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46話
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(うふふ、カフェで、エドヴァス王太子殿下と、コゼット・ケンティフォリアのお兄様との同席は事はちょっと、ううん、かなり神経が擦り減る出来事だったけど、アフタヌーンティーには大満足だったわ。
あんなに素敵なアフタヌーンティーなんて、初めて……。
本当にうっとりしてしまったわ。
至福の時だった)
と、思っていたマリアンヌだったが、クリストファーの機嫌がすこぶる悪かった事を思い出し、ちらりとクリストファーに視線を注いだ。
クリストファーの表情がいつもと変わらぬ様子に戻っている事に、マリアンヌは心の底から安堵した。
(良かった……。
クリストファーの機嫌が直って、本当に良かった。
あんなに温度差の激しいクリストファーには、正直、辟易していたのよね)
と、思った途端、ぼっと頬が真っ赤に染まる。
(で、でも、流石にあれは恥ずかしかった。
も、もう、クリストファーったら、恥じらう乙女に、な、何をさせるのよ!)
2人の前でマリアンヌにケーキを食べさせる事を強請るクリストファーには流石に居た堪れなかったが、クリストファーのお願いに抗う事なんて出来ない己に、マリアンヌはクリストファーには弱いな、と苦笑を漏らす。
(結局、お母様のお土産も買いそびれたわ……)と思っていると、焼き菓子店の看板が目に映る。
ハッと弾ける様にマリアンヌの目が見開く。
(こ、ここの焼き菓子、お母様のお気に入りがあったお店だわ!
クリストファーにここに立ち寄りたいと言わなければ)
くいっと隣にいるクリストファーの袖を引っ張って、マリアンヌはクリストファーに声をかける。
「ねえ、クリストファー!
屋敷に帰る前にあのお店に寄って欲しいの。
お母様にお土産を買って帰りたいわ」
先程から、ずっと、外野にマリアンヌとのデートを邪魔されていたクリストファーは、マリアンヌが望む店に立ち寄る時間を奪われていた事を気にかけていた。
マリアンヌが行きたがっている店があるのなら、当然、クリストファーとしては立ち寄るに決まっている。
当然と言わんばかりのクリストファーの頷きに、マリアンヌは笑みを零す。
「ありがとう、クリストファー」と微笑むマリアンヌにクリストファーの表情が和らぐ。
店の中に入ると数種類の焼き菓子とコンフィチュール、そして紅茶が棚に綺麗に陳列している。
(わああ、この紅茶、前から気になっていた銘柄だわ。
購入しようかしら。
それよりもお母様のお気に入りのブルーベリーのコンフィチュールと、パウンドケーキ、そして)、と最後の一つとなっている、フィナンシェの詰め合わせに手を伸ばす。
ふと、同じくフィナンシェに手を伸ばす人物にマリアンヌは気付く。
年齢は30代後半から40代頃と思われる紳士で、マリアンヌは男性が焼き菓子を購入しようとしている事に、つい、微笑んでしまった。
マリアンヌの微笑みに気付いた紳士は、少し照れ臭そうに笑う。
穏やかで優しい笑みに、マリアンヌはどきり、と胸が鳴る。
「……、ここのフィナンシェ、とても美味しいですよね」とつい、声をかけてしまう。
マリアンヌの問いかけに紳士は、微笑みながら頷く。
「ここのお店は私の故郷の物産を取り扱っていて、特に、このフィナンシェは私の故郷の名物でね。
時折、思い出した様に購入している次第です」
紳士の言葉に、マリアンヌは弾ける様な笑顔を浮かべる。
マリアンヌの母親と同郷だと思われる人物に急に親近感を抱いてしまう。
(も、もしかして、お、お母様の事を知っていたりして。
ど、同郷の方だと思われるし、年代的にも近そうだし、お母様の実家はお店を営んでいたと言うし)
そう、今、紳士が言った言葉はマリアンヌにも通じる所がある。
マリアンヌでは、なく、母親であるセシリアであるが。
このお店で取り扱う商品は、セシリアの故郷である物産を数多く取り扱っている。
ブルーベリーのコンフィチュール、パウンドケーキ、そしてフィナンシェ。
ここにあるフィナンシェがセシリアが住んでいた村で営んでいる焼き菓子店で生産されている事を聞いていたマリアンヌは、何度か足を運んでいたが、フィナンシェは事前に予約をしないと手に入れる事が出来ない程、人気なので、何時も落胆を味わっていた。
セシリアが好きな故郷のお菓子。
だからマリアンヌは、事前に予約を入れて手に入れようとしても、何故か、父親であるロベルトが淡い笑みを浮かべて予約を遮ろうとして、手に入れる事が出来ない。
「どうして、予約をして購入したらダメなの?」と幼い頃に問うた事があった。
その時、ロベルトは何故か寂しいそうな表情でマリアンヌに微笑んだ。
ロベルトの表情を見て、これ以上、ロベルトを困らせたらいけないと幼心にマリアンヌは思い、それ以上、店の事を口に出す事を控えていた。
そのフィナンシェが、今、目の前にある。
(ほ、欲しい!
絶対に欲しい、でも、この方も故郷を懐かしんで、フィナンシェを購入しようとしている。
譲って欲しいなんて、そんな図々しい事、絶対に言えないわ。
……、仕方が無いわ、マリアンヌ。
今回は諦めよう。
つ、次はもっと早く来て、絶対に手に入れよう!)
そう決意するマリアンヌの目の前にすっとフィナンシェの詰め合わせが差し出される。
はっとするマリアンヌに紳士が目を細めて笑う。
「思い詰めたお嬢さんの顔を見ていると、つい」と柔らかく言う紳士の声が優しくて、マリアンヌは不意に涙を滲ます。
「あ、ありがとうございます。
あ、あの、本当によろしいのでしょうか?
故郷のお菓子なんでしょう?
なのに、私が譲って頂いて……」
言い淀むマリアンヌに紳士がふっと微笑む。
「私は何時でも気軽に買いに来る事が出来ますが、お嬢さんは中々、難しいのでは?」と背後にいるクリストファーに気付き、言う。
「マリアンヌ」
クリストファーに呼ばれて、つい、振り向いてしまう。
「クリストファー」
「マリアンヌ、どうかした」
「ううん、実は、こちらの紳士が」と言おうとしたら、何時の間にか姿が消えている。
早々に姿を消した紳士に何故?と不思議に思いながらも、手にあるフィナンシェの詰め合わせにマリアンヌは視線を注ぐ。
(結局、私が購入する事になってしまった。
私が思い詰めて表情をしてたから遠慮されたのね、きっと。
また、この店に来た時にお会いしたらお礼を言おう。
そして、もし……。
ふふふ、それは余りにも飛躍し過ぎだわ、マリアンヌ)
「マリアンヌ?」
「ごめんなさい、クリストファー、お待たせして。
今から会計を済まるわ」
「僕が支払うよ、マリアンヌ」
「だ、駄目よ。クリストファー、私がっ」と言おうとしても、素早く手にある商品を持ってクリストファーが会計を済ます。
「も、もうっ」て言いながらも、クリストファーがマリアンヌの事を思っての行動だと知っているので、素直にお礼を述べる。
「でも、余り気を遣わないでね」とさり気なく伝えるマリアンヌにクリストファーが甘い笑みを零す。
クリストファーの極上の笑みに心臓に悪いわ、と胸に手を置きながら呟く。
深呼吸、深呼吸と何度も心の中で唱えながら、クリストファーの手に指を絡める。
「ありがとう、クリストファー……」と、照れながら手を絡めるマリアンヌに今度はクリストファードギマギする。
(な、なんて心臓に悪いんだ、マリアンヌ!)と心の中で呟くクリストファーがぎゅっとマリアンヌの手を握る。
伝わるクリストファーの想い。
ふっと互いの視線が絡む。
自然と微笑みながらマリアンヌとクリストファーは店を後にした。
あんなに素敵なアフタヌーンティーなんて、初めて……。
本当にうっとりしてしまったわ。
至福の時だった)
と、思っていたマリアンヌだったが、クリストファーの機嫌がすこぶる悪かった事を思い出し、ちらりとクリストファーに視線を注いだ。
クリストファーの表情がいつもと変わらぬ様子に戻っている事に、マリアンヌは心の底から安堵した。
(良かった……。
クリストファーの機嫌が直って、本当に良かった。
あんなに温度差の激しいクリストファーには、正直、辟易していたのよね)
と、思った途端、ぼっと頬が真っ赤に染まる。
(で、でも、流石にあれは恥ずかしかった。
も、もう、クリストファーったら、恥じらう乙女に、な、何をさせるのよ!)
2人の前でマリアンヌにケーキを食べさせる事を強請るクリストファーには流石に居た堪れなかったが、クリストファーのお願いに抗う事なんて出来ない己に、マリアンヌはクリストファーには弱いな、と苦笑を漏らす。
(結局、お母様のお土産も買いそびれたわ……)と思っていると、焼き菓子店の看板が目に映る。
ハッと弾ける様にマリアンヌの目が見開く。
(こ、ここの焼き菓子、お母様のお気に入りがあったお店だわ!
クリストファーにここに立ち寄りたいと言わなければ)
くいっと隣にいるクリストファーの袖を引っ張って、マリアンヌはクリストファーに声をかける。
「ねえ、クリストファー!
屋敷に帰る前にあのお店に寄って欲しいの。
お母様にお土産を買って帰りたいわ」
先程から、ずっと、外野にマリアンヌとのデートを邪魔されていたクリストファーは、マリアンヌが望む店に立ち寄る時間を奪われていた事を気にかけていた。
マリアンヌが行きたがっている店があるのなら、当然、クリストファーとしては立ち寄るに決まっている。
当然と言わんばかりのクリストファーの頷きに、マリアンヌは笑みを零す。
「ありがとう、クリストファー」と微笑むマリアンヌにクリストファーの表情が和らぐ。
店の中に入ると数種類の焼き菓子とコンフィチュール、そして紅茶が棚に綺麗に陳列している。
(わああ、この紅茶、前から気になっていた銘柄だわ。
購入しようかしら。
それよりもお母様のお気に入りのブルーベリーのコンフィチュールと、パウンドケーキ、そして)、と最後の一つとなっている、フィナンシェの詰め合わせに手を伸ばす。
ふと、同じくフィナンシェに手を伸ばす人物にマリアンヌは気付く。
年齢は30代後半から40代頃と思われる紳士で、マリアンヌは男性が焼き菓子を購入しようとしている事に、つい、微笑んでしまった。
マリアンヌの微笑みに気付いた紳士は、少し照れ臭そうに笑う。
穏やかで優しい笑みに、マリアンヌはどきり、と胸が鳴る。
「……、ここのフィナンシェ、とても美味しいですよね」とつい、声をかけてしまう。
マリアンヌの問いかけに紳士は、微笑みながら頷く。
「ここのお店は私の故郷の物産を取り扱っていて、特に、このフィナンシェは私の故郷の名物でね。
時折、思い出した様に購入している次第です」
紳士の言葉に、マリアンヌは弾ける様な笑顔を浮かべる。
マリアンヌの母親と同郷だと思われる人物に急に親近感を抱いてしまう。
(も、もしかして、お、お母様の事を知っていたりして。
ど、同郷の方だと思われるし、年代的にも近そうだし、お母様の実家はお店を営んでいたと言うし)
そう、今、紳士が言った言葉はマリアンヌにも通じる所がある。
マリアンヌでは、なく、母親であるセシリアであるが。
このお店で取り扱う商品は、セシリアの故郷である物産を数多く取り扱っている。
ブルーベリーのコンフィチュール、パウンドケーキ、そしてフィナンシェ。
ここにあるフィナンシェがセシリアが住んでいた村で営んでいる焼き菓子店で生産されている事を聞いていたマリアンヌは、何度か足を運んでいたが、フィナンシェは事前に予約をしないと手に入れる事が出来ない程、人気なので、何時も落胆を味わっていた。
セシリアが好きな故郷のお菓子。
だからマリアンヌは、事前に予約を入れて手に入れようとしても、何故か、父親であるロベルトが淡い笑みを浮かべて予約を遮ろうとして、手に入れる事が出来ない。
「どうして、予約をして購入したらダメなの?」と幼い頃に問うた事があった。
その時、ロベルトは何故か寂しいそうな表情でマリアンヌに微笑んだ。
ロベルトの表情を見て、これ以上、ロベルトを困らせたらいけないと幼心にマリアンヌは思い、それ以上、店の事を口に出す事を控えていた。
そのフィナンシェが、今、目の前にある。
(ほ、欲しい!
絶対に欲しい、でも、この方も故郷を懐かしんで、フィナンシェを購入しようとしている。
譲って欲しいなんて、そんな図々しい事、絶対に言えないわ。
……、仕方が無いわ、マリアンヌ。
今回は諦めよう。
つ、次はもっと早く来て、絶対に手に入れよう!)
そう決意するマリアンヌの目の前にすっとフィナンシェの詰め合わせが差し出される。
はっとするマリアンヌに紳士が目を細めて笑う。
「思い詰めたお嬢さんの顔を見ていると、つい」と柔らかく言う紳士の声が優しくて、マリアンヌは不意に涙を滲ます。
「あ、ありがとうございます。
あ、あの、本当によろしいのでしょうか?
故郷のお菓子なんでしょう?
なのに、私が譲って頂いて……」
言い淀むマリアンヌに紳士がふっと微笑む。
「私は何時でも気軽に買いに来る事が出来ますが、お嬢さんは中々、難しいのでは?」と背後にいるクリストファーに気付き、言う。
「マリアンヌ」
クリストファーに呼ばれて、つい、振り向いてしまう。
「クリストファー」
「マリアンヌ、どうかした」
「ううん、実は、こちらの紳士が」と言おうとしたら、何時の間にか姿が消えている。
早々に姿を消した紳士に何故?と不思議に思いながらも、手にあるフィナンシェの詰め合わせにマリアンヌは視線を注ぐ。
(結局、私が購入する事になってしまった。
私が思い詰めて表情をしてたから遠慮されたのね、きっと。
また、この店に来た時にお会いしたらお礼を言おう。
そして、もし……。
ふふふ、それは余りにも飛躍し過ぎだわ、マリアンヌ)
「マリアンヌ?」
「ごめんなさい、クリストファー、お待たせして。
今から会計を済まるわ」
「僕が支払うよ、マリアンヌ」
「だ、駄目よ。クリストファー、私がっ」と言おうとしても、素早く手にある商品を持ってクリストファーが会計を済ます。
「も、もうっ」て言いながらも、クリストファーがマリアンヌの事を思っての行動だと知っているので、素直にお礼を述べる。
「でも、余り気を遣わないでね」とさり気なく伝えるマリアンヌにクリストファーが甘い笑みを零す。
クリストファーの極上の笑みに心臓に悪いわ、と胸に手を置きながら呟く。
深呼吸、深呼吸と何度も心の中で唱えながら、クリストファーの手に指を絡める。
「ありがとう、クリストファー……」と、照れながら手を絡めるマリアンヌに今度はクリストファードギマギする。
(な、なんて心臓に悪いんだ、マリアンヌ!)と心の中で呟くクリストファーがぎゅっとマリアンヌの手を握る。
伝わるクリストファーの想い。
ふっと互いの視線が絡む。
自然と微笑みながらマリアンヌとクリストファーは店を後にした。
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