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第1章

第一話 「結婚式は中止!?」

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私は更衣室で、ウエディングドレスに着替えていた。
 
「よく似合ってますよ、真莉亜様。」
 
「王子はなんておっしゃるでしょうね。」
 
さぁ。きっと、驚くでしょう。
 
「うふふふふ。」
 
「王子らしいですね。」
 
はい。
 
「さぁ、口紅を付けましょう。」
 
「そして、レールを付けたら、完成ですわ。」
 
あ、はいっ。
だんだん、花嫁らしく、なってくぞぉ~。
 
 

 
 
ん~。なんか、かっこいいなぁ~。
親父が着ていた、結婚式のスーツ。
 
「だろ?」
 
「すっごく、似合ってるぞ。」
 
えへへへへ。ありがとう。
親父、大丈夫か?ぎっくり腰。
 
「あんまり、歩けないようだ。」
 
こ―んな大事な日にぎっくり腰とは、親父、もう歳だな、ニヒニヒニヒニヒ。
 
「くおうら!父親をバカにするのも、ほどほどにしろ・・・・・・いてててて!」
 
「兄さん、あんまり立ったらだめだよ!」
 
「く~!痛みが全くおさまらん!」
 
アハハハハ。
 
「笑うなっ!」
 
はい、すみません。
 
「真莉亜んとこ、行って来る。」
 
「はい。気を付けて行ってくださいませ。」
 
 

 
 
「うわぁ。」
 
「きれいですよ、真莉亜様!」
 
うわぁ~。
これが、私?
私・・・・・・花嫁さんになるんだぁ。
早いなぁ。
 
「真莉亜お姉様!とっても、おきれいですよっ!」
 
ありがとう、マドレーヌちゃん。
 
「真莉亜、とっても輝いてるわよ。」
 
リリアさんも。ありがとうございます。
 
「お母さん、どう?」
 
私はお母さんの方を振り返った。
 
「な、なんて言ったらいいか・・・・・・ゔぅ!」
 
もう、お母さんったらぁ。泣いちゃって。
 
「ほら、ハンカチ。」
 
「ありがとう!」
 
お母さんはピンクのハンカチで、鼻をかんだ。
ガチャッ。
ん?誰か来た?
 
「真莉亜。」
 
その声は・・・・・・。
 
「ジュンブライト!」
 
私が立ち上がって、後ろを振り向くと、ジュンブライトは、口をポカーンと開けて、かたまった。
 
「あ、あれぇ?部屋、まちがえたかなぁ~?」
 
くおうら!部屋を出て行こうとするなっ!
 
「えっ?真莉亜なのか?」
 
うん。
 
「本当に、真莉亜なのか?」
 
うん。
 
「本当の本当に、真莉亜なのか!?」
 
うん。そうだよ。
 
「真莉亜~!」
 
ちょっ・・・・・・だきしめないでよぉ、急に!
 
「あ、ごめん。」
 
ジュンブライトは、私から離れた。
 
「かわいいな。」
 
ありがとう。
 
「いつもより、な。」
 
い・・・・・・いつもよりって、なによぉ!
 
「アハハハハ!ごめん、ごめん。」
 
もう、笑わないでよぉ!
・・・・・・ジュンブライト。
 
「なんだ?」
 
「私、あなたの妻になるよね。」
 
「あぁ。不満か?」
 
ううん、不満じゃない。
 
「うれしい。とてもうれしい。私、こんな喜びを感じたの、初めてだよ。ありがとう。私をしあわせにしてくれて。これからも、私をいっぱいに、しあわせにしてね。」
 
私は優しくほほえんだ。
 
「真莉亜・・・・・・。俺もうれしい。お前の旦那さんになるなんて。超~うれしい。これからも、よろしくな。」
 
ジュンブライトも、優しくほほえんだ。
ジュンブライト・・・・・・。
すると、ガチャッとドアが開いた。
 
「王子、そろそろ準備を。」
 
「おう!じゃ、真莉亜。またな。」
 
うん。またね、ジュンブライト。
私はジュンブライトに手を振った。
ジュンブライトは私に手を振りながら、部屋を出て行っちゃった。
と、その時。またルクトさんがドアを開けた。
 
「真莉亜様も、ご一緒に。」
 
あ、はーい。
 
「じゃあね、みんな。行って来るねっ。」
 
私はみんなに向かって、ウインクをした。
 
「いってらっしゃい、真莉亜。」
 
「いってきます。」
 
「お姉ちゃん、がんばって!」
 
うん!
私はみんなに手を振りながら、部屋を出て行った。
 
 
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