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序章:朝、目が覚めたらぬいぐるみになっていた俺。

第6話「俺、続きを読む」

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「さてと、ここまで来たらもういいでしょ。
 そろそろお昼にしましょう。
 リズ、そこの川で手を洗ってきなさい」

 おっ、やっと飯か!

 あれからアメリアが怖くて、ずっとぬいぐるみのふりしてたから、すっかりワタがこっちまったぜ!

 おい、ガキ、俺も一緒に―――

「ほら、さっきの続き読みたいんでしょ?
 早く読んでしまって」

 アメリアが俺に何かを差し出してきた。

 なんだよこれ……って、例の本じゃねえか!

「お?
 なんだよ、お前が持ってたのか?
 なら先に言えよな……へぷんっ!!!」

 こ、こいつ……またやりやがった。

 いい加減俺も怒るぞ……って、おお、ワタがほぐれてる!

「……なんか喜んでない?
 見た目だけじゃなくて、中身まで変わったのかしら?」

 ふっ、ワタ無しのお前に、この感覚はわからないだろうな。

 さてと、続き続き……

『いつでも連絡取れる女リスト』

 なんだこれ?

 こっちは……

『つきまとい女リスト』

 ぷっ、何だこれ!

 これって、俺の女たちの連絡先をまとめたやつじゃん!

 あんまり多いから、一度整理しようと思ってたんだけど……してくれたんだな、俺、ぐっじょぶ!

 へぇ、いくつか知らない名前もあるな、よし、これは大事にもっとこ……アチゥャァアアア!!!!!!!

「何を見てたの?」

 ひぃ!?

「なな、なにって、そもそもお前が読ませたんだろうが。
 別に大したことは書いてなかったよ」

「そうでしょう?
 だと思って、燃やしてあげたの」

「ははは、そ、そうか、手間が省けたよ」

 …………怖っ!

 なんでこいつも『つきまとい女リスト』入りにしなかったんだよ、俺。

 ちょー怖ぇーじゃん!?

「そうそう、あなたってね。
 考え事するときに、口に出す癖があるんだけど、知ってた?」

 ……

 …………

「あ、ごめん、聞いてなかった」

「あらそう。
 なら、もう一度言うわね?
 私をどんなリストに入れたいのか教えてって言ったのよ。
 今度は聞こえた?」

 ……

 …………

「か、可愛い女の子リスト……かな」

「あら、そんなのもあるのね?
 他には誰の名前があるの?」

「も、もちろんお前だけだよ?」

「そうなの?
 まるで作ったばかりみたい」

 ……

 …………

「さ、さっきの続きって、今からできる?」

「いいえ。
 宿について、あの子を寝かしつけてからね」

 そ、そうなんだ……ははっ。

 楽しみだなー、飯食ったらすぐ行こうぜ。

「もちろんいいわよ。
 でも、その前にすることあるでしょ?」

 へ?

 別にそんなのないぞ?

「都合のいい女リストを作って、私の名前を書かないとじゃない。
 安心して、電話番号は昔のままよ」

 ……

 …………

「ごめんなさい」
 
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