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第1章

第二十五話 「スイーツ大会!」

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私達は、調理場にいた。

「まず、青虫のマカロンを、つくってください。」

「はいっ。」

プリンちゃんは早速、マカロンづくりをし始めた……が。

「うわぁぁぁぁぁ!」

「ちょっと!グラニュー糖、入れすぎですよっ!」

「ま、まって~!青虫ちゃ~ん!」

ギィヤァァァァァ!私の顔に、青虫がぁぁぁぁぁ!

「えいっ。」

「ってちょっと!マカロナージュ、出しすぎですよっ!」

なんか、マズイマカロンになりそう……。
そして結果は、私の思った通り、マズイマカロンになりましたぁ~。
生地はコゲていて、マカロンの形がマカロンらしくないし……。

「さぁ、お食べ!私がつくった手作りマカロ~ン♡」

「あ、ありがとう。」

と、ジュンブライトは苦笑い。

「で、では、いただきます。」

ジュンブライトは、マカロンを手に取り、そのまま、お口へぱくっ。

「!?」

急に顔が真っ青になって、どうしたの!?
ジュンブライトは、口を両手でふさいだまま、走り出し、そのまま、水道に向かって、「オェー。」と吐いた。
ジュンブライト、大丈夫!?

「……あぁ。大丈夫だ。」

よかったぁ。

「それよりジュンブライト様、感想は?」

「……すっげぇまっじぃー。こーんなマカロン食べたの、初めてだぜ。」

「ガーン。」

あらら。プリンちゃんはすっごい落ちこんじゃって。
ジュンブライト、言いすぎじゃない?

「あ、ごめん。そういうつもりで言ったんじゃなかったんだ……。」

「もういいですっ!私なんか……私なんかどーせ、お菓子作りの才能なんてないし、ヴァンパイア界一のパティシエになれっこないし、もう、人生がいやになってきました。来週のスイーツ大会には、もう出ません。」

あらら。プリンちゃん、すっかりネガティブになっちゃって。
ジュンブライト、空気を読みなさい。

「はい、すみませーん。」

「プリン様!あきらめてどーするんですかっ!まだまだこれからですよっ!さ、お菓子作りの練習をしましょう!あきらめたら、そこで試合終了ですよっ!」

って、そのセリフ、有名なバスケット漫画のセリフじゃんっ。

「王女様……はいっ!私、がんばりますっ!」

プリンちゃん、元気になったよぉ。
よかった。

「よし、それでいいですっ。」

マドレーヌちゃんは笑顔になった。


                                  ☆


「じゃあ、卵を3つ、割ってください。」

「こうですか?」

バキッ!

「あー!そんなに力を強く入れないで!こーやってするんですよっ。」

マドレーヌちゃんは、プリンちゃんに卵を割って見せた。

「うわぁ~、上手ですねぇ。」

「さぁ、早くやって!平らなところに卵をトントンとやって、割れ目のところから、卵を割るんですよっ。」

「は、はいっ。」

プリンちゃんは、卵を平らなところにトントンして、割れ目のところから、卵をパカッと割った。

「うわあ~。できましたよ、マドレーヌ様!」

「その調子で、次、やってくださいっ。」

「はいっ。」

二人の関係、師弟関係みたいになったねっ。

「あぁ。」

「あの子、絶対、パティシエになれそうね。」

プリンちゃんですか?

「プリンちゃんもそうだけど……マドレーヌにぴったりだわ。」

そうですね。
マドレーヌちゃん、昔から、スイーツが大好きだし。

「できましたぁ!私特製、どら焼きですぅ~!」

こ、今度は、上手く行ってそーよね。

「あ……あぁ。」

ジュンブライトはうなずくと、どら焼きをぱくりと食べた。

「どうですか?お味の方は。」

「う~ん、まあまあ。けど、さっきより、ずっとおいしくなったな!」

ジュンブライトは、ニカッと笑った。

「あ……ありがとうございますっ!」

プリンちゃんったら、感激しちゃって。

「さぁ、あと少しですよっ!大会まであと一週間ですから、それまで頑張りましょーう!」

「オー!」

プリンちゃんは拳を上げた。


                                    ☆
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