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第1章

第四十五話 「ロゼッタさんがゆく!彼氏づくりの旅!〜人気アイドル編!〜」

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そして当日。
早く来ないかな、シュンくん♡

「ロゼッタちゃーん!」

あ、その声は!

「シューンく~ん♡」

「しっ!ここでは言ったらだめ!言ったら騒ぎになるから。」

けどさ。

「なに?」

もう、かこまれてるわよ?

「なにー!?」

「シュンって、あの櫻井シュン!?」

「そうよ!まちがいないわ!」

「キャーッ♡シュンく~ん♡」

「写真、撮ってー♡」

「愛してます~♡」

あーあ。私のせいで、女子軍団が、黄色い声を出したり、ケータイで撮ったりしている。

「マズイ!逃げよっ。」

えっ、あ、ちょっ。

「あ、逃げてくわ!」

「まって、シュンく~ん♡」

「その女の人、誰~?」

どんどん、追って来るよぉ!

「電車に乗りこもう!」

私達は手を繋いだまま、電車に乗りこんだ。
はぁ、はぁ、はぁ。
もう、死ぬかと思ったぁ~。

「大丈夫?」

うん。大丈夫。
と、その時。大きい揺れが走った。

「キャッ!」

……えっ?シュンくんの顔、近い……。
えっ!?かかかかかか壁ドン!?
ひゃーっ!ここで壁ドンだなんて、思ってもいなかった♡

「大丈夫?」

あ、はいっ。大丈夫です!

「よかったぁ~。それより、びっくりしたね、さっきの揺れ。」

はい。
その時、アナウンスが鳴った。

「『まもなくぅ、新宿~、新宿~。』」

「そろそろ、降りよっか。」

ええ。


                            ☆


「さーて、新宿で、なにしよっか!」

グゥ~。
お腹空いたから、なにか食べよっ。

「そうだね。じゃあ、僕イチオシのお店を紹介するねっ。」

そして、15分後。

「さ、着いたよ!」

ん?カレー屋さん?

「あぁ。僕行きつけのカレー屋さん。ていうか、僕の実家なんだ。」

えっ!?シュンくんの実家!?

「あぁ。君を連れて来たら、親父達、なんて言うんだろーね。」

そ、そりゃあ、「彼女!?」って言うに、決まってんじゃなーい♡

「じゃあ、入るよ。」

ガラッ。

「親父、おふくろ、きらら、ただいま。」

「お兄ちゃん!お帰り!」

学生服を着た女の子が、シュンくんにだきついてきた。

「ただいま、きらら。」

この子、シュンくんの妹!?ムチャクチャそっくり!

「ん!?その女の人、まさか……。」

さぁシュンくん、なんて答えるか……。

「ち、ちがうよ!彼女じゃないよ!」

シュンくん、顔真っ赤っか。かわいい♡
でも、彼女じゃないって言われたの、ショックだったな……。

「さぁ、暑かったろう。カレーでも食べてくれ。」

あ、はい!
私達は、テーブルに行き、メニューを見た。

「さあ、なんにする?」

「えっとぉ、コロッケカレー。シュンくんは?」

「僕はカツカレー。とびっきり辛いの!」

えっ!?食べきれるの!?

「うん!だって、いつもここに来る時、食べるからねっ。」

な、なんて最強なカレー屋の息子……。

「はい、おまたせしました。カツカレーの大辛と、コロッケカレーですねぇ。」

うわぁ~。おいしそ~う。
って、シュンくん!?福神漬け、そんなにたくさん、入れていいの!?

「あぁ。だって僕、カレーが大好きなんでねぇ。アハハハハ!」

ど、どんだけバカなの。

「いっただっきま~す!」

シュンくんは、福神漬けでいっぱいになったカレーを、大きな口に入れた。

「う……うん、おいしい。」

辛いんだよね。わかるよ、その気持ち。うん。
シュンくんは、あの医者より、天然なキャラです。
ん~!このカレー、おいし~い!

「でしょ?」

うん!
何回も行きたいわ、ここ!

「アハハハハ。だったら無料券、あげるよ。」

えっ!?いいの!?

「あぁ。仲良くなった記念にね。はいっ。」

うわぁ~。ありがと~う。

「どういたしまして。」

シュンくんの笑顔、超~かっこいい~♡

「あ、ところでさ。」

ん?どうしたの?

「……来週、ライブが終わったら、また一緒に出かけるけど……。」

どうかしたの?

「……友達、連れて来ていい?」

友達!?
ひょっとして、男の芸能人の方かな!?
福山雅治とか、大野くんとか、近藤真彦とか!
はぁ、だったら会いたい!サイン、欲し~い♡

「いいよ~♡連れて来ていいよ~ん♡」

「ア……アハッ、ありがと。その友達、すっごく優しいし、信頼できる人なんだよぉ。」

へぇー。
来週が楽しみだな☆


                               ☆


よし!来週まで、告白の練習をするぞ!
んんー、シュンくん♡私と付き合って♡
ふっ、もちろん喜んで。
キャーッ♡もう、来週が待ちきれな~い♡
もしOKで、上手くいけば……。

「『アハハハハ!Nめ、見たか!これが、私らの愛だよ!』」

「『ちくしょ~!ロゼッタのヤローめ!うらやましいぜっ!』」

グフフフフ、グハハハハ!
あらやだ。私、下品な笑い方をして。
必ず、Nよりすんげぇーしあわせを取ってやる!
あらやだ。私、男みたいな言葉を使って。
まぁ、あの人も使ってるけどね。
よーし!来週、シュンくんに想いを届けるぞぉ~!


                              ☆
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