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第1章
第五十三話 「ウルフ次郎さんの恋!」
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「う、う~!あい、あい!」
うふふ。
今日はいい一日になりそうだ。
ピンポーン。
ん?誰か来たぞ。
「俺様が出る。」
ウルフ一郎が、ドアの方へ向かって歩いて、ドアを開けると……。
「よっ、兄貴!元気ッスか?」
「おぉ、ウルフ次郎!久しぶりだなぁ!」
お義兄さん!すっごい、お久しぶりですぅ。
「アハハハハ。あ、ガオンにやらなきゃいけないものがある。」
ウルフ次郎が、懐をがさごそとつっこむと、うさぎのぬいぐるみを出した。
「はい、ガオン。おじちゃんからのプレゼントでちゅよぉ~。」
「う、う~!」
ありがとう、ウルフ次郎。
これ、手作りなのか?
「あぁ。さいほうが苦手ながら、頑張って、さいほうの本を見ながら、作りましたぁ!」
あ、両方の指に、バンソーコウが……。
相当、頑張ったみたいだね。
「ま、とりあえず、うちに入れ。」
「はいっ!おじゃましま~す!」
ウルフ次郎が中に入ると、ウルフ次郎は、テーブルのいすにすわった。
「コーヒー、いる?」
「あぁ。いるよ。」
「あい、あい!」
「ふっ、すっごく喜んでるな。」
あぁ。
ガオン、よかったでちゅねぇ~。ウルフ次郎おじちゃんに作ってもらって。
「あい、あい!」
うふふふふ。
「ところで、ウルフ次郎。なにしに来たんだ。」
「実はぁ、なやみごとがあってぇ。」
「なやみごと?なんだ?なやみごとなんて、お前の思春期以来だ。早く教えてくれ。」
「じ、実は、ちょっと、びっくりする話になりますが……。」
「おう、なんだ?」
ウルフ次郎は、真剣な顔になった。
「実は俺様、好きな人ができたんです!」
「え~!?」
あたしとウルフ一郎は、大きな声でそろって驚いた。
相手は誰なんだ!?
「まさか、ロゼッタか!?」
ロゼッタは、お前のことが好きだろ。
「ちがいます。おとぎの国の花屋さんです。」
「花屋さ~ん?」
「えぇ。」
ウルフ次郎はうなずいた。
「名前は、フローラさんで、俺様が、散歩をしていると、チンピラヤロー達にからまれていたんです。」
「『おい、そこのお姉ちゃん、俺達と遊ばな~い?』」
「『いやです!おはなさん達が、さびしがります!』」
「『なんだとぉ?』」
「『おい、やめろ!』」
「『お、お前は、オオカミ三兄弟の次男、ウルフ次郎!』」
「『や、やべっ!逃げようぜ!』」
「『おう!』」
チンピラヤロー達は、ウルフ次郎お義兄さんをおそれるように、逃げた。
「『ふぅ。大丈夫か?ケガ、してねぇか?』」
「『はい……あ、ありがとうございますっ!』」
「『いえ、どーいたしましてぇ……俺様、困っている人を見ると、放っとけないタイプでしてぇ……。』」
「『お礼に、この花をプレゼントしますっ!』」
フローラがウルフ次郎に、バラの花をあげた。
「『あ、ありがとう。』」
「『心がお優しいんですねっ。そういう人は、好かれますよっ。』」
「って、言われたんですよ~♡俺様、その時、キュン♡としましたぁ~♡」
「もう、恋をしてますよーって、感じだな。」
「あぁ。」
「兄貴!」
ウルフ次郎が、ウルフ一郎の両手を、ぎゅっとにぎった。
「お願いです!一緒におとぎの国に行って、フローラさんに声をかけるのを、手伝ってください!」
「ウルフ次郎……うん、わかった。弟のために、協力するぜっ!」
ウルフ一郎が、ニッと笑った。
「あ、ありがとうございます、兄貴!」
ウルフ次郎は、にこっと笑った。
☆
あたし達はガオンを、ウルフ一郎の実家に預け、フローラというやつのお店の近くにある木の下に隠れていた。
「あれが、フローラさんですっ。」
どれどれ?
黄緑色の髪で、ショートで、緑色の目をして、背は小1ぐらいあって、顔は子供らしく、緑色色のフリルが付いた、かわいいワンピースを着て、エプロンを付けてる、女の子。
ほう、想像以上にかわいいなぁ。
「けど、俺様はネル様の方が、かわいいと思いますっ!」
てめぇも来たのか。
「こら!フローラさんに失礼だぞ!」
「ふん!俺様は本音を言っただけだもんねー。」
「んだとぉ!?」
「やんのかオラァ!」
あーあ。けんかし始めたよぉ。
「おい、ウルフ次郎。行け。」
「えっ!?ちょっ、兄貴!いきなりなにを言うんですか!」
「男の意地を見せろ、意地をぉ!俺様の命令を聞かないと、おやつはなしだぞ!」
父親かっ。
「い、行きたいんですけど……無理ですぅ!俺様は、こーゆーのが苦手でしてぇ……。」
じゃあ、あたしが行こう。
「えっ!?ネルが!?」
あぁ。
「あたしが行ったら、次はお前が行けよな。」
「ネル様かっこい~♡」
「うっさい。」
あのう、すまないが、ここおすすめの花はないか?
「おすすめの花?ありますよ!少々、お待ちください!」
フローラはお店の奥に行くと、花を持って来た。
「これが、私のおすすめの花、サクラですっ!」
うわぁ、桜だぁ。
「お好きなんですか?」
あぁ!小さい頃から、とっても!
「あいつ、喜んでるな。」
「あぁ。」
「それはよかった。この花の花言葉は、「精神の
美」、「優美な女性」です。ぴったりですねっ。」
ゆ……優美な女性……これが、桜の花言葉……。
全然、知らなかったなぁ。
「おい、これ、何円だ。」
「300円です。」
じゃあ、買うとしよう。
「ありがとうございますっ。」
桜を買ったあたしは、木の方へ戻った。
「ネル様、機嫌がいいですねっ。」
あぁ。
「あいつ、いいやつじゃないか。お前の嫁にぴったりだ。」
「えっ……?け、けど……やっぱり自分からは行けませんっ!」
ったくぅ、シャイなやつだなぁ。
「じゃ、俺様が行きますよ、ウルフ次郎兄貴。」
「ウルフ三郎!」
「てかなんだ?急に服装が変わってるし。」
スーツ姿のウルフ三郎は、お店まで歩いて行った。
「すみませーん。」
「はい。」
「バラの花はありませんか?」
「ありますよ!」
フローラは、冷蔵ストッカーの中から、4本のバラを出した。
「赤ですか?青ですか?それとも、レインボーですか?」
「あ、赤いのを1本。」
「かしこまりましたぁ!プレゼント用ですねっ。」
「はい。」
「バラの花言葉は、「愛」、「美」ですっ。」
「へぇー。」
「はいっ、どうぞ!100円ですね!」
「はい。」
ウルフ三郎は、フローラに100円をやった。
「ありがとうございましたー!」
ウルフ三郎は、木の方へ戻ると、あたしの目の前に膝まついた。
「ネル様、この一本のバラを、君にあげるよ。」
は……はぁ。
あたしは、バラを受け取った。
すると、ウルフ三郎は、あたしの手をぎゅっとにぎって。
「君はこのバラより美しい。結婚してくれ。」
「なに言っとんじゃ、ボケーッ!」
「ぐはっ!」
「さぁ、ウルフ次郎、行け!天国の父ちゃんが、応援してるぞ!」
「い、いやですっ!俺様は、シャイなんで、そんなこと、できませ……。」
「あれっ?あなたは、昨日の……。」
フ、フローラ!
い、いつの間に来てたのか!
「あ……あぁ……ごめんなさ~い!」
ウルフ次郎は、ぱっと走り出した。
「ちょっ、ウルフ次郎!?」
「……ったくぅ、ウルフ次郎兄貴ったらぁ。シャイなんだからぁ。」
「追いかけよう!」
「おう!」「あぁ!」
あ。
あたしは、フローラの方を振り向いた。
「桜、ありがとな。」
と言って、ウルフ一郎達のあとを追いかけた。
「は……はあ。」
☆
あたし達は、路地裏で、話をしていた。
「ったくぅ、なんなんだよ、あの態度!いいチャンスを逃しやがって!」
ウルフ一郎、そんなに怒る必要、ないだろ?
「うっせー!お前はだまっとけ!」
……はい。
ウルフ一郎、機嫌悪いなぁ。
「兄貴はウルフ次郎兄貴のために、怒ってるんスッよ。」
ウルフ次郎のために?
「えぇ。ウルフ次郎兄貴は、もう36。そろそろ、結婚しても悪くない時期なんです。けど、ウルフ次郎兄貴は、人見知りで、とてもシャイで、恋に不器用なんです。そこを、どーやったら上手く直せるか、少々不安でいっぱいです。」
ほう、なるほどぉ。
お、いいこと考えた!
「ん?どーした、ネル。」
「恋のプロセッショナルがいるじゃねぇか!」
「恋のプロセッショナルぅ~?あぁ!あの人ね!」
あぁ!
早速、お城に行こう!
「おう!」
☆
うふふ。
今日はいい一日になりそうだ。
ピンポーン。
ん?誰か来たぞ。
「俺様が出る。」
ウルフ一郎が、ドアの方へ向かって歩いて、ドアを開けると……。
「よっ、兄貴!元気ッスか?」
「おぉ、ウルフ次郎!久しぶりだなぁ!」
お義兄さん!すっごい、お久しぶりですぅ。
「アハハハハ。あ、ガオンにやらなきゃいけないものがある。」
ウルフ次郎が、懐をがさごそとつっこむと、うさぎのぬいぐるみを出した。
「はい、ガオン。おじちゃんからのプレゼントでちゅよぉ~。」
「う、う~!」
ありがとう、ウルフ次郎。
これ、手作りなのか?
「あぁ。さいほうが苦手ながら、頑張って、さいほうの本を見ながら、作りましたぁ!」
あ、両方の指に、バンソーコウが……。
相当、頑張ったみたいだね。
「ま、とりあえず、うちに入れ。」
「はいっ!おじゃましま~す!」
ウルフ次郎が中に入ると、ウルフ次郎は、テーブルのいすにすわった。
「コーヒー、いる?」
「あぁ。いるよ。」
「あい、あい!」
「ふっ、すっごく喜んでるな。」
あぁ。
ガオン、よかったでちゅねぇ~。ウルフ次郎おじちゃんに作ってもらって。
「あい、あい!」
うふふふふ。
「ところで、ウルフ次郎。なにしに来たんだ。」
「実はぁ、なやみごとがあってぇ。」
「なやみごと?なんだ?なやみごとなんて、お前の思春期以来だ。早く教えてくれ。」
「じ、実は、ちょっと、びっくりする話になりますが……。」
「おう、なんだ?」
ウルフ次郎は、真剣な顔になった。
「実は俺様、好きな人ができたんです!」
「え~!?」
あたしとウルフ一郎は、大きな声でそろって驚いた。
相手は誰なんだ!?
「まさか、ロゼッタか!?」
ロゼッタは、お前のことが好きだろ。
「ちがいます。おとぎの国の花屋さんです。」
「花屋さ~ん?」
「えぇ。」
ウルフ次郎はうなずいた。
「名前は、フローラさんで、俺様が、散歩をしていると、チンピラヤロー達にからまれていたんです。」
「『おい、そこのお姉ちゃん、俺達と遊ばな~い?』」
「『いやです!おはなさん達が、さびしがります!』」
「『なんだとぉ?』」
「『おい、やめろ!』」
「『お、お前は、オオカミ三兄弟の次男、ウルフ次郎!』」
「『や、やべっ!逃げようぜ!』」
「『おう!』」
チンピラヤロー達は、ウルフ次郎お義兄さんをおそれるように、逃げた。
「『ふぅ。大丈夫か?ケガ、してねぇか?』」
「『はい……あ、ありがとうございますっ!』」
「『いえ、どーいたしましてぇ……俺様、困っている人を見ると、放っとけないタイプでしてぇ……。』」
「『お礼に、この花をプレゼントしますっ!』」
フローラがウルフ次郎に、バラの花をあげた。
「『あ、ありがとう。』」
「『心がお優しいんですねっ。そういう人は、好かれますよっ。』」
「って、言われたんですよ~♡俺様、その時、キュン♡としましたぁ~♡」
「もう、恋をしてますよーって、感じだな。」
「あぁ。」
「兄貴!」
ウルフ次郎が、ウルフ一郎の両手を、ぎゅっとにぎった。
「お願いです!一緒におとぎの国に行って、フローラさんに声をかけるのを、手伝ってください!」
「ウルフ次郎……うん、わかった。弟のために、協力するぜっ!」
ウルフ一郎が、ニッと笑った。
「あ、ありがとうございます、兄貴!」
ウルフ次郎は、にこっと笑った。
☆
あたし達はガオンを、ウルフ一郎の実家に預け、フローラというやつのお店の近くにある木の下に隠れていた。
「あれが、フローラさんですっ。」
どれどれ?
黄緑色の髪で、ショートで、緑色の目をして、背は小1ぐらいあって、顔は子供らしく、緑色色のフリルが付いた、かわいいワンピースを着て、エプロンを付けてる、女の子。
ほう、想像以上にかわいいなぁ。
「けど、俺様はネル様の方が、かわいいと思いますっ!」
てめぇも来たのか。
「こら!フローラさんに失礼だぞ!」
「ふん!俺様は本音を言っただけだもんねー。」
「んだとぉ!?」
「やんのかオラァ!」
あーあ。けんかし始めたよぉ。
「おい、ウルフ次郎。行け。」
「えっ!?ちょっ、兄貴!いきなりなにを言うんですか!」
「男の意地を見せろ、意地をぉ!俺様の命令を聞かないと、おやつはなしだぞ!」
父親かっ。
「い、行きたいんですけど……無理ですぅ!俺様は、こーゆーのが苦手でしてぇ……。」
じゃあ、あたしが行こう。
「えっ!?ネルが!?」
あぁ。
「あたしが行ったら、次はお前が行けよな。」
「ネル様かっこい~♡」
「うっさい。」
あのう、すまないが、ここおすすめの花はないか?
「おすすめの花?ありますよ!少々、お待ちください!」
フローラはお店の奥に行くと、花を持って来た。
「これが、私のおすすめの花、サクラですっ!」
うわぁ、桜だぁ。
「お好きなんですか?」
あぁ!小さい頃から、とっても!
「あいつ、喜んでるな。」
「あぁ。」
「それはよかった。この花の花言葉は、「精神の
美」、「優美な女性」です。ぴったりですねっ。」
ゆ……優美な女性……これが、桜の花言葉……。
全然、知らなかったなぁ。
「おい、これ、何円だ。」
「300円です。」
じゃあ、買うとしよう。
「ありがとうございますっ。」
桜を買ったあたしは、木の方へ戻った。
「ネル様、機嫌がいいですねっ。」
あぁ。
「あいつ、いいやつじゃないか。お前の嫁にぴったりだ。」
「えっ……?け、けど……やっぱり自分からは行けませんっ!」
ったくぅ、シャイなやつだなぁ。
「じゃ、俺様が行きますよ、ウルフ次郎兄貴。」
「ウルフ三郎!」
「てかなんだ?急に服装が変わってるし。」
スーツ姿のウルフ三郎は、お店まで歩いて行った。
「すみませーん。」
「はい。」
「バラの花はありませんか?」
「ありますよ!」
フローラは、冷蔵ストッカーの中から、4本のバラを出した。
「赤ですか?青ですか?それとも、レインボーですか?」
「あ、赤いのを1本。」
「かしこまりましたぁ!プレゼント用ですねっ。」
「はい。」
「バラの花言葉は、「愛」、「美」ですっ。」
「へぇー。」
「はいっ、どうぞ!100円ですね!」
「はい。」
ウルフ三郎は、フローラに100円をやった。
「ありがとうございましたー!」
ウルフ三郎は、木の方へ戻ると、あたしの目の前に膝まついた。
「ネル様、この一本のバラを、君にあげるよ。」
は……はぁ。
あたしは、バラを受け取った。
すると、ウルフ三郎は、あたしの手をぎゅっとにぎって。
「君はこのバラより美しい。結婚してくれ。」
「なに言っとんじゃ、ボケーッ!」
「ぐはっ!」
「さぁ、ウルフ次郎、行け!天国の父ちゃんが、応援してるぞ!」
「い、いやですっ!俺様は、シャイなんで、そんなこと、できませ……。」
「あれっ?あなたは、昨日の……。」
フ、フローラ!
い、いつの間に来てたのか!
「あ……あぁ……ごめんなさ~い!」
ウルフ次郎は、ぱっと走り出した。
「ちょっ、ウルフ次郎!?」
「……ったくぅ、ウルフ次郎兄貴ったらぁ。シャイなんだからぁ。」
「追いかけよう!」
「おう!」「あぁ!」
あ。
あたしは、フローラの方を振り向いた。
「桜、ありがとな。」
と言って、ウルフ一郎達のあとを追いかけた。
「は……はあ。」
☆
あたし達は、路地裏で、話をしていた。
「ったくぅ、なんなんだよ、あの態度!いいチャンスを逃しやがって!」
ウルフ一郎、そんなに怒る必要、ないだろ?
「うっせー!お前はだまっとけ!」
……はい。
ウルフ一郎、機嫌悪いなぁ。
「兄貴はウルフ次郎兄貴のために、怒ってるんスッよ。」
ウルフ次郎のために?
「えぇ。ウルフ次郎兄貴は、もう36。そろそろ、結婚しても悪くない時期なんです。けど、ウルフ次郎兄貴は、人見知りで、とてもシャイで、恋に不器用なんです。そこを、どーやったら上手く直せるか、少々不安でいっぱいです。」
ほう、なるほどぉ。
お、いいこと考えた!
「ん?どーした、ネル。」
「恋のプロセッショナルがいるじゃねぇか!」
「恋のプロセッショナルぅ~?あぁ!あの人ね!」
あぁ!
早速、お城に行こう!
「おう!」
☆
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