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第1章

第二十九話 「会いたい」

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はぁ~。やっと結婚式、終わったぁ~。
ったくぅ、ウルフ三郎のヤロー、披露宴で、あたしの秘密を暴露しちゃって!
あれも言ったんだぞ、胸のこと!
みんなは大笑い。ウルフ一郎は、あたしの横で、ニヤリ。
はぁ~。あのジュンブライト様は、顔が真っ赤になっていたし。もう、いやだった~。

「ネル。そこでなにやってんだ?」

あ、ウルフ一郎。

「ほ、星を見ているのさ、星を。」

「ふーん、星ねぇ。」

今日はきれいだね。

「あぁ。いつも以上に、きれいだ。」

キラーン。
あ、流れ星!
願いごとをしないと!
あたしは目を閉じて、静かに祈った。

「おい、なんて願いごとをしたんだ?」

「……ウルフ一郎とこれからも、ずーっと、一緒にいられますようにって。」

「ネル……。」

ウルフ一郎は、あたしの肩を組んだ。

「お前ってやつは、かわいいなぁ。」

えへへ。
それと、この子にも。

「あぁ。そうだな。」

あたし達は、星空を見上げた。
明日から、ウルフ一郎と、ずーっと24時間、一緒にいられる。
もう二度と、離れることはない。
これからは二人、いや、三人でがんばるんだ。
そのうち、また一人、増えるだろう。

「あ、ウルフ一郎。」

「ん?どうした。」

「あたし、やめるよ。」

「なにを?」

「……剣士をだよ。」

「えっ!?」

これからは子育てに励む。
それに、お前と一緒にいたいし。

「……そうだな。お前の好きなようにしていい。」

うん。ありがとう。
さぁ、新しいあたしの物語の、始まり始まりだぁ!
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