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○ 僕とぴょん太

◆ 32

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「ぴょん太、危険ないれしゅよ」
『危険ですよ! 目の前に聖具を振り回している危険人物がいますから!』

 うゆ?せいぐってなんですか?
僕、初めて聞きました。

「喋るうえに、聖具の事も知っているなんて……。あの中身は何なのかしらね?」
「陛下の仕込みがある以上、ろくなものではないかと」
「そうよね……」

 うゆ?母様もマティアスもせいぐっていうの知っているようですよ?

「ぴょん太、しぇいぐなんでしゅ?」
『聖具というのはアレです。あのハルバートです』
「かあしゃまのもってりゅ、カコイイ棒のことでしゅね!」
「カッコいい棒ですって! ユーリは可愛いわね」
『ユーリ様。気を許してはなりませんよ。何せあの棒でドアを吹っ飛ばした人物ですからね!』
「!?」

 ふえっ!?
ドアを飛ばしたのは母様だったのですか!?
 ほえー……。
 凄いです!でも、ドアは飛ばしちゃ駄目なのです。
ドアは静かに開けるものなのですよ。

「かあしゃま、メッ! でしゅよ。 ドアはとばちゅものじゃないでしゅ。開けるものでしゅよ」
「ええ、そうねユーリ。本来ならそうですね。
 でもね、結界が張られていて、押しても引いても叩いても全く動かなかったのですよ。
 なら最後は、叩き斬るしかないでしょう?」
「奥様……。表現が少し……」
『脳筋だな』

 ふえっ?けっかいって何です?僕知らないですよ?
あとぴょん太、のうきんって何ですか?

「ぴょん太、けっかいしってるでしゅ?」
『ユーリ様のお休みを邪魔されないように、私が』
「う? けっかいってなにしゅるでしゅ?」
『ユーリ様をお守りするものです』
「う? 何から守るでしゅ?」
『ユーリ様を煩わす全てからです』

んー?僕、よく分かりません。

「ユーリ。母様のところまで来れるかしら?」

ふぉー!そうでした。母様に呼ばれてました。

「行きましゅ!」
『ユーリ様、危険です!』
「かあしゃまは危険じゃないでしゅよ。ぴょん太も、かあしゃまやしゃちいの知ってるでしゅ」
『いや、まあ……。ですが……』
 ぴょん太はチラチラと母様を見ながらも、むぎゅー!って顔で頷いてくれました。
そのお顔、面白くて可愛いですね!
むふふってちょっと笑っちゃいました。
 僕は頷いてくれたぴょん太の頭ををよしよししてあげてから、ベッドの端まで行くとふんむっ!と気合を入れます。
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