3 / 24
序章:朝、目が覚めたらぬいぐるみになっていた俺。
第2話「俺、ぬいぐるみだった」
しおりを挟む
っと、話し込んじまったな。
そろそろガキを預けに行くか。
「よし、お前のママを探しに行くぞ。
なんか写真とか持ってるか?」
「ママ?
ん……もってる」
ほぉ、聞いてみるもんだな。
どれどれ、あんな本を買い与えた親の顔はっと……ん、こいつって……アメリアじゃないか?
……
いや、違うか。
あいつはこんなに老けてないし。
アメリアは俺と同い年だからまだ24歳、この写真の女はどうみても30を過ぎてる。
大体、あんな女と結婚する、もの好きなやつなんているわけがない。
「父親の写真はないのか?」
ガキに聞いてみると、ガキは不思議そうにこちらを見る。
「写真ないけど、みれる」
はぁ?
写真がなきゃ、姿は見れないだろう?
おい、……はぁ、またなんか取りに行ったし。
まさか、こいつの父親まで俺の家にいるんじゃないだろうな。
そんで父親が俺そっくりで……なんて、まさかな。
「はい、これでみて?」
……鏡?
ははは、まさかまさか。
俺がアメリアと結婚するわけないし、ましてやガキなんて、そう簡単にできやしねえ。
もしそうなら、寝て起きるたんびにガキが出来ちまう。
大丈夫だ。
……大丈夫、だよな?
そうだ、きっとこれは、鏡のようで鏡じゃないんだ。
なんていうか…………そう、写真が貼ってあるとか。
写真がないとか言ってたが、所詮ガキの言うこと、どれが写真で何が写真じゃないかなんて知ってるわけねえ。
俺の小さい時なんて、食べ物か食べ物じゃないかしか分からなかったらしいしな。
ふぅ、考え過ぎだ。
きっと、ここにはこいつの父親の……へ、ぬいぐるみ?
なんだこれ?
鏡の中にぬいぐるみが入ってるぞ。
こっち見んな。
おい、そんな食い入るように見るなって、俺があんまりいい男だから食っちまおうってか?
うははは。
「こりゃいい。
ホントに鏡の中にぬいぐるみがいるみたいだ。
どこで買ったんだ?」
「鏡の中にぬいぐるみはいません。
鏡は反射して周りをうつすんです」
知ってるよ。
ったく、最近のガキは冗談もわからねえかねぇ。
まるでアメリアみたいだ。
あいつもガキの頃からときどき妙に理屈っぽくて……周りを映す?
周りって何だ?
周り……まわり……くるくる回ってとかげがひょっこり……
歌ってる場合か!
おいおいおい、そういえばこのぬいぐるみ、さっきから微動だにしねえぞ?
さっきまであんなに食い入るように、こっちを覗き込んできてたってのに。
動けよ。
ほら、動けってば。
……っち。
俺が右手をゆっくりとあげる。
そうするとぬいぐるみがやっと動き出した、……俺と同じように。
俺が左手をあげるとぬいぐるみも左手をあげる。
右手を上げるふりして左手をあげる……と見せかけてウインク!
可愛い!
じゃねえよ!?
どうなってんだコレーーーーー!
そろそろガキを預けに行くか。
「よし、お前のママを探しに行くぞ。
なんか写真とか持ってるか?」
「ママ?
ん……もってる」
ほぉ、聞いてみるもんだな。
どれどれ、あんな本を買い与えた親の顔はっと……ん、こいつって……アメリアじゃないか?
……
いや、違うか。
あいつはこんなに老けてないし。
アメリアは俺と同い年だからまだ24歳、この写真の女はどうみても30を過ぎてる。
大体、あんな女と結婚する、もの好きなやつなんているわけがない。
「父親の写真はないのか?」
ガキに聞いてみると、ガキは不思議そうにこちらを見る。
「写真ないけど、みれる」
はぁ?
写真がなきゃ、姿は見れないだろう?
おい、……はぁ、またなんか取りに行ったし。
まさか、こいつの父親まで俺の家にいるんじゃないだろうな。
そんで父親が俺そっくりで……なんて、まさかな。
「はい、これでみて?」
……鏡?
ははは、まさかまさか。
俺がアメリアと結婚するわけないし、ましてやガキなんて、そう簡単にできやしねえ。
もしそうなら、寝て起きるたんびにガキが出来ちまう。
大丈夫だ。
……大丈夫、だよな?
そうだ、きっとこれは、鏡のようで鏡じゃないんだ。
なんていうか…………そう、写真が貼ってあるとか。
写真がないとか言ってたが、所詮ガキの言うこと、どれが写真で何が写真じゃないかなんて知ってるわけねえ。
俺の小さい時なんて、食べ物か食べ物じゃないかしか分からなかったらしいしな。
ふぅ、考え過ぎだ。
きっと、ここにはこいつの父親の……へ、ぬいぐるみ?
なんだこれ?
鏡の中にぬいぐるみが入ってるぞ。
こっち見んな。
おい、そんな食い入るように見るなって、俺があんまりいい男だから食っちまおうってか?
うははは。
「こりゃいい。
ホントに鏡の中にぬいぐるみがいるみたいだ。
どこで買ったんだ?」
「鏡の中にぬいぐるみはいません。
鏡は反射して周りをうつすんです」
知ってるよ。
ったく、最近のガキは冗談もわからねえかねぇ。
まるでアメリアみたいだ。
あいつもガキの頃からときどき妙に理屈っぽくて……周りを映す?
周りって何だ?
周り……まわり……くるくる回ってとかげがひょっこり……
歌ってる場合か!
おいおいおい、そういえばこのぬいぐるみ、さっきから微動だにしねえぞ?
さっきまであんなに食い入るように、こっちを覗き込んできてたってのに。
動けよ。
ほら、動けってば。
……っち。
俺が右手をゆっくりとあげる。
そうするとぬいぐるみがやっと動き出した、……俺と同じように。
俺が左手をあげるとぬいぐるみも左手をあげる。
右手を上げるふりして左手をあげる……と見せかけてウインク!
可愛い!
じゃねえよ!?
どうなってんだコレーーーーー!
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
あの日、さようならと言って微笑んだ彼女を僕は一生忘れることはないだろう
まるまる⭐️
恋愛
僕に向かって微笑みながら「さようなら」と告げた彼女は、そのままゆっくりと自身の体重を後ろへと移動し、バルコニーから落ちていった‥
*****
僕と彼女は幼い頃からの婚約者だった。
僕は彼女がずっと、僕を支えるために努力してくれていたのを知っていたのに‥
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる