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8話
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(一体、今、何が起こったの……)
「クリストファー様」
「……」
クリストファーの名を呼ぶ家令の声でマリアンヌは現実に引き戻される。
一瞬、確かに触れたと思う。
唇に温かみを感じた。
ほんの一瞬の出来事だけど……。
(な、何故なの?
もしかしてクリストファー……)
違う、絶対にあり得ない。
今、浮かんだ言葉って、なんて言う自惚れなの!
クリストファーが私の事が好きだなんて……。
そよそよと風が靡いて、ふわりと漂う薔薇の香り。
さっきと違う香り……。
ほんのりと柔らかい、優しい薫り。
「クリストファー様。
早くお戻り下さい。
クリスティアーナ様がお見えになっています」
どくん。
(クリスティアーナ様?
まさか、クリストファーの再従兄弟でレガーリス公爵家の……。
本家の相続人であり、白薔薇の異名を持つ社交界随一美貌と謳われる、クリストファーとは一対の人形の様だと褒め称えられる方)
クリストファーより2歳年上だけど、流れる様に真っ直ぐで美しい銀髪に淡いペリドットの瞳、たおやかで優美な様はまさに白薔薇の異名に相応しい。
社交界デビューの時、クリストファーが何故、あんなにも親密に談笑しているのか後で知ってモヤモヤした気持ちを抱かせた張本人。
私とは雲泥の差の美貌の方で、クリストファーと、とてもお似合いの、方……。
その方が何故ここに。
シャンペトル家に何故、来ているの?
(な、何を邪推しているの?マリアンヌ。
再従兄弟だもの、クリストファーとの交流があってもおかしく無いでしょう?
何をそんなに動揺しているの……)
そう、動揺なんて……。
「……」
「私の事は気にしないで?
早く行かないとクリスティアーナ様に失礼だわ。
また、今度の機会にここでお昼にしましょう」
「……」
「早く行って、クリストファー。
私も今日はこのまま帰るから、早く」
後ろ髪を引かれる様に一瞬、クリストファーが振り返る。
そんなに気にしないで、と無理に笑みを浮かべてクリストファーを見送る。
眦に薄らと涙が滲んでいた。
指先でそっと拭い、指先を見詰める。
……。
ぽつんと一人、とり残されてしまったわ。
(ふふふ、私ったら)
ふと、バスケットに視線を注ぐ。
朝早くから起きて頑張って作って。
もしかしたらクリストファーが喜んでくれるかもと期待しながら。
(このまま帰るのもなんか嫌だな……。
でもここに居るのも気持ちが沈んで)
はああ。
なんか脱力した。
今日は2度もクリストファーに名前を呼ばれた。
それも連続で。
まさに快挙としか言えない。
無表情にも少し変化があって、そして……。
すうと口元に指を這わす。
一瞬、ここに触れた……。
クリストファーの唇が。
……。
……、これってもしかして、ファ、ファーストキス。
えっ、ええええええ!
(き、キスって、わ、私、クリストファーとしたの?
あれだけ好みでは無いと散々言いながら、私って)
……。
愛情なんて一切ない父親同士が決めた婚約者で、そして……。
バスケットの中にあるクッキー。
クリストファーの為に作った。
それだけではない。
サンドウィッチとスコーンも、朝早く起きて頑張って作っている姿に、屋敷のみんなに生暖かい目で見られて。
クリストファーの為に作っていると思われるのが恥ずかしくて必死になって否定して……。
……。
これはもう認めざるを得ない。
自分の気持ちを誤魔化す事なんて無理。
好きなんだ、私。
クリストファーの事が好き。
父親同士が勝手に決めた婚約者でおば様似の女性よりも麗しいクリストファー。
幼い頃から余りの圧倒的な美に萎縮してしまって。
無表情で無口で何を考えているのか分からなくて、一方的な会話にずっとうんざりしていた。
どうして何も言ってくれないの?
私との婚約がそんなにもいや?
私には一片の興味すら抱く事が出来ないの?
綺麗で無い可愛くない私なんてクリストファーにとって取るに足らない相手なの?
婚約者としてそんなにもクリストファーに相応しく無い?
ずっと心の片隅に疑問が積み重なって。
それがいつしかモヤモヤとした感情に変化して。
自覚したら全てが繋がっていく。
ずっと惹かれていた。
だからあんな風に反発していたんだ。
好きになったら自分が辛くなるから心が伴わない婚約だと思っていた方がずっと楽だと……。
もし、愛しても愛されなかったらどれほど惨めで哀しいだろうって思って、無意識に心の中にずっと潜めていた。
クリストファーに対する恋心を。
(ふふふ、本当に私ったら馬鹿なんだから。
自覚しても自分が惨めになるだけだと分かっていても、でも、もう抑えられない。
好き……。
クリストファーが好きなの)
***
「これだけは渡して帰ろう」
気持ちの整理が少し出来て屋敷に帰ろうとしたけど、どうしてもクリストファーにクッキーだけは渡したくて。
日持ちするし、以前、残さず食べてくれたから。
今日の表情、少し揺らいでいた様に見えたから、だから。
「ねえ、本当にクリストファー様はお受けするのかしら」
「この頃、ずっとレガーリス家からの使者の方がお見えになって、クリストファー様にレガーリス家に参じる様にと」
「レガーリス家の現当主であるマルグリット様がクリストファー様に命じてるでしょう、クリスティアーナ様との婚姻を」
「クリストファー様がクリスティアーナ様を幼い頃から実の姉の様にお慕いしていたと小耳に挟んでいるわ」
「ううん、それは違うわアンナ。
姉としてでは無く一人の女性としてよ。
マリアンヌ様との婚約だって本当は解消されたいと思われているご様子だし」
(え……)
「ご当主様が勝手に決められた婚約をクリストファー様は不本意だけど渋々受けいれられているのよ。
お優しいから自らマリアンヌ様に婚約破棄をお伝える事が出来ないのよ。だからご心情を察したマルグリット様が表向きはレガーリス家の命令でクリスティアーナ様との婚約を」
(……、な、何を言っているのか分からない。
クリストファーがクリスティアーナ様を慕っている?
一人の女性として。
私との婚約を本当は破棄したいと願っている……)
ことん。
ああ、だからずっと無言で、無表情で、私を避けていた。
だって好きな女性がいるのに父親の勝手で私との婚約を決められて。
ずっと苦しんでいたのね。
ずっと秘めた恋に苦しんで。
なのに一言も本心を告げる事なく、私との婚約を受け入れて。
私を傷付けたく無くて、自ら破棄を言えば私が傷モノになると思って心を殺していた。
(クリストファー……)
ポロポロ。
知りたくなかった。
クリストファーの本心を知りたくなかった。
クリストファーの事を愛し始めているのに。
やっと自分の気持ちに正直になって向き合ったのに。
だけど、クリストファーには、一生、愛される事は、無い……。
「クリストファー様」
「……」
クリストファーの名を呼ぶ家令の声でマリアンヌは現実に引き戻される。
一瞬、確かに触れたと思う。
唇に温かみを感じた。
ほんの一瞬の出来事だけど……。
(な、何故なの?
もしかしてクリストファー……)
違う、絶対にあり得ない。
今、浮かんだ言葉って、なんて言う自惚れなの!
クリストファーが私の事が好きだなんて……。
そよそよと風が靡いて、ふわりと漂う薔薇の香り。
さっきと違う香り……。
ほんのりと柔らかい、優しい薫り。
「クリストファー様。
早くお戻り下さい。
クリスティアーナ様がお見えになっています」
どくん。
(クリスティアーナ様?
まさか、クリストファーの再従兄弟でレガーリス公爵家の……。
本家の相続人であり、白薔薇の異名を持つ社交界随一美貌と謳われる、クリストファーとは一対の人形の様だと褒め称えられる方)
クリストファーより2歳年上だけど、流れる様に真っ直ぐで美しい銀髪に淡いペリドットの瞳、たおやかで優美な様はまさに白薔薇の異名に相応しい。
社交界デビューの時、クリストファーが何故、あんなにも親密に談笑しているのか後で知ってモヤモヤした気持ちを抱かせた張本人。
私とは雲泥の差の美貌の方で、クリストファーと、とてもお似合いの、方……。
その方が何故ここに。
シャンペトル家に何故、来ているの?
(な、何を邪推しているの?マリアンヌ。
再従兄弟だもの、クリストファーとの交流があってもおかしく無いでしょう?
何をそんなに動揺しているの……)
そう、動揺なんて……。
「……」
「私の事は気にしないで?
早く行かないとクリスティアーナ様に失礼だわ。
また、今度の機会にここでお昼にしましょう」
「……」
「早く行って、クリストファー。
私も今日はこのまま帰るから、早く」
後ろ髪を引かれる様に一瞬、クリストファーが振り返る。
そんなに気にしないで、と無理に笑みを浮かべてクリストファーを見送る。
眦に薄らと涙が滲んでいた。
指先でそっと拭い、指先を見詰める。
……。
ぽつんと一人、とり残されてしまったわ。
(ふふふ、私ったら)
ふと、バスケットに視線を注ぐ。
朝早くから起きて頑張って作って。
もしかしたらクリストファーが喜んでくれるかもと期待しながら。
(このまま帰るのもなんか嫌だな……。
でもここに居るのも気持ちが沈んで)
はああ。
なんか脱力した。
今日は2度もクリストファーに名前を呼ばれた。
それも連続で。
まさに快挙としか言えない。
無表情にも少し変化があって、そして……。
すうと口元に指を這わす。
一瞬、ここに触れた……。
クリストファーの唇が。
……。
……、これってもしかして、ファ、ファーストキス。
えっ、ええええええ!
(き、キスって、わ、私、クリストファーとしたの?
あれだけ好みでは無いと散々言いながら、私って)
……。
愛情なんて一切ない父親同士が決めた婚約者で、そして……。
バスケットの中にあるクッキー。
クリストファーの為に作った。
それだけではない。
サンドウィッチとスコーンも、朝早く起きて頑張って作っている姿に、屋敷のみんなに生暖かい目で見られて。
クリストファーの為に作っていると思われるのが恥ずかしくて必死になって否定して……。
……。
これはもう認めざるを得ない。
自分の気持ちを誤魔化す事なんて無理。
好きなんだ、私。
クリストファーの事が好き。
父親同士が勝手に決めた婚約者でおば様似の女性よりも麗しいクリストファー。
幼い頃から余りの圧倒的な美に萎縮してしまって。
無表情で無口で何を考えているのか分からなくて、一方的な会話にずっとうんざりしていた。
どうして何も言ってくれないの?
私との婚約がそんなにもいや?
私には一片の興味すら抱く事が出来ないの?
綺麗で無い可愛くない私なんてクリストファーにとって取るに足らない相手なの?
婚約者としてそんなにもクリストファーに相応しく無い?
ずっと心の片隅に疑問が積み重なって。
それがいつしかモヤモヤとした感情に変化して。
自覚したら全てが繋がっていく。
ずっと惹かれていた。
だからあんな風に反発していたんだ。
好きになったら自分が辛くなるから心が伴わない婚約だと思っていた方がずっと楽だと……。
もし、愛しても愛されなかったらどれほど惨めで哀しいだろうって思って、無意識に心の中にずっと潜めていた。
クリストファーに対する恋心を。
(ふふふ、本当に私ったら馬鹿なんだから。
自覚しても自分が惨めになるだけだと分かっていても、でも、もう抑えられない。
好き……。
クリストファーが好きなの)
***
「これだけは渡して帰ろう」
気持ちの整理が少し出来て屋敷に帰ろうとしたけど、どうしてもクリストファーにクッキーだけは渡したくて。
日持ちするし、以前、残さず食べてくれたから。
今日の表情、少し揺らいでいた様に見えたから、だから。
「ねえ、本当にクリストファー様はお受けするのかしら」
「この頃、ずっとレガーリス家からの使者の方がお見えになって、クリストファー様にレガーリス家に参じる様にと」
「レガーリス家の現当主であるマルグリット様がクリストファー様に命じてるでしょう、クリスティアーナ様との婚姻を」
「クリストファー様がクリスティアーナ様を幼い頃から実の姉の様にお慕いしていたと小耳に挟んでいるわ」
「ううん、それは違うわアンナ。
姉としてでは無く一人の女性としてよ。
マリアンヌ様との婚約だって本当は解消されたいと思われているご様子だし」
(え……)
「ご当主様が勝手に決められた婚約をクリストファー様は不本意だけど渋々受けいれられているのよ。
お優しいから自らマリアンヌ様に婚約破棄をお伝える事が出来ないのよ。だからご心情を察したマルグリット様が表向きはレガーリス家の命令でクリスティアーナ様との婚約を」
(……、な、何を言っているのか分からない。
クリストファーがクリスティアーナ様を慕っている?
一人の女性として。
私との婚約を本当は破棄したいと願っている……)
ことん。
ああ、だからずっと無言で、無表情で、私を避けていた。
だって好きな女性がいるのに父親の勝手で私との婚約を決められて。
ずっと苦しんでいたのね。
ずっと秘めた恋に苦しんで。
なのに一言も本心を告げる事なく、私との婚約を受け入れて。
私を傷付けたく無くて、自ら破棄を言えば私が傷モノになると思って心を殺していた。
(クリストファー……)
ポロポロ。
知りたくなかった。
クリストファーの本心を知りたくなかった。
クリストファーの事を愛し始めているのに。
やっと自分の気持ちに正直になって向き合ったのに。
だけど、クリストファーには、一生、愛される事は、無い……。
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