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第一章:朝、目が覚めたらお姫様一行の保護者になっていた俺。
第6話「俺、洗濯は手洗いでお願いします」
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今……殴られたのか?
なんで?
だって、こいつらが俺をおっさんって言ったんだぜ?
「いいい、言ってねぇよそんな事!
コビン、てめぇが言ったのか!?」
「言ってねえでやんす、アニキ!!!
俺が言ったのはブサイクって……ぐへぇ!!!」
「黙ってろ!
これ以上あのぬいぐるみを怒らせたら、マジで殺されるだろうがっ!!!」
いやいや、今の結構いいパンチ入ってたぞ?
そんなことしたら、そいつ今日はもう目が覚めねえんじゃねえの?
お前ら、これから女と遊ぶんだろ?
「……は、何言ってる?
あなた達が殺されるのは確定済み。
問題なのは、私たちが五体満足で生き延びれるかどうか」
いやいや、マジで殺すわけねえだろ。
あと、五体満足って何だ。
ガキ相手に本気で何かするわけないっての。
「あ、お母さまですか?
わたしでは太刀打ちできない殿方が現れましたので、ぜひご助力を賜れれば……はい、……今、隣国の王様のお相手……はい、はい、……わかりました。
あ、最後にもうひとつだけ。
私は不出来な娘でしたが、お母さまとお父様のことをこころから愛していました……それでは」
なんで今生の別れみたいになってんの?
今のって、前にアメリアを怒らせたせいで戦に放り込まれた時、新米の兵士共がビビって故郷に電話してた時の雰囲気にそっくりだったんだけど。
まあ、あの時は俺がいたし、死ぬどころか怪我したやつさえいなかったが。
「なぁ、こいつら何をそんなに怯えてるんだ?」
「私に聞かれても。
それより……くんくん、なんか臭いですよ?
洗ってあげるから、付いてきてください」
「お、いいのか?
でも、リズよりうまく洗えるやつはいねえだろうなぁ。
なんたって俺のガキは天才だからなあ」
「いえいえ、私はこう見えても、花嫁修業だけは欠かしたことがないんです。
嫁いだ先で何かあったら、国の信用問題にまで発展するので……」
ははは、なんだよそれ!
どっかの国の姫様みたいなこと言って、大げさなんだよ!
ま、そこまでいうならまあいいぜ。
いっちょお手並み拝見させてもらおうじゃねえか。
それに、臭えまま帰ったら、もう一回洗ってもらうどころか、アメリアにごみとして燃やされかねない。
なんてな。
うはは……いや、あいつならマジでやりそうだな。
「……え?
なんでレイアと魔王が仲良くしてる?」
「あらあら。
あのご様子なら、私にも生き残る目がありそう……かも?」
って、あいつらついてきてねえけどいいのか?
お前ら仲間じゃねえの?
「あ、皆さん行きますよ!
ネコッタさんをお洗濯しないといけないので、今日はもう宿に戻りましょう」
「……いや。
だけど、レイアを魔王と二人きりにさせるのは……もっといや、仕方ない」
「お洗濯ってことは、お風呂に入るってことよね?
なら、そこで自然に体を清められるから、あとは流れで……」
「なあ、あいつらブツブツ言っててなんか怖いんだけど。
いつもあんななのか?」
「そうですね……多分、最近色々あったので疲れてるんだと思います。
あと、けっこう匂うので、もう少し離れて歩いてくださいね?」
そうなのか?
まあ、さっきも絡まれてたみたいだし、気苦労の絶えない職業ってわけか。
肌に合ってねえのなら、なんか他の仕事でも紹介してやろうかねぇ。
あと、結構自分のニオイの事って他人に言われるとキツイんだな。
俺は絶対に言わない様にしよう……
ふっ、またひとつ、いい男への階段を上がっちまったぜ。
なんで?
だって、こいつらが俺をおっさんって言ったんだぜ?
「いいい、言ってねぇよそんな事!
コビン、てめぇが言ったのか!?」
「言ってねえでやんす、アニキ!!!
俺が言ったのはブサイクって……ぐへぇ!!!」
「黙ってろ!
これ以上あのぬいぐるみを怒らせたら、マジで殺されるだろうがっ!!!」
いやいや、今の結構いいパンチ入ってたぞ?
そんなことしたら、そいつ今日はもう目が覚めねえんじゃねえの?
お前ら、これから女と遊ぶんだろ?
「……は、何言ってる?
あなた達が殺されるのは確定済み。
問題なのは、私たちが五体満足で生き延びれるかどうか」
いやいや、マジで殺すわけねえだろ。
あと、五体満足って何だ。
ガキ相手に本気で何かするわけないっての。
「あ、お母さまですか?
わたしでは太刀打ちできない殿方が現れましたので、ぜひご助力を賜れれば……はい、……今、隣国の王様のお相手……はい、はい、……わかりました。
あ、最後にもうひとつだけ。
私は不出来な娘でしたが、お母さまとお父様のことをこころから愛していました……それでは」
なんで今生の別れみたいになってんの?
今のって、前にアメリアを怒らせたせいで戦に放り込まれた時、新米の兵士共がビビって故郷に電話してた時の雰囲気にそっくりだったんだけど。
まあ、あの時は俺がいたし、死ぬどころか怪我したやつさえいなかったが。
「なぁ、こいつら何をそんなに怯えてるんだ?」
「私に聞かれても。
それより……くんくん、なんか臭いですよ?
洗ってあげるから、付いてきてください」
「お、いいのか?
でも、リズよりうまく洗えるやつはいねえだろうなぁ。
なんたって俺のガキは天才だからなあ」
「いえいえ、私はこう見えても、花嫁修業だけは欠かしたことがないんです。
嫁いだ先で何かあったら、国の信用問題にまで発展するので……」
ははは、なんだよそれ!
どっかの国の姫様みたいなこと言って、大げさなんだよ!
ま、そこまでいうならまあいいぜ。
いっちょお手並み拝見させてもらおうじゃねえか。
それに、臭えまま帰ったら、もう一回洗ってもらうどころか、アメリアにごみとして燃やされかねない。
なんてな。
うはは……いや、あいつならマジでやりそうだな。
「……え?
なんでレイアと魔王が仲良くしてる?」
「あらあら。
あのご様子なら、私にも生き残る目がありそう……かも?」
って、あいつらついてきてねえけどいいのか?
お前ら仲間じゃねえの?
「あ、皆さん行きますよ!
ネコッタさんをお洗濯しないといけないので、今日はもう宿に戻りましょう」
「……いや。
だけど、レイアを魔王と二人きりにさせるのは……もっといや、仕方ない」
「お洗濯ってことは、お風呂に入るってことよね?
なら、そこで自然に体を清められるから、あとは流れで……」
「なあ、あいつらブツブツ言っててなんか怖いんだけど。
いつもあんななのか?」
「そうですね……多分、最近色々あったので疲れてるんだと思います。
あと、けっこう匂うので、もう少し離れて歩いてくださいね?」
そうなのか?
まあ、さっきも絡まれてたみたいだし、気苦労の絶えない職業ってわけか。
肌に合ってねえのなら、なんか他の仕事でも紹介してやろうかねぇ。
あと、結構自分のニオイの事って他人に言われるとキツイんだな。
俺は絶対に言わない様にしよう……
ふっ、またひとつ、いい男への階段を上がっちまったぜ。
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