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第三十四話 「恋ゴコロン」

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アハハハハ!この番組、おもしろーい!
 
「真莉亜。」
 
なに?ジュンブライト。じゃまだから、あっち行って。
 
「一緒に風呂に入らねぇか?」
 
いやよ。私には、ウルフ一郎さんがいるから、ウルフ一郎さんに、怒られちゃう。
 
「いーから来いっ!」
 
キャッ!いきなり手をにぎらないでよ!
離して!
 
「離すもんか!」
 
私は、無理矢理、風呂場に連れ出された。
パッ、パッ、パッ、パッ!
ジュンブライトが、次々と、私の服をぬいでゆく。
や、やめてよぉ。
と、ジュンブライトの手が、ブラジャーのところで、止まった。
 
「どーすりゃいいんだ?俺、こーゆーの、初めてだ。」
 
と、そこへ、リリアさんがやって来た。
 
「バッカねぇ。こ―するのよ。」
 
リリアさん、やめて!
ポロッ。
あ・・・・・・。
 
「冷静に外すなぁ!いい!俺もぬぐから、あっち行ってろ。」
 
リリアさん、行かないでぇ~。
ガチャン。
い―や―!
 
「さ、入るぞ。」
 
も、もう!?
 
「あたり前だろ。」
 
出た。「じぇじぇじぇ!」、「今でしょ!」、「倍返し」、「おもてなし」に負けない、流行語ノミネート大賞予定の言葉。
ガラッ。
入ったとたん、湯気がモアモアと出た。
 
「真莉亜・・・・・・。」
 
私、あんたと別れたはずよ!
 
「俺を愛したころのお前に、戻って欲しいから。」
 
そんなに真剣な顔にならないでよ・・・・・・。
 
「・・・・・・入ろう。」
 
いやよ!離して!
 
「暴れ出すなっ!」
 
いや・・・・・・!
ムニュ・・・・・・。
 
「あ・・・・・・。」
 
「あ・・・・・・。」
 
ジュンブライトは、鼻血が出そうな鼻をおさえた。
 
(がまんだ・・・・・・これは、なかったことにしよう。)
 
ガラッ!
誰か入って来た!
 
「真莉亜ちゃん!」
 
その声は・・・・・・。
 
「ウルフ一郎さん!」
 
「・・・・・・!」
 
ウルフ一郎さんも、鼻血が出そうな鼻をおさえた。
 
(真莉亜ちゃん、いいボディしてるなぁ。胸は少し大きいけど・・・・・・俺様、真莉亜ちゃんのヌードが見れて、よかったー♡)
 
ジュンブライトは、後ろを振り返った。
 
「お前ら!」
 
「すみません、先輩。」
 
「私、必死に止めましたけど・・・・・・。」
 
「無理でした!」
 
「ちっ、なにやってんだよぉ!」
 
ふっ、ざまあみなさい!
私とウルフ一郎さんの愛は、最強なんだから!
 
「やい!天パヤロー!真莉亜ちゃんを返せ―っ!」
 
ウルフ一郎さんが、私達に襲いかかって来た。
 
「逃げるぞ、真莉亜!」
 
キャッ!離してよ!
ツルッ。
 
「あ―!」
 
ウルフ一郎さんは、転んじゃった。
 
「ウルフ一郎さん!」
 
私がさけんでも、ウルフ一郎さんは、返事をしない。
そんな・・・・・・。
 
「入るぞ!」
 
いや―っ!
ボチャン!
 
「・・・・・・やりすぎだったかなぁ?アハハハハハ!」
 
「笑うなっ!」
 
「ぶはっ!もう、溺死するところだったよ!」
 
「真莉亜・・・・・・。」
 
ジュンブライトが、目をキラキラさせている。
な、なによ。
 
「真莉亜―!」
 
ちょっ、いきなりだきしめないでよぉ!恥ずかしいじゃない!
 
「俺のこと、愛してるか?」
 
あ、あたり前でしょ。
それに、なんなの?私、いつの間に、お風呂場に・・・・・・。
 
「なにも覚えてないのか?」
 
うん。
私はうなずいた。
 
「そっか・・・・・・なにも覚えてない方がいい。」
 

 
「ジュンブライト、真莉亜が元に戻って、よかったねぇ。ジュンブライト?」
 
ジュンブライトは、かたまっている。
 
「王子、どうなされたんですか?」
 
「・・・・・・。」
 
返事してよ!
 
(やっ、やべ!さっきので、鼻血が出そうになった!)
 
(俺様もだ、ヴァンパイア界の王子!)
 
(お前もか!)
 
(どーする?)
 
(・・・・・・もう、がまんできねぇ!)
 
(いっせーのーで、いくか?)
 
(あったりめぇだぁ!)
 
(じゃあ、行くぞ!)
 
(おう!)
 
「いっせーのーで!」
 
ブ―ッ!
お風呂が赤くなった!
まさか・・・・・・。
 
「ジュンブライト!」
 
「うわぁぁぁぁぁぁ!先輩が、大量の鼻血を!」
 
「ふぃあわせ~♡」
 
鼻血をたらしながら、たおれてる・・・・・・。
 
「ギロ!もう一人、負傷者が!」
 
テレサさんが指をさしたのは・・・・・・。
 
「ウルフ一郎さん!」
 
「サイコ―♡」
 
・・・・・・似たもの同士だね。
 
「全く、この二人は真莉亜しか、目がないんだから。真莉亜、あがって。」
 
うん。
 
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