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第1章

第四十四話 「ジュンブライトの思い出(後編)」

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ー七年後ー

「なぁ親父、新しいゲーム機、買ってくれよぉ~。」

「だめだ。お金がもったいない。」

なんだよぉ!この、ケチくされがぁ!
なぁ、お願いだから、買ってくれよぉ~。なんでも、言うこと聞くからぁ~。

「だーめだっ。自分で貯金して買え。」

親父はそう言って、向こうへと去った。
ちくしょ~!あの親父、超~ムカツくぅ~!


                              ☆


「え~?新しいゲーム機、買ってくれなかったのぉ~?」

あぁ。
あのバカ親父め!何度言っても、だめだった!

「そりゃそうだろ。大王様はお忙しいから。」

アルマはなんで、あのクソじじいの味方をすんだよぉ!

「けど、いくらわがまま言っても、通用しないと思うよ。」

あーもー!アクアまで味方してぇ!

「でも、欲しいよな。あのゲーム機。俺も言ったけど、「だめ!」って言われた。」

だよな!?ソアン!

「僕はゲームに興味ないけど、わかるよ、その気持ち。」

ジャン!ありがとー!味方をしてくれて!

「あたしはヒアン様派だねぇ。ヒアン様が言ってることが、正しいから。」

ちょっ、おい!小学生ババア!なんてことを言うんだ!
バシ!

「ババアって言うなっ!」
 
はい、すみません。

「私もヒアン様派!だって、忙しいし、自分でお金を貯めた方がいいから!」

え~?リナン、今日は冷たいなぁ~。
ちっ、女子とアルマは、親父の意見に賛成かよぉ~。

「アクア~!」

巨乳で、キラキラしたピンクのドレスを着た女の人が、走って来るのが見えた。

「ママ!」

アクアがお母さんの方へ走って行った。

「今日はバレエの練習だから、帰るね~!」

アクアは手をつないで、お母さんと一緒に、帰って行っちゃった。

「ソア~ン。」

「あ、母ちゃん!」

ソアンはお母さんのところへ、全力疾走で走った。

「ったくぅ、店番さぼって、なにしてたんだい!」

「あ!忘れてた!」

「リナ~ン、ジャ~ン、夜ご飯よ~。」

「は~い!」

「テレサ~。迎えに来たよぉ~。」

「今日の夜ご飯はなに~?」

「ムカデのフライだよぉ~。」

「やったぁ~!」

「もう、テレサったらぁ。食いしんぼうなんだから。」

すると、一台の車が、公園前に停まった。

「俺も迎えが来たから、帰るわ。」

おう、じゃあな。
……なんで、なんで俺だけ……。


                                    ☆


「アハハ。それでね、ルアンさんがね、「リアン様はかっこいいお方ね♡」って、言ってくれたんだー♡」

「それはよかったじゃないかぁ。」

「だんだん、距離を縮めましたね。」

「えへへへへ。」

「ん?ジュンブライト、どーしたんだ?食べないのかい?」

「……!」

俺はスッと立ち上がって、ぱっと走り出した。

「おいおい、どーしたんだよ、ジュンブライト。」

「さぁ。急に行ってしまったから、わからないよぉ。」

「きっと、なにかあったんじゃない?」

「よし、私が相談に乗ってやろうじゃないか!」

「父さん、いいよぉ。私が行くから。」

「えーっ?ちっ、わかったよ。」


                           ☆


トントントン。

「ジュンブライト、入っていいか?」

あぁ。

「じゃあ、入るぞ。」

ガチャッ。

「ったくぅ、こんなに暗くしてぇ。電気を付けたらどーだい。」

親父はそー言って、俺に近づき、ベッドに腰をおろした。

「さっきはどーして、元気がなかったんだい?教えてくれ。父さん、お前の味方だから。」

……なんで、なんで俺だけ、母さんがいないんだ。

「えっ?」

「みんなはちゃーんといるのに、俺だけいないって、なんかおかしい。なぁ、なんでいねぇのか、教えてくれよ。」

「そ、それはだな……。」

「言えねぇってのか。ならいい。去れ。」

「……!」


                            ☆


「なるほどぉ。そんなことを言ってたのかぁ。」

「あぁ。なんて言って、話したらいい?」

「そりゃあもう、全部、話した方がよくない?」

「リアンの言う通りだ。正直に話そう。」

「……あぁ。そうだな。」


                             ☆
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