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第五十一話 「ウルフ一郎さんとサングラスの秘密」
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「兄貴、パス!」
「おう!」
俺様は、ウルフ一郎にパスをした。
「そのままシュートだぁ~!」
「えいっ!」
ウルフ次郎がゴールに向かってシュートをしたが、強すぎて、家の塀を越えて・・・・・・。
ガッシャーン!
や、やべ!近所の家の窓が割れたんじゃねぇか!
「コラァ~!誰だ!うちの窓を割ったのはぁ!」
・・・・・・どうする?
「そりゃあ、正直に謝るしかないですよぉ。」
・・・・・・だろーな。
「おい、お前ら。謝りに行くぞ。」
「・・・・・・はい。」
俺様達が暗い表情で、謝りに行くと・・・・・・。
「すんません。うちの子が、あなたの家の窓のガラスを割って。」
「ウルフ太郎!お前の教育が間違っとる!ちゃんとしているのか?」
「は、はい。」
「うそつけ!」
と、父ちゃんが代わりに、謝ってる!
「一体、どういうことだ!?」
「しっかし、ハデにやられっちまったから、今すぐ、弁償しろ!」
「はいはい。ちゃんと持って来ますから、その代わり、あそこにいる、うちの子達に、お菓子をください。」
えっ!?
「・・・・・・ちっ、わかった。もし、またしたら、承知しないからなっ!」
近所のおっさんが、バン!と、引き戸を閉めた。
「ふぅ。」
父ちゃんは、俺様達のところへ行って、しゃがんで、ニッと笑った。
「もう、大丈夫だ。安心しろ!」
「父ちゃん、ありがとー!」
俺様達は、父ちゃんにだきついた。
「アハハハハ。どういたしまして。」
やっぱり父ちゃんは、世界一の父ちゃんだぁ!
☆
「こーんなお菓子をもらって、あんた、なに考えてんだい!」
「だ、だってぇ。」
「だってもクソもないっ!あんた、子供達に甘やかしすぎるんだよ!」
「別にいいじゃねぇか。人間だもの。」
「人間じゃないだろ!」
「あーあ。母ちゃん、父ちゃんを叱ってるよぉ。」
「ていうか、なんで父ちゃん、俺様達に優しくしてるんだろ。」
「さぁ~。」
きっと、なにか理由があるかもな。
「あぁ。」
「こら、あんた達。そろそろ夕飯の支度をするよ。ウルフ一郎、手伝ってくれるかい?」
「おう!」
俺様と母ちゃんは、台所へ行った。
☆
俺様は、ハンバーグの生地をこねていた。
「そうそう。上手だねぇ、ウルフ一郎。」
えへへへへ。このくらい、簡単にできるよ。
「ふっ、ウルフ一郎は、手先が器用だね。」
えへへへへ。
「・・・・・・ところで、父ちゃんがお前に優しくしている理由、教えてあげようか?」
「えっ・・・・・・。」
俺様は、生地をこねる手を止めた。
「お前達が父ちゃんにとって、初めての子供だからだよ。」
父ちゃんにとって、初めての子供?
「あぁ。父ちゃん、母ちゃんと結婚する前、ものすごい不良でねぇ、街の人からはおびえられていたよ。けど、子供はものすごく好きだった。そこら辺で悲しんでいる子供になんか、すぐ優しく接していたんだよ。そして、母ちゃんと出逢って、出逢ってすぐ、ウルフ一郎ができたんだ。まだ結婚してないのに。」
結婚していないのに、妊娠しちまったのか!?
「そうだよ。結婚のあいさつに行った時、お互いの親に反対された。けど父ちゃんは、「お前とお腹の子を必ずしあわせにする!」って言って、何回も、お互いの親に許しが得るまで、お互いの親のところに行ったんだ。そして数日後、許しを得て、あたし達は結婚した。そしてその三カ月後、お前が産まれた。父ちゃん、母ちゃんがお前を産む間、そわそわしてたんだよ。待ちきれずにしていられなくて、分晩室の前をうろうろしてたんだよ。」
アハハハハ。父ちゃんらしいな、それ。
「そうだろ?父ちゃんはね、お前が産まれたあと、すっごく喜んで、泣いてたよ。そしたらね、育児はぜ~んぶ、父ちゃんがしてくれたんだよ。おむつ替えも、ミルクも、お風呂も。ぜ~んぶ、父ちゃんがやってくれたんだよ。父ちゃんはこう言ってた。「子供達は、俺の宝物だ。だから、ふつーの親父みたいに、怒鳴ったり、なぐったりはしない。」って。」
それも、父ちゃんらしいな、それ。
「だろ?さぁ、続きをやるよ。」
おう!
俺様と母ちゃんは、ハンバーグを再び作り始めた。
☆
「おう!」
俺様は、ウルフ一郎にパスをした。
「そのままシュートだぁ~!」
「えいっ!」
ウルフ次郎がゴールに向かってシュートをしたが、強すぎて、家の塀を越えて・・・・・・。
ガッシャーン!
や、やべ!近所の家の窓が割れたんじゃねぇか!
「コラァ~!誰だ!うちの窓を割ったのはぁ!」
・・・・・・どうする?
「そりゃあ、正直に謝るしかないですよぉ。」
・・・・・・だろーな。
「おい、お前ら。謝りに行くぞ。」
「・・・・・・はい。」
俺様達が暗い表情で、謝りに行くと・・・・・・。
「すんません。うちの子が、あなたの家の窓のガラスを割って。」
「ウルフ太郎!お前の教育が間違っとる!ちゃんとしているのか?」
「は、はい。」
「うそつけ!」
と、父ちゃんが代わりに、謝ってる!
「一体、どういうことだ!?」
「しっかし、ハデにやられっちまったから、今すぐ、弁償しろ!」
「はいはい。ちゃんと持って来ますから、その代わり、あそこにいる、うちの子達に、お菓子をください。」
えっ!?
「・・・・・・ちっ、わかった。もし、またしたら、承知しないからなっ!」
近所のおっさんが、バン!と、引き戸を閉めた。
「ふぅ。」
父ちゃんは、俺様達のところへ行って、しゃがんで、ニッと笑った。
「もう、大丈夫だ。安心しろ!」
「父ちゃん、ありがとー!」
俺様達は、父ちゃんにだきついた。
「アハハハハ。どういたしまして。」
やっぱり父ちゃんは、世界一の父ちゃんだぁ!
☆
「こーんなお菓子をもらって、あんた、なに考えてんだい!」
「だ、だってぇ。」
「だってもクソもないっ!あんた、子供達に甘やかしすぎるんだよ!」
「別にいいじゃねぇか。人間だもの。」
「人間じゃないだろ!」
「あーあ。母ちゃん、父ちゃんを叱ってるよぉ。」
「ていうか、なんで父ちゃん、俺様達に優しくしてるんだろ。」
「さぁ~。」
きっと、なにか理由があるかもな。
「あぁ。」
「こら、あんた達。そろそろ夕飯の支度をするよ。ウルフ一郎、手伝ってくれるかい?」
「おう!」
俺様と母ちゃんは、台所へ行った。
☆
俺様は、ハンバーグの生地をこねていた。
「そうそう。上手だねぇ、ウルフ一郎。」
えへへへへ。このくらい、簡単にできるよ。
「ふっ、ウルフ一郎は、手先が器用だね。」
えへへへへ。
「・・・・・・ところで、父ちゃんがお前に優しくしている理由、教えてあげようか?」
「えっ・・・・・・。」
俺様は、生地をこねる手を止めた。
「お前達が父ちゃんにとって、初めての子供だからだよ。」
父ちゃんにとって、初めての子供?
「あぁ。父ちゃん、母ちゃんと結婚する前、ものすごい不良でねぇ、街の人からはおびえられていたよ。けど、子供はものすごく好きだった。そこら辺で悲しんでいる子供になんか、すぐ優しく接していたんだよ。そして、母ちゃんと出逢って、出逢ってすぐ、ウルフ一郎ができたんだ。まだ結婚してないのに。」
結婚していないのに、妊娠しちまったのか!?
「そうだよ。結婚のあいさつに行った時、お互いの親に反対された。けど父ちゃんは、「お前とお腹の子を必ずしあわせにする!」って言って、何回も、お互いの親に許しが得るまで、お互いの親のところに行ったんだ。そして数日後、許しを得て、あたし達は結婚した。そしてその三カ月後、お前が産まれた。父ちゃん、母ちゃんがお前を産む間、そわそわしてたんだよ。待ちきれずにしていられなくて、分晩室の前をうろうろしてたんだよ。」
アハハハハ。父ちゃんらしいな、それ。
「そうだろ?父ちゃんはね、お前が産まれたあと、すっごく喜んで、泣いてたよ。そしたらね、育児はぜ~んぶ、父ちゃんがしてくれたんだよ。おむつ替えも、ミルクも、お風呂も。ぜ~んぶ、父ちゃんがやってくれたんだよ。父ちゃんはこう言ってた。「子供達は、俺の宝物だ。だから、ふつーの親父みたいに、怒鳴ったり、なぐったりはしない。」って。」
それも、父ちゃんらしいな、それ。
「だろ?さぁ、続きをやるよ。」
おう!
俺様と母ちゃんは、ハンバーグを再び作り始めた。
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