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第1章

第五十一話 「ネルさんとロゼッタさんの出会い」

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「フフフ、全国の賞金稼ぎめ!この私の首を取ろうとするなんて、100年早いぞ!」

「おい、そこの猫ヤロー!このあたしと勝負だ!」

「!?こ、こいつは、あの、美少女ちゅわ~ん?」

こ、こいつ、この子のファンだったのね。

「どうぞどうぞ、私の首をきってくたさい!4億は、あなたのものにしてあげますから!さぁさぁ、どうぞきってください!」

こいつ、アホじゃねぇの?

「こんな賞金首、初めて見た。」

「うん。」

「ほんとにいーんだな?」

「はい♡」

「ほんとのほんとーに、いいんだな!?」

「はい♡どの角度から切ってもかまいません♡」

「ならよろしい。では、きっていただく……。」

ちょっとまったぁ!

「うわぁ!」

ドッシーン!

「いたたたた……おい、おばさん!なにするんだよぉ!」

「まだ早すぎる!もう少し時間が経ったら、きりなさいっ。」

「てめぇに指図される必要はねぇ!」

「なんですってぇ?」

「……おい。」

!?
おそるおそる、後ろを振り返ると、そこには、すっごくこわーい雰囲気になった、ニャーダが!

「てめぇ、よくも私のしあわせを邪魔したなぁ!ゆるさん!はっ!」

ひぃぃぃぃ!
ふぅ。なんとかよけたー。

「おい!二人を守れ!」

「おう!」

仲間の賞金稼ぎが、刀を持って、走り出した。

「ふん!」

「うわぁ!」

あぁ!二人が吹き飛ばされたよぉ!
よし、ここは私が決める!
私は、鞘から刀を出した。

「おらぁ~!」

「ふっ、紅月のロゼッタの時代は、終わったんだ。はっ!」

!?
グサッ!
うそ!刀が吹き飛ばされた!

「さぁ、もう武器は使えない。さらばだ!」

う……もうだめ……。
と、私が思った、その時!

「でぃりゃあー!」

ネルが刀を振りかざした。

「!?」


                             ☆


カコーン。
ふぅ。極楽極楽。
こんなに気持ちいい温泉に入ったの、生まれて初めてだ。

「おじゃまする。」

あ、ネル。入って来たのね。
今日はありがとうね。
あなたのおかげで、こーんなに気持ちいい温泉に入れたのよ。

「……礼はいらん。」

あら。この子、ツンデレなのね。

「ところでお前、胸大きいなぁ。」

!?
な、なに言ってんのよぉ!
あ、あなたこそ、大きいじゃなーい!
なにカップ?

「Dだ。」

あら。私はGよ?

「……負けた。」

グフフフフ。悔しがってる、悔しがってる。

「じゃ、あたしはもう上がる。」

ネルはそう言って、スッと立ち上がった。
……あの子、何が言いたかったんだろ。

「ふぅ。あのクソババアと付き合うと、マジめんどくせー。」

「早く家に帰んねぇと。」

ササッ!

「ふっ、ニャーダ様の懸賞金で、温泉に入りやがって!」

「この暗黒女!」

「もう、つかまえましょ!」

「あぁ!」

ササッ!

「!?ん!?んーんー!」

「おとなしくするんだ、お嬢ちゃん!」

「あとでリラックスさせるから。」

「ん……んー……。」

あれっ?あの子がいない……!


                        ☆


次の日。

「ロゼッタ~!」

ん?どーしたの?オーナー。そんなに息切れをしながら、両手をひざに置いて。

「……最近、ネル見てない!?」 

あぁ。あの子ね。
なんか昨日、私が温泉に上がったら、いなくなっちゃってぇ。
すると、オーナーは、顔を真っ青にして。

「こらぁ大変だぁ!ひょっとしたら、さらわれたかもしれない!」

さらわれたぁ?誰に。

「さぁ~。」

なら言うな。

「それに、ファン達がとても心配して、来たからねぇ。」

ほんとだ。あの子のファン達が、剣士広場に集まっている。
なら、私が探しましょうか。

「あぁ!お願いするよ!」

あぁ。まかせといて。
私は向こうへと行った。

「ロゼッタさん、ネルさんを必ず、取り戻してくださいね!」

「ネル様がいなくなったら、僕は、僕は……うわ~ん!」

ネル、まっててね!
必ず、助けに行くから!



                                    ☆
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