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○ 僕ときょうだい

◆ 48

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 むう。
僕の質問に二人とも答えてくれません。

──!

 もしかして、僕のお名前を言ってないからなのですか?
相手の人のお名前を聞く時は、先に名乗らないとダメって記憶さんが言ってますし。
 うむうむ。
それなら答えが返ってこないのも納得です。
 知らない人は危ない人ってマティアスが言ってましたが、それはお庭でのお話だったからここは対象外のはずなのです。
 それにカショウもいるから大丈夫です。
……大丈夫なはずです。

 ううっ……。
ぴょん太がいたら心強かったのに……。
ぴょん太がいれば、僕は勇気りんりんだったのです……。
 でも、ぴょん太は今、頑張ってマティアスとお勉強してます。
僕、頑張るぴょん太をフレー!フレー!って応援するって決めたのです。
だから僕も頑張るのです!

「初めまちてでしゅ。僕、ユールリウスと言いましゅ」
「えっ? 存じ上げてますよ?」

 むっ。
カショウは察しの悪い人でしゅね。
 僕は、お名前の知らない男の子に挨拶したのですよ。
なのにカショウがお返事したらダメなのですよ。
本当ならば、カショウが僕に男の子のお名前を言わなくちゃいけないと思うのです。

「カチョはもうちゅこち、周りを見た方がいいでしゅよ」
「本当ですね。ユールリウス坊っちゃまのおっしゃる通りだと、僕も思います」

 ふおっ!?
男の子と僕の意見が合いましたよ!
もしかしてカショウは、ダメダメな人で有名なのでしょうか?

「カチョ、ダメダメな人でしゅ?」
「えっ!? 坊っちゃま酷いじゃないですか!
 一緒にお空をブンブンしましたのに……」

 うっ……。
カショウが僕の心を的確に攻めてきます。
 確かに一緒にお空ブンブンは楽しかったですが、それとこれとはベルなのですよ!
──う?
 ベルじゃなくて別ですか……。
大丈夫です、記憶さん。誰も聞いてないからセーフなのですよ!
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