ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!

田口夏乃子

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第四十七話 「道華、ヴァンパイア界に行く」

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その後、アクアという、お父さんの幼なじみがお城にやって来た。
 
「や―ん♡道華ちゃんって、本当に、真莉亜ちゃんにそっくりぃ~♡かっわいい~♡」
 
ぐ、ぐるじ~い。
 
「あ、ごめん。」
 
アクアは、あたしをだきしめるのをやめた。
 
「ところで、ジュンくんは元気なのぉ~?」
 
うん、元気だよ!
 
「テレちゃんは?」
 
うん、テレサも元気だよ!
 
「や―ん♡かっわいい~♡私もいつかぁ、ギラくんとの子供をぉつくりたいなぁ。」
 
結婚すればいいじゃん。
すると、アクアは顔をしゅんとした。
 
「でもぉ、ギラくん、仕事がいそがしくってぇ、結婚を考えるひまがないんだぁ。」
 
そう。悲しいね。
 
「同情してくれて、ありがとー♡」
 
もう、ぎゅっと、だきしめないでよぉ。
 
「ごめん、ごめん。」
 
アクアは、またあたしをだきしめるのをやめた。
 
「ところでぇ、道華ちゃんにいい物を渡そうと思ってぇ。」
 
「いい物?」
 
あたしが、首をかしげると、アクアはむらさき色のキャリーバックの中から、なにかを取り出した。
あ、服だ!
白のフリフリドレスで、ピンクのちっちゃいリボンがついている、かわいいドレス。
 
「これぇ、道華ちゃんに似合うと思ってぇ~♡」
 
え?あたしに?
 
「そう!あたしぃ、こう見えてぇ、お洋服づくりが得意なのぉ♡」
 
へぇー、すっご~い!
あたしのお母さんも、アクアみたいに手先が器用で、よくお洋服とか、つくってもらったんだ!
 
「真莉亜ちゃん、すごいねぇ~。さすが、お母さんだねぇ♡」
 
えへへへへ。
 
「これぇ、着てみるぅ?」
 
えっ!?いいの!?やったぁ~!
あたしはピョンピョン跳びはねた。
 
「道華ちゃんってぇ、かわいいところもあるんだねぇ♡」
 
へっ?そんなこと、ないもんっ。
だって、女の子だし。
 
「うふふふふ。」
 
「じゃあ早速、着がえてくるねっ!」
 
あたしは、アクアからつくってもらった服を取って、部屋に向かった。
 
ー1分後ー
 
「アクア~!」
 
あたしが走りながら、手を振って、アクアを呼ぶと、アクアはあたしの方を振り向いた。
 
「うわぁ~、かっわいい~♡」
 
えへへへへ。そうかなぁ~?
 
「道華、似合ってるぞ。」
 
大叔父さん、ありがとーう!
 
「道華ぁ~♡よ―く、似合ってるぞぉ~♡世界一、かわいい孫は、やっぱり道華!お前しかいないぞぉ~♡」
 
「兄さん、気持ち悪い。」
 
「ねぇアクア、この服、もらっていい?」
 
「いいよぉ~。大切にしてね♡」
 
うん!大切にする!
 
「道華ぁ~、こっち向いてぇ~♡」
 
「もう、おじいちゃんったらぁ。」
 
「ヒアン様、道華ちゃんにぃ、メロメロだねぇ♡」
 
「今回の兄さん、こわれてる・・・・・・。」
 
 

 
 
ピロピロピロピロ。
ジュンブライト、ケータイが鳴ってるよ。
 
「あっ。ありがとう。」
 
ジュンブライトは、スマホを取った。
 
「おっ、親父からメールが届いてる!」
 
えっ!?見せて見せて!
 
「ほら。」
 
ジュンブライトが私に、ヒアン様から届いたメールを見せた。
その私の後ろに、ルクトさん、マドレーヌちゃん、リリアさん、テレサさん、紅葉、クリスさん、アキちゃん、ソラちゃん、ギロさん、ウルフ一郎さんがのぞきこんだ。
うわぁ~。かわいいフリフリドレス。
 
「これ、アクアがつくったドレスなんだってさ。」
 
「アクアさんが!?」
 
「すっご~いですぅ!」
 
「ふ―ん。道華のヤロー、いつもとちがう服を着ると、かわいいんだなぁ。」
 
だって、私とジュンブライトの子供ですもん。
 
「・・・・・・そうだなぁ。」
 
「今日、道華、帰って来るんでしょ?」
 
うん、そうだけど?
 
「よかったじゃない、ジュンブライト様!」
 
クリスさんが笑顔で、ジュンブライトの背中をたたくと、ジュンブライトは、「ゔぅ。」とうなり始めた。
 
「この時を、どれだけまっていたか・・・・・・うわ~ん!」
 
あらら。大号泣しちゃって。
滝のように、涙がこぼれてる。
 
「泣くな、ジュンブライトぉ。」
 
「だって、だって!ず―っと、さびしかったんで!」
 
「昨日、そんなに心配してたんですからね。」
 
「王子、涙をふいてください。」
 
ルクトさんがジュンブライトにティッシュを出すと、ジュンブライトは、ぱっと取って、涙をふいた。
 
「よし、待ち受けにしよう!」
 
「道華が帰って来たら、いっぱい、遊べるねっ!」
 
「うん!」
 
「ところで、お前の親父さん、ガラケーなのか?」
 
「あぁ。そうだけど?」
 
「ぷっ。」
 
「なんでそこで笑うんだよ。」
 
 

 
 
そして、帰る時。
あたしとおじいちゃんとルアン大叔父さんは、鏡のところにいた。
 
「じゃあな、道華。」
 
「お父さんによろしくって、伝えるんだぞ。」
 
うん!
あたしは笑顔でうなずいた。
すると、鏡がピカッと光り出した。
 
「じゃあね、おじいちゃん、ルアン大叔父さん!」
 
あたしは、二人に向かって手を振ると、鏡の中に入っていった。
あたしが入ったあと、鏡が光るのをやめた。
今日は楽しかったなぁ~。
 
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