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38話
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セシリアとリアナが親交を深めていた頃、ロベルトは自室でライアンと談笑していた。
「……、いい加減、長いな。
リアナは、何時まで、セシリアと話すつもりか」
不機嫌な様でライアンに話すロベルトの声音は何時もより低い。
マリアンヌとクリストファーが相愛の仲になった途端、リアナの訪問が頻繁となりセシリアとの会話を楽しんでいる様子が窺える。
当然、ロベルトとしては面白くない状況である。
自分に見せない笑顔をリアナには向け、打ち解けた口調で話してあう。
じわじわと心の中にドス黒い感情が満たしていく。
(どうして長時間リアナと楽しそうに話をするんだ?
僕には心を許してくれない癖に、リアナとは気心が知れた仲だと見せつける。
僕には、笑顔すら、向けてくれない……)
理由は充分解っている。
だが感情はそんなに単純なものでは、無い。
子供っぽい嫉妬心をリアナに抱いている事も、多少なり、理解しているつもりだ。
リアナとお茶を楽しむセシリアの時間を奪う権利は無いと理解はしていても、だ。
(自分の中では、かなり、妥協している。
僕の妻なのに、対なる君なのに……)
最後の言葉にロベルトの気持ちが沈む。
心の中に蔓延っていた黒い感情は霧散し、一気に重くのしかかる。
ロベルトの険しい表情に相変わらず心が狭いなとライアンは苦笑する。
妻であるリアナとセシリアが仲が良い事にロベルトは嫉妬している。
セシリアの関心を奪うリアナの存在が忌々しいとロベルトの表情が物語っている。
「気持ちは解るが、何事も程々が肝心だ。
過ぎる嫉妬心は身を滅ぼすぞ、ロベルト」
ライアンの妙に悟った物言いにロベルトの美しい柳眉が上がる。
向けられる視線の鋭さに殺気すら感じてしまう。
これは地雷を踏んでしまったか、とライアンは独りごちた。
「……、何、上から目線で僕に言う。
最近のお前は僕の神経を逆撫でする事ばかり言うよね、ライアン」
棘を含んだロベルトの言葉にライアンは肩を竦める。
おお怖い、と戯けた口調で話すライアンにロベルトの不機嫌さに拍車がかかる。
「早くリアナを伴ってここから出て行ってくれ、ライアン!
僕はお前の息子の所為で心の安寧が乱されて不愉快極まり無いんだ!
全く、毎回毎回、マリアンヌにねちっこい執着を含んだ薔薇の芳香を漂わせて帰宅させて。
穢れを知らない純真無垢なマリアンヌをあの馬鹿は!」
八つ当たりとしか聞こえないクリストファーへの暴言に、ライアンは流石に大人気ないと憐憫を込めた目でロベルトに視線を注ぐ。
(相変わらずロベルトとセシリアの関係は平行線のままか。
2人の関係に進展の気配すら感じられ無い……)
それも全てはロベルトが原因だ。
異常なまでのセシリアへの執着と束縛。
対なる君の呪いが関与してああなのか……。
確かにロベルトはそのきらいがある。
だが、呪いの狂気が絡んでの、あの言葉、あの表情はあり得ない。
あの、ロベルトが感情を剥き出しにしてリアナに嫉妬している。
(随分、人間らしい感情を持つ様になったな、ロベルトは)
と、ライアンは感慨深げに思う。
幼い頃からロベルトの性格は知っている。
近寄りがたい雰囲気を漂わせていた孤独な少年。
幼少の頃のロベルトは今とはかなりかけ離れた性格の持ち主であった。
感情の機微を感じさせない、表情の乏しい血の通わない人形の様なロベルト。
生きる事に執着も無く、淡々とロベルトは日々を過ごしていた。
呪いの保持者である事が幼いロベルトの心を歪ませた。
生きる意味も見出せない、存在意義さえ解らない、何故、己は生きているのか。
自虐的な笑みが自然と浮かぶ。
そんな答えさえ煩わしい、と。
呪いが何時、発動するか分からない。
人では無いものへと変わって最後には朽ち果てる。
胸に刻まれた黄色い薔薇の刻印。
死と恐怖にロベルトの心が苛んでいく。
そんな幼いロベルトに両親は、呪いの保持者であるロベルトに対し愛情が希薄であった。
リオネル・レガーリスが引き起こした惨劇がロベルトの両親に暗い影を落とす。
出産時、ロベルトの胸に刻まれた呪いの刻印を見た母親は、その場にてロベルトの存在を否定し拒絶した。
禍々しい呪いの忌み子、穢らわしい存在。
それがロベルトに対する両親の感情だった……。
レガーリス家の当主であったグレアム・レガーリスはロベルトの立場を哀れと思い、妹でありシャンペトル家伯爵夫人でもあるアメリアに同じ年であるライアンと共に育てて欲しい願い、ピアッチェ家夫妻と話し合いロベルトを引き取った。
息子であるライアンもロベルトと同じく呪いの保持者であったが、アメリアは息子に対して態度を変える事なく、深い愛情を惜しみなく注いだ。
最初、ライアン達の親子関係にロベルトの生気のない瞳に揺らぎが生じる。
これが、本当の母親なんだ……。
呪いの保持者であっても関係ない、母親の愛情。
僕には決して手に入れる事が、出来ない……。
ロベルトの心の中に漣が広がっていく。
何かがロベルトの感情に宿った。
それが何であったか気付く事になるのは、対なる君であるセシリアとの出会い。
セシリアとの日々がロベルトの心に変化を与える様になる……。
シャンペトル家での生活は幼いロベルトに様々な感情を抱かせた。
ライアンの両親は息子であるライアンと同じくロベルトに深い愛情を注いだ。
シャンペトル家での生活はロベルトの精神を安定させたが、凍てついた心は癒される事は無かった。
ライアンの両親には尊敬と感謝の気持ちは抱いている。
シャンペトル家での生活が無ければロベルトは生きていけなかった、だが……。
薄い膜で覆われた、何処か隔たりのあるシャンペトル家での生活。
幼少期から青年期に成長するにつれて、ロベルトの心の中に対なる君への好奇心が膨れ上がっていく。
対なる君の呪いは呪いを中和する相手を手に入れれば、呪いで身を滅ぼす事を回避出来る。
対なる君を得れば死の恐怖から免れる事が出来る……。
生きる事に未だに何かを深く考える事は、無い。
ただ、年齢を重ねる毎に対なる相手がどんな女かロベルトは興味を抱く様になった。
呪いが定めた相手。
己の絶対的な支配者。
呪いという逃れられない呪縛の……。
運命の女。
そう、自分の生死を握る女に出会ってみたいとロベルトは強く願う様になる。
そして運命の日。
ロベルトは出会ったしまった、対なる君であるセシリアに。
太陽の如く眩い笑顔に、生命力が溢れる美しいセシリア。
その姿に一瞬にして心が奪われる。
(なんだ、この感情は……)
どくん、と心臓が鳴る。
薔薇の芳香が拡散され己の思考を奪おうとする。
脈打つ心臓の音が激しくなり、自我を保つ事が出来ない。
あの女が欲しい。
あの女は僕のものだ、誰にも渡さない……。
今直ぐ、あの女を抱きたい。
呪いの薔薇が狂い咲く。
思考を奪い己ではない者へと変化していく。
呪いの狂気がロベルトを襲う。
(だ、駄目だ。
ぼ、僕は彼女を……)
対なる君の呪いで、穢したくは、無い……。
一瞬、浮かんだ言葉。
何故、そんな感情が宿ったのか解らない。
だが、セシリアに対して心が奪われたのは確かな事で。
セシリアとの出会いは、ロベルトの心に、今までには無い感情を抱かせたのであった。
「……、いい加減、長いな。
リアナは、何時まで、セシリアと話すつもりか」
不機嫌な様でライアンに話すロベルトの声音は何時もより低い。
マリアンヌとクリストファーが相愛の仲になった途端、リアナの訪問が頻繁となりセシリアとの会話を楽しんでいる様子が窺える。
当然、ロベルトとしては面白くない状況である。
自分に見せない笑顔をリアナには向け、打ち解けた口調で話してあう。
じわじわと心の中にドス黒い感情が満たしていく。
(どうして長時間リアナと楽しそうに話をするんだ?
僕には心を許してくれない癖に、リアナとは気心が知れた仲だと見せつける。
僕には、笑顔すら、向けてくれない……)
理由は充分解っている。
だが感情はそんなに単純なものでは、無い。
子供っぽい嫉妬心をリアナに抱いている事も、多少なり、理解しているつもりだ。
リアナとお茶を楽しむセシリアの時間を奪う権利は無いと理解はしていても、だ。
(自分の中では、かなり、妥協している。
僕の妻なのに、対なる君なのに……)
最後の言葉にロベルトの気持ちが沈む。
心の中に蔓延っていた黒い感情は霧散し、一気に重くのしかかる。
ロベルトの険しい表情に相変わらず心が狭いなとライアンは苦笑する。
妻であるリアナとセシリアが仲が良い事にロベルトは嫉妬している。
セシリアの関心を奪うリアナの存在が忌々しいとロベルトの表情が物語っている。
「気持ちは解るが、何事も程々が肝心だ。
過ぎる嫉妬心は身を滅ぼすぞ、ロベルト」
ライアンの妙に悟った物言いにロベルトの美しい柳眉が上がる。
向けられる視線の鋭さに殺気すら感じてしまう。
これは地雷を踏んでしまったか、とライアンは独りごちた。
「……、何、上から目線で僕に言う。
最近のお前は僕の神経を逆撫でする事ばかり言うよね、ライアン」
棘を含んだロベルトの言葉にライアンは肩を竦める。
おお怖い、と戯けた口調で話すライアンにロベルトの不機嫌さに拍車がかかる。
「早くリアナを伴ってここから出て行ってくれ、ライアン!
僕はお前の息子の所為で心の安寧が乱されて不愉快極まり無いんだ!
全く、毎回毎回、マリアンヌにねちっこい執着を含んだ薔薇の芳香を漂わせて帰宅させて。
穢れを知らない純真無垢なマリアンヌをあの馬鹿は!」
八つ当たりとしか聞こえないクリストファーへの暴言に、ライアンは流石に大人気ないと憐憫を込めた目でロベルトに視線を注ぐ。
(相変わらずロベルトとセシリアの関係は平行線のままか。
2人の関係に進展の気配すら感じられ無い……)
それも全てはロベルトが原因だ。
異常なまでのセシリアへの執着と束縛。
対なる君の呪いが関与してああなのか……。
確かにロベルトはそのきらいがある。
だが、呪いの狂気が絡んでの、あの言葉、あの表情はあり得ない。
あの、ロベルトが感情を剥き出しにしてリアナに嫉妬している。
(随分、人間らしい感情を持つ様になったな、ロベルトは)
と、ライアンは感慨深げに思う。
幼い頃からロベルトの性格は知っている。
近寄りがたい雰囲気を漂わせていた孤独な少年。
幼少の頃のロベルトは今とはかなりかけ離れた性格の持ち主であった。
感情の機微を感じさせない、表情の乏しい血の通わない人形の様なロベルト。
生きる事に執着も無く、淡々とロベルトは日々を過ごしていた。
呪いの保持者である事が幼いロベルトの心を歪ませた。
生きる意味も見出せない、存在意義さえ解らない、何故、己は生きているのか。
自虐的な笑みが自然と浮かぶ。
そんな答えさえ煩わしい、と。
呪いが何時、発動するか分からない。
人では無いものへと変わって最後には朽ち果てる。
胸に刻まれた黄色い薔薇の刻印。
死と恐怖にロベルトの心が苛んでいく。
そんな幼いロベルトに両親は、呪いの保持者であるロベルトに対し愛情が希薄であった。
リオネル・レガーリスが引き起こした惨劇がロベルトの両親に暗い影を落とす。
出産時、ロベルトの胸に刻まれた呪いの刻印を見た母親は、その場にてロベルトの存在を否定し拒絶した。
禍々しい呪いの忌み子、穢らわしい存在。
それがロベルトに対する両親の感情だった……。
レガーリス家の当主であったグレアム・レガーリスはロベルトの立場を哀れと思い、妹でありシャンペトル家伯爵夫人でもあるアメリアに同じ年であるライアンと共に育てて欲しい願い、ピアッチェ家夫妻と話し合いロベルトを引き取った。
息子であるライアンもロベルトと同じく呪いの保持者であったが、アメリアは息子に対して態度を変える事なく、深い愛情を惜しみなく注いだ。
最初、ライアン達の親子関係にロベルトの生気のない瞳に揺らぎが生じる。
これが、本当の母親なんだ……。
呪いの保持者であっても関係ない、母親の愛情。
僕には決して手に入れる事が、出来ない……。
ロベルトの心の中に漣が広がっていく。
何かがロベルトの感情に宿った。
それが何であったか気付く事になるのは、対なる君であるセシリアとの出会い。
セシリアとの日々がロベルトの心に変化を与える様になる……。
シャンペトル家での生活は幼いロベルトに様々な感情を抱かせた。
ライアンの両親は息子であるライアンと同じくロベルトに深い愛情を注いだ。
シャンペトル家での生活はロベルトの精神を安定させたが、凍てついた心は癒される事は無かった。
ライアンの両親には尊敬と感謝の気持ちは抱いている。
シャンペトル家での生活が無ければロベルトは生きていけなかった、だが……。
薄い膜で覆われた、何処か隔たりのあるシャンペトル家での生活。
幼少期から青年期に成長するにつれて、ロベルトの心の中に対なる君への好奇心が膨れ上がっていく。
対なる君の呪いは呪いを中和する相手を手に入れれば、呪いで身を滅ぼす事を回避出来る。
対なる君を得れば死の恐怖から免れる事が出来る……。
生きる事に未だに何かを深く考える事は、無い。
ただ、年齢を重ねる毎に対なる相手がどんな女かロベルトは興味を抱く様になった。
呪いが定めた相手。
己の絶対的な支配者。
呪いという逃れられない呪縛の……。
運命の女。
そう、自分の生死を握る女に出会ってみたいとロベルトは強く願う様になる。
そして運命の日。
ロベルトは出会ったしまった、対なる君であるセシリアに。
太陽の如く眩い笑顔に、生命力が溢れる美しいセシリア。
その姿に一瞬にして心が奪われる。
(なんだ、この感情は……)
どくん、と心臓が鳴る。
薔薇の芳香が拡散され己の思考を奪おうとする。
脈打つ心臓の音が激しくなり、自我を保つ事が出来ない。
あの女が欲しい。
あの女は僕のものだ、誰にも渡さない……。
今直ぐ、あの女を抱きたい。
呪いの薔薇が狂い咲く。
思考を奪い己ではない者へと変化していく。
呪いの狂気がロベルトを襲う。
(だ、駄目だ。
ぼ、僕は彼女を……)
対なる君の呪いで、穢したくは、無い……。
一瞬、浮かんだ言葉。
何故、そんな感情が宿ったのか解らない。
だが、セシリアに対して心が奪われたのは確かな事で。
セシリアとの出会いは、ロベルトの心に、今までには無い感情を抱かせたのであった。
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