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第四十話 「今度はみんなが、入れかわった!」

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テレサさんは、アンクさんに電話をかけていた。
プー、プー、プー。
 
「まーた、出ないようだねぇ。」
 
またぁ?
 
「真莉亜ちゅわ―ん♡」
 
わっ、ウルフ一郎さん!私を背後からだきつかないでくださいっ!
 
「てめぇ!俺の真莉亜に、手ェ出すなぁ!」
 
「んだとオラァ!」
 
「やんのかオラァ!」
 
まーた、けんかが始まったよぉ。
 
「ジュンブライト様ぁ~♡」
 
「どわっ!ちょっ、いきなりなんなんだよ!」
 
女子と女子がだきあってる!
 
「俺は男だ!」
 
「こらっ!ジュンブライト様とイチャイチャするんじゃねぇ!」
 
ネルさんと、アキちゃんと、ソラちゃんが、クリスさんにおそいかかってきた。
ドッシーン!
 
「お、お前ら、重い・・・・・・。」
 
あらら。三人は、山のように積んでる。
 
「あっ、すみません。」
 
三人は、ジュンブライトのそばから、離れた。
 
「みんなぁ、できたぞぉ~。」
 
テレサさん、なんですか、それ。自分の顔のお面なんかつけちゃって。
 
「これで、誰が誰って、わかるだろ?」
 
「いいなぁ、それ!俺もつ―けよっ!」
 
「テレサさん、あったまいい~!」
 
私達は早速、それぞれ自分の顔のお面を、おでこにつけた。
 
「真莉亜ちゅわ~ん♡俺様、似合う~?」
 
はいはい、似合いますよ。
 
「うわ~い!あたしのお面~!」
 
「道華、そのためにお面をつけたんじゃないですよ。」
 
「リッちゃん、どう?」
 
「なかなかね。」
 
「わたくし達のために、こんなことまでしてくれて、ありがとうございますっ。」
 
ルクトさんがテレサさんに、お礼を言って、おじぎをした。
 
「いいってことよ。」
 
(は・・・・・・恥ずかしい・・・・・・。よりによって、なんであのオオカミヤローと、入れかわったんだ!)
 
「おぉ!ネル、似合うじゃないか!」
 
「えっ?」
 
ネルさんが、顔をきょとんとした。
 
「ヴァンパイアキャットとオオカミヤローの姿のお前、どっちも好きだぜっ!」
 
ジュンブライトは、ニッと笑った。
 
(はう・・・・・・♡ジュンブライト様、やっぱりあたしを、恋愛対象として、好きでいらっしゃるのねぇ~♡)
 
「いや、ちがうと思う。」
 
 

 
 
私達は、寝室にいた。
 
「真―莉亜っ。」
 
な―に?
ジュンブライトは、私の唇に、キスをしようとした。
 
「いやっ。やめてよ!私、あなたと入れかわったから、キスはできない。」
 
「なんでだよ。」
 
だ、だ、だ、だって、この状態でキスするのは、おかしくない!?
 
「全然。」
 
きっぱり答えるな―っ!
 
「いいか、真莉亜!たとえ、どんな状況だろ―と、俺は、お前を愛し続ける!」
 
ジュンブライト・・・・・・。
 
「真莉亜・・・・・・。」
 
私達がキスしようとした、その時!
 
「じ―。」
 
道華とアキちゃんとソラちゃんとマドレーヌちゃんが、部屋のすきまから見ていた。
 
「ちょっ、お前ら!なに見てるんだ!」
 
「逆だね。」
 
「うん。」
 
「なにが!?」
 
「キスする方と、キスされる方。」
 
あぁ、確かに。
 
「って、お前!」
 
「ちっ、いつまでもラブラブしやがって!」
 
アキちゃん、こわーい。
 
「えいっ!」
 
ヒラヒラヒラヒラ。
 
「イヤン♡」
 
「あ、オネエだ。」
 
オネエじゃないわよ!本物の女よ!
 
「口調がだんだん、オネエみたいになってる。」
 
入れかわったからよっ!
 
「あ―、楽しくね。ビール飲みてぇ。」
 
おい!この体で、ビールを飲んだら、だめだよ!
 
「王子、王子の体は今、真莉亜様の体ですから、飲めませんよ。」
 
「ぬわんだとぉ~!?」
 
リアクション、すごっ。
 
「あ―、うまいっ。」
 
ウルフ一郎さんが、ビールをゴクゴク飲んでいる。
 
「昼間のビールはサイコ―!」
 
「ギロ、いる?」
 
「いや、いいよ。俺、お酒が苦手だから。」
 
「いいな、お前ら。ビールが飲めて。俺も、ビール飲みた―い!そして、体、元に戻りてぇ!」
 
ジュンブライトが、大きな声でさけんだ、その時。
 
「どうしたんじゃい、みんな。そんなにさわいで。」
 
その声は!
 
「アンクさん!」
 
「あ、あれ?みんな、なんかキャラがちがうような・・・・・・。」
 
本当にちがうんですぅ!
 
「俺達、入れかわったんだ!」
 
「ははーん、ジュンブライトくん達、やっぱり試したかったんじゃな。」
 
「ちげーよ!」
 
「早く元に戻る方法を、教えてくださいっ!」
 
「まぁ、そんなにあせらんで・・・・・・。」
 
「え―っ?あたし、元に戻りたくな―い。ほらっ。」
 
ヒラッ。
 
「こらっ!いいかげんにしなさいっ!」
 
「俺の力で遊ぶな―っ!」
 
マドレーヌちゃん、キャラ変えないでぇ~。
 
「ブ―ッ!」
 
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!半分ハゲてるおじいさんが、鼻血を出したぁぁぁぁぁぁぁ!」
 
「アンクさんだよっ。」
 
「てか、お前、驚きすぎっ。」
 
「てか、男のパンチラで、鼻血を出すやつがいるかい。」
 
「・・・・・・もう、大丈夫じゃ。」
 
もう!?
 
「入れかわループと同じように、もう一度、くぐるんじゃ。そしたら、元に戻る。」
 
「ありましたよ―、入れかわループビッグバージョン!」
 
ルクトさんが、入れかわループ、ビッグバージョンを見せた。
 
「よしっ、これでくぐって!」
 
「みなさん、準備はよろしいですか?」
 
「はいっ。」 「おう!」 「うん!」 「ええ!」
 
私達は、いっせいに、うなずいた。
 
「では、行きますよ!3、2、1!」
 
私達が、入れかわループ、ビッグバージョンにくぐった、その瞬間!
ピカ―ッ!
まぶしい光が、光り出した。
私達それぞれの体が、重なっていくのが見えた。
そして、まぶしい光が光り終わると、入れかわループ、ビッグバージョンを落とした。
ん、ん~・・・・・・ん!?
私は、体のあちらこちらをさわったり、両手を見たりした。
やったぁ!私、元に戻ったんだぁ!
 
「あーあ。真莉亜の胸、もっとさわりたかったなぁ。」
 
「そこかいっ!」
 
「もう道華、私の力で、遊ばないでくださいねっ。」
 
「え―っ?」
 
「あたし、ず―っと、ソラの体のままでいたかったなぁ。」
 
「私も。ず―っと、アキちゃんの体のままでいたかったなぁ。」
 
「私はもう、入れかわるのは、ごめんよっ!」
 
「あたしも!」
 
「よかったですねぇ、元に戻って。」
 
「もう、二度と元に戻れないかと思ったよぉ。」
 
「ほんと。」
 
「・・・・・・やったぁ!獣くさい体と、おさらばしたぞぉ~!」
 
「獣くさいいうなっ。」
 
よかった。みんな、元に戻って。
私はもう、入れかわるのは、ごめんです・・・・・・。
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