ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!

田口夏乃子

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第三十六話 「真莉亜、大人になりました」

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私、春間真莉亜は、腹痛で、満月荘で、ふとんにねこんでいます。
 
「真莉亜ちゃん、家でもこの調子なのかい?」
 
「うん。ベッドにず―っと、ねこんでる。」
 
ギロさん、道華の証言は、本当です。
 
「なにか冷たいものを、食べたのかい?」
 
食べてません。
ドタバタドタバタ!
大きな足音が、どんどん近づいてくる。
ガラッ!
 
「真莉亜!」 「真莉亜ちゃん!」
 
ジュンブライトとウルフ一郎さんが、私のところまで走った。
 
「大丈夫か!?」
 
「うん。」
 
「具合悪い!?」
 
「そんなにはないと思う。」
 
「ギロ!真莉亜は死ぬ病気なのか!?」
 
「いや、ちがうと思いますけど・・・・・・。」
 
「真莉亜ちゅわ~ん!早くよくなってぇ~!」
 
あんたら、うっさい。
ズキン!
ゔ・・・・・・頭痛が・・・・・・。
 
「ギロ!真莉亜が頭痛をうったえてる!」
 
「早く頭痛薬を!『ロキソニン』でもいいから!」
 
「あんたら!静かにせんかいっ!」
 
テレサさん、追い出してくれて、ありがとうございます。
 
「真莉亜お姉様、早くよくなってくださいねっ。」
 
マドレーヌちゃん・・・・・・。
 
「頭痛薬、用意したよ。」
 
「ギロ、それはのどあめ。」
 
「あ―っ!」
 
ギロさん、天然パワー、はくれつです。
 
「ゆっくりしときなさい。」
 
はい・・・・・・。
ガラッ!
 
「真莉亜!おいしいおいしいおかゆ、つくったぞ!」
 
うぇ、においが・・・・・・。
 
「ほーら、真莉亜ちゃんが、いやがってるじゃないか。」
 
「そうか?おいしいと思うけど。」
 
「食うなぁ―!」
 
「ゔ・・・・・・!」
 
ジュンブライトは、顔色をむらさき色にして、口をおさえながら、ばたりとたおれた。
 
「うわぁぁぁぁぁぁ!先輩が、たおれたぁぁぁぁぁぁぁ!」
 
「お前、一回、落ちつこうか。」
 
「わたくしが、正しいおかゆを、つくってあげましょう。」
 
ルクトさん、ありがとうございます。
 
「もっかい!」
 
「食うなぁ―!」
 
「オェ―!」
 
「吐くなぁ―!」
 
「このままじゃ、ジュンブライト様が食中毒になっちゃう・・・・・・。」
 
「お母さん、早く元気になってね。」
 
うん・・・・・・。
 
 

 
次の日。
なーんか、パンツがヌルッとするなぁ。
満月荘で、トイレをかしても―らおっ。
 
「テレサさ―ん。おトイレ、おかりしますね―。」
 
「はいよ。」
 
私はトイレに入った。
そして、スカートをぬいだ。
パンツを脱いだ瞬間。
な、なにこれ!?血・・・・・・!?
なんでなんで!?それじゃあ、ヌルッとした感触は・・・・・・。
やっぱり、これのせいだ。
ポタポタポタ・・・・・・。
うわっ!下から血が流れてる!
ど、ど―しよー。
 
「お母さ―ん、どうしたのぉ~?」
 
道華!テレサさんを呼んで!早く!
 
「わかった!」
 
私はその間、トイレットペーパーで、下をふこう。
あーん。どうしよー!血がつくよ~!
 
「真莉亜!開けてくれんかい!」
 
あ、かぎかけたの、忘れてた。
私は手をのばして、かぎを開けた。
開けたとたん、テレサさんが入って来た。
 
「どーしたんだい!?」
 
「実は・・・・・・血が、パンツについてて・・・・・・・。」
 
「見せてくれんかい。」
 
あっ、はい。
私はテレサさんに、パンツを見せた。
テレサさんの背後から、リリアさん、マドレーヌちゃん、道華、紅葉、クリスさん、アキちゃん、ソラちゃんの女子軍団が、にゅっと出てきて、私のパンツを見つめた。
すると、テレサさんが、にこっと笑った。
 
「おめでとう、真莉亜。」
 
えっ、なにが?
 
「初経がやっと来たわね。」
 
え~!?うっそ―ん!
これは、夢じゃないよね!?
私はほっぺたを、きゅっとつまんだ。
やっぱり・・・・・・これは夢じゃないよね!?
やったぁ~!私、生理になったぁ~!
 
「生理ぐらいで喜ぶなんて、やっぱバカだねぇ。」
 
アキちゃん!
 
「こら、アキ!謝りなさいっ!」
 
「おめでとー、真莉亜お姉ちゃん!」
 
「ありがとー。」
 
タッタッタッタッ!
 
「どーしたんだ、真莉亜!」
 
ジュンブライト率いる、ギロさん、ルクトさん、ウルフ一郎さんの男子軍団が、やって来た。
 
「ジュンブライト、聞いて。」
 
「なにがあったんだ。」
 
「もしかして真莉亜ちゃん、死ぬ病気になったの!?」
 
「人を死なせるなよ。」
 
「私、生理になったの!」
 
私の発言を聞くと、男子達は、目を点にした。
 
「せ・・・・・・せ?」
 
「せーり?」
 
「なんですか、それ。」
 
えっ、知らないの?
 
「生理というのは、月経のことですよ。」
 
「月経?」
 
「ますます、わからんくなった・・・・・・。」
 
知らない方が、いいと思うよ。
 
「真莉亜、大人の仲間入りに入ったわねっ。」
 
「おめでと―。」
 
紅葉、クリスさん・・・・・・。
 
「で、なんでせーりってやつが、女にしかならねぇんだ?俺も、せーりになりてぇ!せーりの血が、どんな味か、知りてぇ!」
 
「あんたは男だから、無理だよ。」
 
私、大人の世界に入ったよ。
 
「マジか!じゃあ、真莉亜は今まで、ガキだったのか!」
 
「真莉亜ちゅわ~ん♡月経になっても、俺様を愛して~♡」
 
いやです。
 
「ガ―ン。」
 
ウルフ一郎さんは、落ちこんだ。
 
「はい、真莉亜。これ、あとでパンツに付けるんだよ。」
 
テレサさんが、私にナプキンを渡した。
はいっ。
私、やっと生理になったよ。
これって、まさか・・・・・・。
いや、まだ先のことだから、考えないようにしとこう。
私、女の子に生まれて、よかったと思う。
だって、こんなステキな成長が、おくられるんだもん。
女の子って、知らないことが、たくさんあるんだなぁ。
よーし!これから、もっともっと、がんばるぞぉ!
 
「真莉亜ったら、顔をにこにこさせて。」
 
うふふふふ。
女の子には、誰でも話せない秘密があるけど、近くに相談できる人がいる。
生理ぐらいでからかわれたって、笑顔で対応すればいいんだ。
私はそう、決心するよ。
それに、今後の私については、まだはっきり考えてない。
ひょっとしたら・・・・・・。
私は、ジュンブライトの方を振り返った。
 
「どうしたんだ?」
 
「いや、なんでもない。」
 
「?」
 
ひょっとしたら、今そばにいる人と・・・・・・。
まさかね。
ポタ、ポタ、ポタ、ポタ。
 
「真莉亜!なにしてるんだい!血が流れてるよ!」
 
テレサさんに、強く怒鳴られた。
ひゃ―っ。ごめんなさ―い!
 
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