85 / 170
第1章
第三十三話 「時間」
しおりを挟む
それから一週間後。
今日は女王就任式。
ヒアン様は、なぜか欠席だけど、私、今日から女王様になりますっ。
はぁ~、女王様って、いい響き。
「いよいよですね、お妃……いいえ、女王様。」
えへへへへ。そう言われると、照れますよぉ~。
「お母しゃん、いつもよりきれいでちゅねぇ~。」
ボカッ、ボカッ!
いつもよりはやめなさいっ!
「はい、すみません。」
トントントン。
ん?ドアをノックする音が聞こえたぞ。
「真莉亜さん、入っていいですか?」
その声は、ルアン様!
「はい、どうぞ!」
「じゃあ、失礼します。」
ガチャッ。
「うわぁ~、真莉亜さん、いつもよりきれいですねぇ~。」
ボカッ、ボカッ!
ルアン様もやめてくださいっ!
「はい、すみません。」
「お父様、失礼ですよ。」
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!マドレ~ヌぅ~♡お前もかわいいぞぉ~♡」
「出た。おじさんの親バカパワー。」
「あ、真莉亜さん、兄さんから、手紙をもらったよ。」
ヒアン様から?
「あぁ。」
あ、どーも。
私は手紙を受け取り、便せんを開けて、手紙を広げた。
うわぁ~。
ヒアン様の字、きれ~い。誰かさんとちがって。
えーっと、どれどれ?
<真莉亜さんへ
いよいよですね。
緊張するかもしれませんけど、
頑張ってください。
私は急な用事が入って、出席できませんが、
心の中で祈ります。
真莉亜さん……いやいや、女王様。
これから女王として、頑張ってくださいね。
応援してます。
ヒアンより>
ヒアン様……。
なんだか私、涙が出てきました。
ガチャッ。
「真莉亜ちゅわ~ん♡」
「ウルフ一郎さん!それに、ネルさん、ガオンくんも!」
「君のおかげで、ネルとの関係が、復活したよ~ん♡」
アハッ、それはよかったですね。
まあ、私はなにもしてないけど。
「おい、バカ女。」
むかーっ!そう言われると、なんか、むかつきます。
「せいぜい頑張れよ。あたしも、応援してっから。」
あ……あのネルさんが……私に、応援してるって……。
うわ~ん!春間真莉亜、感激でぇ~す!
私は泣きながら、ネルさんにぎゅっとだきついた。
「ちょっ……バカッ!離れろっ!」
「真莉亜ちゃんっ。そんなに泣くと、お化粧が落ちちゃうよっ。」
あ、すみません。
私はネルさんから、ぱっと素早く離れた。
☆
そして、いよいよ女王就任式。
お城の前では、たくさんの国民達が集まっている。
はぁ~、緊張するなぁ~。
「真莉亜ちゃんっ、リラックスリラックス!」
ウルフ一郎さん、ありがとうございますっ!
「う、う~!」
私は、道華の手を優しくぎゅっとにぎった。
道華ぁ、お母しゃん、頑張るからねぇ。
私は、道華の手をにぎったまま、上下にぶるんぶる振った。
「う~!」
うふふふふ。かわいい。
「真莉亜、頑張れよ。」
うん。もう、わかってるって。
「お妃……いやいや、女王様、時間です。」
あ、はい。
「じゃあね、みんな。」
「真莉亜お姉様、ファイトですぅ~!」
うん!頑張るからね、マドレーヌちゃん!
「道華ぁ、お母しゃんに、バイバーイは?」
「う、う~!」
うふふふふ。
バイバイ、道華。
私は、道華に手を振って、家来さんとルアン様と一緒に、バルコニーに向かって行った。
はぁ~、緊張するなぁ。
けど、頑張らなくちゃ!
深呼吸!深呼吸!
私は歩きながら、大きく深呼吸をした。
そしてとうとう、バルコニーの外へ。
私が出てきたとたん、国民のみんなが、「わぁ!」と歓声を上げた。
「真莉亜様ぁ~!」
「新・女王就任、おめでとうございま~す!」
うわぁ~。みんな、ありがと~!
私は笑顔で、みんなに手を振った。
すると、一人の家来さんが、ゴホンとせきばらいをして、軸を広げた。
「ただいまより、真莉亜様の女王就任式を始める。国民どもに聞く!真莉亜様の女王就任を認める者は、拍手を!」
パチパチパチパチ!
みなさん、大きな拍手をしていただき、ありがとうございますっ!
「結果、国民全員、賛成!」
「イェーイ!」
「フー!」
「それでは、王冠の贈呈を行なう!本日は、ヒアン様がご欠席なされたので、代わりにルアン様が、真莉亜様に王冠を贈呈される!」
「ささ、どうぞ。」
「兄さん、兄さんの分まで、頑張るよ。」
ルアン様は、王冠を持って、私の方へ向かって、ゆっくり、歩き始めた。
そして、私の前に立つと、私は、ルアン様にお辞儀をした。
「真莉亜さん、これからも、頑張ってください。」
「はい。」
私が頭を下げると、ルアン様は、私の頭の上に、王冠をかぶせた。
「うわー!」
「女王様!女王様!女王様!女王様!女王様!」
「真莉亜ちゃん、ステキィ~♡」
「なんか、涙が出そう。」
「ふっ、だんだん、えらくなったなぁ、真莉亜ちゃん。」
「残るは、ジュンブライトだよ!」
「さぁ、いつ大王になるのか、今でしょ!」
「それ、もう古い。」
「そうなの?」
人間界に住んでいる、お母さん、お父さん、琉理、おばあちゃん、そして、花田中のみんな、尾希田先生。
私、ヴァンパイア界の女王になったよ。
これから、もっと頑張らないといけないけど、見守ってくださいねっ☆
☆次回予告☆
ジュンブライトのおじいさんって、どんな人だったの?
俺にメロメロで、おふざけがあるところがあったけど、いい人だったなぁ。
そうなんだぁ~!
次回、ヴァンパイア♡ラブforever 「ジュンブライトのおじいちゃんの話」
愛してるよ、ジュンブライト。
今日は女王就任式。
ヒアン様は、なぜか欠席だけど、私、今日から女王様になりますっ。
はぁ~、女王様って、いい響き。
「いよいよですね、お妃……いいえ、女王様。」
えへへへへ。そう言われると、照れますよぉ~。
「お母しゃん、いつもよりきれいでちゅねぇ~。」
ボカッ、ボカッ!
いつもよりはやめなさいっ!
「はい、すみません。」
トントントン。
ん?ドアをノックする音が聞こえたぞ。
「真莉亜さん、入っていいですか?」
その声は、ルアン様!
「はい、どうぞ!」
「じゃあ、失礼します。」
ガチャッ。
「うわぁ~、真莉亜さん、いつもよりきれいですねぇ~。」
ボカッ、ボカッ!
ルアン様もやめてくださいっ!
「はい、すみません。」
「お父様、失礼ですよ。」
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!マドレ~ヌぅ~♡お前もかわいいぞぉ~♡」
「出た。おじさんの親バカパワー。」
「あ、真莉亜さん、兄さんから、手紙をもらったよ。」
ヒアン様から?
「あぁ。」
あ、どーも。
私は手紙を受け取り、便せんを開けて、手紙を広げた。
うわぁ~。
ヒアン様の字、きれ~い。誰かさんとちがって。
えーっと、どれどれ?
<真莉亜さんへ
いよいよですね。
緊張するかもしれませんけど、
頑張ってください。
私は急な用事が入って、出席できませんが、
心の中で祈ります。
真莉亜さん……いやいや、女王様。
これから女王として、頑張ってくださいね。
応援してます。
ヒアンより>
ヒアン様……。
なんだか私、涙が出てきました。
ガチャッ。
「真莉亜ちゅわ~ん♡」
「ウルフ一郎さん!それに、ネルさん、ガオンくんも!」
「君のおかげで、ネルとの関係が、復活したよ~ん♡」
アハッ、それはよかったですね。
まあ、私はなにもしてないけど。
「おい、バカ女。」
むかーっ!そう言われると、なんか、むかつきます。
「せいぜい頑張れよ。あたしも、応援してっから。」
あ……あのネルさんが……私に、応援してるって……。
うわ~ん!春間真莉亜、感激でぇ~す!
私は泣きながら、ネルさんにぎゅっとだきついた。
「ちょっ……バカッ!離れろっ!」
「真莉亜ちゃんっ。そんなに泣くと、お化粧が落ちちゃうよっ。」
あ、すみません。
私はネルさんから、ぱっと素早く離れた。
☆
そして、いよいよ女王就任式。
お城の前では、たくさんの国民達が集まっている。
はぁ~、緊張するなぁ~。
「真莉亜ちゃんっ、リラックスリラックス!」
ウルフ一郎さん、ありがとうございますっ!
「う、う~!」
私は、道華の手を優しくぎゅっとにぎった。
道華ぁ、お母しゃん、頑張るからねぇ。
私は、道華の手をにぎったまま、上下にぶるんぶる振った。
「う~!」
うふふふふ。かわいい。
「真莉亜、頑張れよ。」
うん。もう、わかってるって。
「お妃……いやいや、女王様、時間です。」
あ、はい。
「じゃあね、みんな。」
「真莉亜お姉様、ファイトですぅ~!」
うん!頑張るからね、マドレーヌちゃん!
「道華ぁ、お母しゃんに、バイバーイは?」
「う、う~!」
うふふふふ。
バイバイ、道華。
私は、道華に手を振って、家来さんとルアン様と一緒に、バルコニーに向かって行った。
はぁ~、緊張するなぁ。
けど、頑張らなくちゃ!
深呼吸!深呼吸!
私は歩きながら、大きく深呼吸をした。
そしてとうとう、バルコニーの外へ。
私が出てきたとたん、国民のみんなが、「わぁ!」と歓声を上げた。
「真莉亜様ぁ~!」
「新・女王就任、おめでとうございま~す!」
うわぁ~。みんな、ありがと~!
私は笑顔で、みんなに手を振った。
すると、一人の家来さんが、ゴホンとせきばらいをして、軸を広げた。
「ただいまより、真莉亜様の女王就任式を始める。国民どもに聞く!真莉亜様の女王就任を認める者は、拍手を!」
パチパチパチパチ!
みなさん、大きな拍手をしていただき、ありがとうございますっ!
「結果、国民全員、賛成!」
「イェーイ!」
「フー!」
「それでは、王冠の贈呈を行なう!本日は、ヒアン様がご欠席なされたので、代わりにルアン様が、真莉亜様に王冠を贈呈される!」
「ささ、どうぞ。」
「兄さん、兄さんの分まで、頑張るよ。」
ルアン様は、王冠を持って、私の方へ向かって、ゆっくり、歩き始めた。
そして、私の前に立つと、私は、ルアン様にお辞儀をした。
「真莉亜さん、これからも、頑張ってください。」
「はい。」
私が頭を下げると、ルアン様は、私の頭の上に、王冠をかぶせた。
「うわー!」
「女王様!女王様!女王様!女王様!女王様!」
「真莉亜ちゃん、ステキィ~♡」
「なんか、涙が出そう。」
「ふっ、だんだん、えらくなったなぁ、真莉亜ちゃん。」
「残るは、ジュンブライトだよ!」
「さぁ、いつ大王になるのか、今でしょ!」
「それ、もう古い。」
「そうなの?」
人間界に住んでいる、お母さん、お父さん、琉理、おばあちゃん、そして、花田中のみんな、尾希田先生。
私、ヴァンパイア界の女王になったよ。
これから、もっと頑張らないといけないけど、見守ってくださいねっ☆
☆次回予告☆
ジュンブライトのおじいさんって、どんな人だったの?
俺にメロメロで、おふざけがあるところがあったけど、いい人だったなぁ。
そうなんだぁ~!
次回、ヴァンパイア♡ラブforever 「ジュンブライトのおじいちゃんの話」
愛してるよ、ジュンブライト。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!
田口夏乃子
恋愛
ヴァンパイア♡ラブセカンドシーズンスタート♪
真莉亜とジュンブライトは、ついにカップルになり、何事もなく、平和に過ごせる……かと思ったが、今度は2人の前に、なんと!未来からやってきた真莉亜とジュンブライトの子供、道華が現れた!
道華が未来からやってきた理由は、衝撃な理由で!?
さらにさらに!クリスの双子の妹や、リリアを知る、謎の女剣士、リリアの幼なじみの天然イケメン医者や、あのキャラも人間界にやってきて、満月荘は大騒ぎに!
ジュンブライトと静かな交際をしたいです……。
※小学校6年生の頃から書いていた小説の第2弾!amebaでも公開していて、ブログの方が結構進んでます(笑)
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヴァンパイア♡ラブ
田口夏乃子
恋愛
12歳の中学1年生、春間真莉亜は、人見知りで、新しい学校でも友達ができないでいた…。
学校の帰り道、謎のおばあさんからもらった不思議な鏡で、ヴァンパイアの王子が入っている棺を取り出し、唇にキスをすると……イケメンのヴァンパイア界の王子、ジュンブライトが生き返って……!?
人間の女の子✖ヴァンパイアの男
ファンタジーあり、恋愛ストーリーありのファンタジーラブストーリー!
※小学六年生から書いていた小説を、Amebaでも公開中で、ブログの方が物語進んでます(笑)
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる