54 / 170
第1章
第二十二話 「マドレーヌ、手伝いますっ!」
しおりを挟む
「あー、もう恥ずかし~い!」
えー?ほめられてよかったじゃなーい。
「だ、だって、いちいち言われたって、うれしくもないし。」
「アハハハハ。マドレーヌちゃん、もうお年頃なんだね。」
ギロさんがティーカップを持ちながら、いすにすわった。
「ギ、ギロお兄様!」
あれぇ?顔が赤くなってるぅ~。
「なってませんっ!」
はい、すみません。
ん?マドレーヌちゃん、なにそれ。その腕時計みたいなの。
「腕時計じゃありませんっ!お化けウォッチですっ!」
えっ!?これが今ハヤリの!?
マドレーヌちゃん、ミーハーだねぇ。
「ミーハー?なんですか、それ。」
「ミーハーっていうのは、世の中の流行や芸能人の動静に熱中したり、影響を受けやすかったりするような人のことだよ。」
「へぇー。」
その腕時計……いやいや、お化けウォッチは、誰に買ってもらったの?
「ん?ウルフ一郎お兄様ですぅ~。」
ウルフ一郎さん!?
ジュンブライトとルアン様じゃなくて!?
「はい。」
「俺、あん時お金がなかったし、おじさんは仕事でいそがしいから買ってもらわなかったんだよ。そ・こ・で、一番ヒマそーなオオカミヤローにたのんだら、OKって言ってよぉ、買ってもらったんだ!」
へぇー。
てか、一番ヒマそーって、なんだか、言い方が……。
「それより、ウルフ一郎お兄様は、一体、どうしたんでしょう。」
「さあな。」
「たぶん、ヒマそーにしてるんじゃない?」
だからその言い方はやめてくださいっ!
ほんっと、ウルフ一郎さん、最近、姿見かけないねぇ。
どうしたんだろ。
「早く会って遊びたいですぅ~。」
そうだね。
「ま、マドレーヌの遊び相手は、いっつもあいつだしなぁ。一番ヒマそーだから。」
だから、その言い方はやめて!ウルフ一郎さんの代わりにツッコむけど!
☆
「ウルフ一郎。」
「はっ!ネル!」
「あたし、妊娠したんだ。」
「へぇー。で、それで?」
「……あたしとお前の子供。」
「や、やったぁ~!すぐにお祝いのパーティーを開こうぜ!」
「……お前のせいだ。」
「!?」
「お前のせいで、あたしの人生はムチャクチャになった。」
「そ、そんな!まってくれよ、ネル!」
「いやだ。さようなら。」
(さようなら、さようなら、さようなら、さようなら、さようなら……。)
「ネル~!」
「はっ!はぁ、はぁ、はぁ。なんだ、夢かぁ。」
(お前のせいで、あたしの人生はムチャクチャになった。)
「!?ぐ……!」
(……ネル……俺様を、ゆるしてくれ……。)
☆
ごちそう様でしたっ。
あー、おいしかったぁ~。
さあてと、お部屋に戻りましょうか。
「真莉亜お姉様、お部屋まで一緒に行きましょう。」
えぇ。お願いします、お姉ちゃん。
「そ、そんな!もう、照れるじゃないですかぁ。」
うふふふふ。顔、赤くなってる。
私とマドレーヌちゃんは、手をつないで行った。
「マドレーヌのやつ、けっこーかしこくなってんじゃねぇか。」
「えぇ。もう二度と、マドレーヌおばちゃんって言われないように、お手伝いをしてるんだってよ。」
「マドレーヌおばちゃん……?あー!思い出した!あいつ、道華にマドレーヌおばちゃんって言われてた!」
「道華ちゃん……なつかしいですねぇ。」
「あぁ。もし女の子だったら……また、会えるかもしれないな。」
「どうしたんですか?先輩。」
「あっ、いや、なんでもないっ。さあ、風呂に入ろう入ろーう!」
「ふっ、先輩らしいですね。俺もお風呂に入ろーっと。」
☆
カキカキカキ。カキカキカキ。
バタバタバタバタ!
「うわあ~!全部落ちちゃったぁ~!」
「早く直さないと……ん?あ……。」
「『ほい、やるよ。』」
「『うわぁ~。ウルフ一郎、上手だねぇ。』」
「『ま、ガキのころから、手先が器用だからな。』」
「『本当?』」
「『本当だってば!』」
「『ほら、似合う?』」
「『あぁ。似合う!すっごく似合う!』」
「『ありがとー。』」
「『いいえ。そのミサンガは、友達の証だ。』」
「『えっ……?それって、どういう意味?』」
「『だってギロは、俺様にとって、人間界で初めてできた、友達だからな。』」
「『ウルフ一郎……うん!俺も、ウルフ一郎は俺にとって、人間界で初めてできた、友達だよ!』」
「『ふっ、かわいらしいやつだなぁ。』」
「『えへへへへ。』」
(ウルフ一郎にミサンガ切れたことを報告するの、すっかり忘れてた……。)
(ウルフ一郎、今君はどこでなにをしてるんだい?)
(……なんか、嫌な予感がする……。)
えー?ほめられてよかったじゃなーい。
「だ、だって、いちいち言われたって、うれしくもないし。」
「アハハハハ。マドレーヌちゃん、もうお年頃なんだね。」
ギロさんがティーカップを持ちながら、いすにすわった。
「ギ、ギロお兄様!」
あれぇ?顔が赤くなってるぅ~。
「なってませんっ!」
はい、すみません。
ん?マドレーヌちゃん、なにそれ。その腕時計みたいなの。
「腕時計じゃありませんっ!お化けウォッチですっ!」
えっ!?これが今ハヤリの!?
マドレーヌちゃん、ミーハーだねぇ。
「ミーハー?なんですか、それ。」
「ミーハーっていうのは、世の中の流行や芸能人の動静に熱中したり、影響を受けやすかったりするような人のことだよ。」
「へぇー。」
その腕時計……いやいや、お化けウォッチは、誰に買ってもらったの?
「ん?ウルフ一郎お兄様ですぅ~。」
ウルフ一郎さん!?
ジュンブライトとルアン様じゃなくて!?
「はい。」
「俺、あん時お金がなかったし、おじさんは仕事でいそがしいから買ってもらわなかったんだよ。そ・こ・で、一番ヒマそーなオオカミヤローにたのんだら、OKって言ってよぉ、買ってもらったんだ!」
へぇー。
てか、一番ヒマそーって、なんだか、言い方が……。
「それより、ウルフ一郎お兄様は、一体、どうしたんでしょう。」
「さあな。」
「たぶん、ヒマそーにしてるんじゃない?」
だからその言い方はやめてくださいっ!
ほんっと、ウルフ一郎さん、最近、姿見かけないねぇ。
どうしたんだろ。
「早く会って遊びたいですぅ~。」
そうだね。
「ま、マドレーヌの遊び相手は、いっつもあいつだしなぁ。一番ヒマそーだから。」
だから、その言い方はやめて!ウルフ一郎さんの代わりにツッコむけど!
☆
「ウルフ一郎。」
「はっ!ネル!」
「あたし、妊娠したんだ。」
「へぇー。で、それで?」
「……あたしとお前の子供。」
「や、やったぁ~!すぐにお祝いのパーティーを開こうぜ!」
「……お前のせいだ。」
「!?」
「お前のせいで、あたしの人生はムチャクチャになった。」
「そ、そんな!まってくれよ、ネル!」
「いやだ。さようなら。」
(さようなら、さようなら、さようなら、さようなら、さようなら……。)
「ネル~!」
「はっ!はぁ、はぁ、はぁ。なんだ、夢かぁ。」
(お前のせいで、あたしの人生はムチャクチャになった。)
「!?ぐ……!」
(……ネル……俺様を、ゆるしてくれ……。)
☆
ごちそう様でしたっ。
あー、おいしかったぁ~。
さあてと、お部屋に戻りましょうか。
「真莉亜お姉様、お部屋まで一緒に行きましょう。」
えぇ。お願いします、お姉ちゃん。
「そ、そんな!もう、照れるじゃないですかぁ。」
うふふふふ。顔、赤くなってる。
私とマドレーヌちゃんは、手をつないで行った。
「マドレーヌのやつ、けっこーかしこくなってんじゃねぇか。」
「えぇ。もう二度と、マドレーヌおばちゃんって言われないように、お手伝いをしてるんだってよ。」
「マドレーヌおばちゃん……?あー!思い出した!あいつ、道華にマドレーヌおばちゃんって言われてた!」
「道華ちゃん……なつかしいですねぇ。」
「あぁ。もし女の子だったら……また、会えるかもしれないな。」
「どうしたんですか?先輩。」
「あっ、いや、なんでもないっ。さあ、風呂に入ろう入ろーう!」
「ふっ、先輩らしいですね。俺もお風呂に入ろーっと。」
☆
カキカキカキ。カキカキカキ。
バタバタバタバタ!
「うわあ~!全部落ちちゃったぁ~!」
「早く直さないと……ん?あ……。」
「『ほい、やるよ。』」
「『うわぁ~。ウルフ一郎、上手だねぇ。』」
「『ま、ガキのころから、手先が器用だからな。』」
「『本当?』」
「『本当だってば!』」
「『ほら、似合う?』」
「『あぁ。似合う!すっごく似合う!』」
「『ありがとー。』」
「『いいえ。そのミサンガは、友達の証だ。』」
「『えっ……?それって、どういう意味?』」
「『だってギロは、俺様にとって、人間界で初めてできた、友達だからな。』」
「『ウルフ一郎……うん!俺も、ウルフ一郎は俺にとって、人間界で初めてできた、友達だよ!』」
「『ふっ、かわいらしいやつだなぁ。』」
「『えへへへへ。』」
(ウルフ一郎にミサンガ切れたことを報告するの、すっかり忘れてた……。)
(ウルフ一郎、今君はどこでなにをしてるんだい?)
(……なんか、嫌な予感がする……。)
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!
田口夏乃子
恋愛
ヴァンパイア♡ラブセカンドシーズンスタート♪
真莉亜とジュンブライトは、ついにカップルになり、何事もなく、平和に過ごせる……かと思ったが、今度は2人の前に、なんと!未来からやってきた真莉亜とジュンブライトの子供、道華が現れた!
道華が未来からやってきた理由は、衝撃な理由で!?
さらにさらに!クリスの双子の妹や、リリアを知る、謎の女剣士、リリアの幼なじみの天然イケメン医者や、あのキャラも人間界にやってきて、満月荘は大騒ぎに!
ジュンブライトと静かな交際をしたいです……。
※小学校6年生の頃から書いていた小説の第2弾!amebaでも公開していて、ブログの方が結構進んでます(笑)
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヴァンパイア♡ラブ
田口夏乃子
恋愛
12歳の中学1年生、春間真莉亜は、人見知りで、新しい学校でも友達ができないでいた…。
学校の帰り道、謎のおばあさんからもらった不思議な鏡で、ヴァンパイアの王子が入っている棺を取り出し、唇にキスをすると……イケメンのヴァンパイア界の王子、ジュンブライトが生き返って……!?
人間の女の子✖ヴァンパイアの男
ファンタジーあり、恋愛ストーリーありのファンタジーラブストーリー!
※小学六年生から書いていた小説を、Amebaでも公開中で、ブログの方が物語進んでます(笑)
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる