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第1章

第十九話 「子供の洋服を買いに!」

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はぁ、はぁ。
あー、やっとベビー用品・ベビー服屋に着いたよぉ。
もう、あそこ、何階にあると思う?
11階だよ、11階!
妊婦の私にとって、とてもきつかったです。
一個一個、休憩とか取ったし。
エレベーター、使えばよかったのにと思ったでしょ?
エレベーターはなんと、満杯で無理!入れない!
だから、エスカレーターで登って行ったんですぅ!
さすがは大都会。東京には負けていません。

「すみませーん。」

ジュンブライトは、レジにいるお店の人のところへ行った。

「はい?」

「ベビー用品と、ベビー服を買いに来たんですけどぉ……。」

「まあ!ヴァンパイア界の王子に、お妃様!?」

「えぇっ!?」

あらまあ。お店の人とお客さんは、騒ぎ始めました。

「ったく、こーなると思ってたよ。」

「では、私がご案内します。」

「いや、あたしよ!」

「私がジュンブライト様を案内するの!」

「私!」

「あたし!」

「私!」

「あたし!」

あのう、そこまで争う必要、ないんじゃないでしょうか。

「あなたはだまってて!」

は、はい。

「仕方ないですねぇ。わたくしがご案内します。」

黒いスーツを着た男の人か、現れた。

「そ、そんなぁ~。」

「ガーン。」

あらら。女の人二人は、すっごく落ちこんでいます。
相当、案内したかったんだね。


「さ、どうぞこちらへ。」

私達は男の人に着いて行った。

「こちらになります。」

うわぁ~。いっぱいかわいいのがあるぅ~!

「おい、見ろ真莉亜!はちの洋服があるぞ!」

あ、本当だ~。
犬と猫とうさぎのもあるぅ~。
ん?この服、どっかで見たことあるような……あ!

「ジュンブライト、来て!」 

「なんだ?」

じゃーん!この服、誰の服だと思う?

「え……?お、俺が2年前、着てた服……?」

ピンポ~ン♪

「はぁ!?なんでこんなのがあるんだよぉ!」

「実はぁ、王子が着ていた服を販売して欲しいというご希望があったのでぇ、写真を見ながら、つくりましたぁ。」

「人の服をベビー用品化にしてどーする!」

「そしてなんと、一日で売れましたぁ~。」

ねぇジュンブライト、買おーよぉ~。

「やだ。遠慮する!」

え~?
じゃあ仕方ない。もういいや。
私は服を元の場所に戻した。

「これなんかどーだ?」

ん?あ、かわいい~♡
ピンクのベビー服♡

「ところで、男の子ですか?女の子ですか?」

「俺もわかんねぇんだよぉ。真莉亜、教えてくれ。」

え~?そ・れ・は、産まれて来てからの、ひ・み・つ♡
私はかわいくウインクをした。

「え~?教えてくれよぉ。」

……本当は、女の子だけどね。
ジュンブライト以外のみんなは知っている。
ジュンブライトには、ナイショにしてるんです♡びっくりするだろうなぁ~?と思って。
サプライズってやつです。

「ったく、いじわるなんだから!」

ジュンブライトったら、ほっぺをふくらましちゃって。

「いじわるで悪かったね、いじわるで!」

ジュンブライト、ごめんね。
本当はこんなこと、言いたくなかったのに……。

「新生児用にも似たような肌着がありますよ!」

そうなんですか!?ジュンブライト、行こっ!

「お……おう!」

ジュンブライト、笑顔に戻ってる!

「じゃあ、これ買いますっ!」

「毎度、ありがとうございますっ!」

私は店員さんに、ベビー服を渡した。

「さあ、どんどん買おう!」

「お……おう。」

ジュンブライトはうなずいた。


                                 ☆


えっとぉ、おむつおむつ……あ、あった!
私はおむつを、カートのかごに入れた。

「……おい、そんなにいっぱい、買うのかよぉ。」

あったり前でしょ?

「ベッドとかどーすんだよぉ。」

ベッド?あー!ベッドのことを忘れてたー!

「バカかお前はーっ!」

バカじゃありませーん!
あぁ。もう買うお金、買いそうにありません。

「俺がたのんでやるよ。」

えっ?誰に?

「こぶた三兄弟にさぁ!やつらなら、きっとうまくつくれるぜっ!」

ジュンブライト、こぶた三兄弟さん達の連絡先、持ってるんだね。

「さあ、早く買って帰るぞぉ!」

うん!

「そして、夕食まで帰るぞぉ!」

がくっ。そこですかっ。


                              ☆


私達は、お城へ電車で向かっていた。
楽しかったねぇ、今日は。

「ああ。」

ジュンブライトは、ニカッと笑った。

「駅でおじさんが迎えに来てるから、残りの荷物はおじさんに頼もうぜ!」

うん、そうだね。
今日はあっという間だったなぁ。
また、行きたいなぁ。
……この子を連れて行きたいなぁ。
私はほほえみながら、お腹をさわった。
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