついてきてほしいというか、一緒に出かけたいというかだな、その、夫婦なのに一緒に出掛けていないから…そう、散歩だ。…いや、ちょっと違うか? と、とにかく、その散歩に行きたいんだ」
「散歩ですか? ええと、どうぞ行ってらっしゃいませ…?」
カミルがゴニョゴニョと何かを言っているのでフェリシアは不思議そうな顔をしてそんなことを告げると、カミルが慌てたように言った。
「そうじゃなくて、日曜日に一緒に散歩でも行かないか?」
「…はい?」
「だ、だから…一緒に散歩でもどうかと思って。ちょっと行きたい場所があるんだ」
フェリシアはさらに不思議そうな顔をして小首を傾げた。
「行きたい場所、ですか? ぜひともお供しますけど、どういうお店ですか? あ、もしかしてランジェリーショップでしょうか? 女性に贈るために買うなら、一人では入りにくいですよね」
カミルはちょっと不機嫌そうな顔をした。
「違う。夫婦の思い出の場所に行ってみたい。何か思い出せるかもしれないからな」
彼女はあいまいに微笑んだ。
「やめた方がいいですよ、カミルさん。大した場所ではありませんし、誰も得しないですし」
「それでも、知りたいと思うのは傲慢なのか?」
カミルの言葉にフェリシアはハッとした。
(そう、ですよね。カミルさんはずっと記憶がなかったのに、それを一部でもいいから知りたいと思うのは当然のことですよね)
フェリシアは上ずった声で「はい!」と元気に返事をすると、彼は怪訝そうな顔をしたが、やがて時計を確認して慌てたように胸元のボタンをはずし始めたので、フェリシアも慌てて背を向けて靴を履き、ドアの方へ駆け出した。
「ご、ごめんなさい…!」
カミルは戸惑ったような表情をしたが、やがて苦笑した。
「夫婦なら生着替えくらい見たことがあるだろう…? 別に見てほしいわけじゃないが」
フェリシアはドアを完全に閉め切らない状態で手を止め、そしてドア越しに言った。
「恥ずかしいので黙秘します!」
そして、フェリシアがドアを閉め、急いで下の方に逃げるような形で降りて行ったのだが、その後、玄関先のカレンダーの日付の部分に赤い丸が付けられ、その下に遠慮がちにお出かけと書きこまれたのだった。
0
お気に入りに追加
594
あなたにおすすめの小説
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

あなたのおかげで吹っ切れました〜私のお金目当てならお望み通りに。ただし利子付きです
じじ
恋愛
「あんな女、金だけのためさ」
アリアナ=ゾーイはその日、初めて婚約者のハンゼ公爵の本音を知った。
金銭だけが目的の結婚。それを知った私が泣いて暮らすとでも?おあいにくさま。あなたに恋した少女は、あなたの本音を聞いた瞬間消え去ったわ。
私が金づるにしか見えないのなら、お望み通りあなたのためにお金を用意しますわ…ただし、利子付きで。
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。

寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる