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第1章

第三十二話 「ネルさんのその後」

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「う、う~!」

「あう、あう~!」

「うふふふふ。仲良く遊んでる。」

あぁ。そうだな。
もう、早く帰りたい。

「うぇーん、うぇーん!」

「あ、こら!道華!ガオンくんをいじめない!」

「ゔ~!」

おいおい、そんなに叱らなくてもいいんじゃねぇのか?

「だ、だって、道華が悪いしぃ。」

「言い訳は無用。ガオン、もう泣かないの。」

「ゔ、ゔぅ……。」

「ところでネルさん、子育ては大変ですか?」

「あたり前だろ?」

(出た。久々に聞く、流行語ノミネート大賞予定の言葉。)

「もう、朝7時に起きて、お乳をやって、おむつを替えて、一緒に遊んで、寝かしてーのっていう、毎日だ。」

「大変ですねぇ、いろいろと。」

あぁ。

「私も、朝7時に起きて、お乳をやって、おむつを替えて、一緒に遊んで、寝かしてます。」

こいつ、あたしと同じ毎日を送ってやがる。

「それに、毎日ウルフ三郎が来たり、リリアがやって来たり、もう、いろいろと大変だ。」

「ネル様ぁ~♡呼んだ~?」

呼んでねぇよ!

「あ、ウルフ三郎さん。お久しぶりです。」

「ふっ、今日はネル様のボディーガードに来たんでねぇ。」

こ、こいつ!あたしのあとをついてきたのか!
あ、だから、「ネル様、こっちですよ!」、「ネル様、あっちですよ!」っていう声が聞こえたのか。
もう、こいつと付き合うの、めんどくさい。

「ウルフ三郎さん、そんなにネルさんがお好きなんですね。」

「あ、侵入者、発見。」

「ネル様ラーブ♡」



                                        ☆


午後7時。入浴。
そのあと、7時30分、夕食。

「今日はオムライスだぞぉ~。」

うわーい!やったぁ~!
って、ちょっとまて。
オムライスの日には、必ず……。

「うわーい!今日の夜ご飯は、ウルフ一郎んちで、オムライスだぁ~!」

「てめぇ、また勝手に入って来やがって!」

「お、俺のこと、そんなに嫌い?」

ギロがうるうるしているところ、かわいい♡

「な……き、嫌いなわけ、ないだろ?」

「うわ~い!ウルフ一郎、だ~いすきぃ~♡」

ちょっ、お前!あたしの旦那にだきつくなっ!

「バ、バカ!離れろ!」

「あー!オムライスがぁぁぁぁぁぁぁ!」

おめぇ、うっさい!

「うぇーん、うぇーん!」

あぁ!ガオンが泣き出しちゃったんじゃねぇか!

「うわぁぁぁぁぁ!ごめんなさい、ごめんなさーい!」

ギロの声が、星空まで響き渡った。


                                ☆


「さあて、そろそろ寝るとするか。」

ズキン!

「ゔぅ!」

「あ゛……あ゛ぁ……。」

「兄さん、だ、大丈夫!?」

「あ……もう、大丈夫だ。安心しろ。」

「大丈夫なわけないでしょ!早くギロさんに診てもらおう!」

「大丈夫だって言ってんだろ!心臓を痛めただけだ。おやすみ。」

「……兄さん……。」

(そろそろなんだね。兄さんの最期が。)




                   ★パパ友会編★

「よく来たなぁ。オオカミヤロー。」

「行くつもりはなかったけど、来てやったぜ、ロンゲヤロー。」

「それじゃあ、やるか?」

「おう!」

「あわわわわ!2人がやばいことしそうな予感……!」

「せーのーで!」

「……へっ!?」

「うちの娘のうさぎのコスプレかわいいんだよぉ~♡これ、LINEのアイコンにしてるんだぜ~!」

「ふん!お前のよりガオンの方がかわいい!見てみろ、この寝顔!天使じゃねぇか!この世に降りてきた天使みてぇにかわいいんだ!」

「赤ちゃんは誰でも、寝顔がかわいいんだよっ!」

「うちの子の寝顔が世界一かわいい!」

(パパ友会っていうより、うちの子供自慢じゃん……でも、2人らしいな。)




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