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「あー……。ところで、そのアイテムって何なの? 見た事ないんだけど?」
記憶を消す為にも何か話をしなければと考えた結果、そういえば気になる事があったなぁと、その事を尋ねる事にした。
「これか?」
ナユタは私に見えるように、件のカードをテーブルの真ん中に置いた。
残念ながらアイテムは、譲渡もしくは盗賊スキルの『盗む』そしてPKで殺して奪うのどれかをしない限り相手のアイテムを触る事が出来ないようになっている。
よって、今の私にはそのカードを触る事が出来ないからナユタは見えるようにと、テーブルに置いてくれたのだ。
「見た感じは光沢のある、ただのピンクのカードにしか見えないんだけど……。結局それってなんなの?」
本当に何の変哲もないカードだった。
何か文字や絵が描かれているわけでもなく、ただピンク一色のカード。
「この間、一日限定のハロウィンイベントがあっただろう?」
「あー、確かあったね。オフの都合で参加できなかったけど。ええっと……。人形師の館がダンジョンになっていたっけ?」
始まりの街の近くの森の中だったかなぁ、その館の場所。
参加できないって分かっていたから、たいして情報も仕入れていなかったんだよね。
「ああ。人形師のマスター、パンプキンダンプティの館で奴の操る人形達を退けつつ、地下にあるキャラメルボックスからカラメルソースを回収し、一階のキッチンに置いてあるパンプキンのプティングにかけた後、それを持って屋根の上にいるパンプキンダンプティと戦い勝利して、奴に『トリック・オア・トリート』と言わせた後にそのプティングを渡すとクリアになるというイベントだ」
うーわ……。
話に聞くだけでも面倒そう。しかも一日限定だから時間との戦いだし。
「もしかして、ナユタ……」
「折角だからと、ソロで参加した」
「ソロッ!? そんな鬼畜っぽいイベをソロで!? なんでパーティー組まなかったの!? 絶対その方がクリアが楽になるのに……」
「ユウがいないパーティーには意味がない。それにユウ以外とは組みたくない」
「でも、私が参加できない時はナユタがつまらないでしょ? 気にせず、パーティー組んだらいいのに」
「だって、……ユウと俺は相性最高のパートナーだろ?」
違う答えが返ってきた気がするけどでも、真面目な顔でそんな事言われると、すっごく照れるんですけどっ!?
いやー、でも、ナユタがそこまで私の事を頼りにしてくれていると知って、嬉しい。相当嬉しいよ。
「モチロン私だって、ナユタの事を最高のパートナーって思ってるよ」
もじもじしながらもはにかんだ笑顔で私も言った。
可愛さアピールは忘れません。押さえるところは、ちゃんと押さえるよー!
記憶を消す為にも何か話をしなければと考えた結果、そういえば気になる事があったなぁと、その事を尋ねる事にした。
「これか?」
ナユタは私に見えるように、件のカードをテーブルの真ん中に置いた。
残念ながらアイテムは、譲渡もしくは盗賊スキルの『盗む』そしてPKで殺して奪うのどれかをしない限り相手のアイテムを触る事が出来ないようになっている。
よって、今の私にはそのカードを触る事が出来ないからナユタは見えるようにと、テーブルに置いてくれたのだ。
「見た感じは光沢のある、ただのピンクのカードにしか見えないんだけど……。結局それってなんなの?」
本当に何の変哲もないカードだった。
何か文字や絵が描かれているわけでもなく、ただピンク一色のカード。
「この間、一日限定のハロウィンイベントがあっただろう?」
「あー、確かあったね。オフの都合で参加できなかったけど。ええっと……。人形師の館がダンジョンになっていたっけ?」
始まりの街の近くの森の中だったかなぁ、その館の場所。
参加できないって分かっていたから、たいして情報も仕入れていなかったんだよね。
「ああ。人形師のマスター、パンプキンダンプティの館で奴の操る人形達を退けつつ、地下にあるキャラメルボックスからカラメルソースを回収し、一階のキッチンに置いてあるパンプキンのプティングにかけた後、それを持って屋根の上にいるパンプキンダンプティと戦い勝利して、奴に『トリック・オア・トリート』と言わせた後にそのプティングを渡すとクリアになるというイベントだ」
うーわ……。
話に聞くだけでも面倒そう。しかも一日限定だから時間との戦いだし。
「もしかして、ナユタ……」
「折角だからと、ソロで参加した」
「ソロッ!? そんな鬼畜っぽいイベをソロで!? なんでパーティー組まなかったの!? 絶対その方がクリアが楽になるのに……」
「ユウがいないパーティーには意味がない。それにユウ以外とは組みたくない」
「でも、私が参加できない時はナユタがつまらないでしょ? 気にせず、パーティー組んだらいいのに」
「だって、……ユウと俺は相性最高のパートナーだろ?」
違う答えが返ってきた気がするけどでも、真面目な顔でそんな事言われると、すっごく照れるんですけどっ!?
いやー、でも、ナユタがそこまで私の事を頼りにしてくれていると知って、嬉しい。相当嬉しいよ。
「モチロン私だって、ナユタの事を最高のパートナーって思ってるよ」
もじもじしながらもはにかんだ笑顔で私も言った。
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