ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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番外編 マドレーヌの同級生がやって来た!

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どうしたんだ。俺をバルコニーに連れて。

「話したいことがあるから。」

話したいこと?なんだそれ。

「……私、あなたのことが、好きになったみたい。」

なーんだ。俺のことが好きになったのかぁ……って。

「えぇ~!?」

「大きな声、出さないで!」

ご、ごめん。てかお前、「恋には興味がない。」って、言ってたよな。

「えぇ。でも、あなたに出会って、胸がドキドキしたの。こんな気持ち、初めてだから。お願い!私とつきあって!」

「レーナ。」

「なに?」

「俺、両想いしている人がいるんだ。」

「えぇ!?」

その人はなんと、人間なんだ。

「人間!?そんな!ヴァンパイアと人間の恋なんて、おかしいわ!」

そう思うだろ?でも、俺はおかしくないと思うんだ。

「なんで?」

「だって、その人を愛しているから。」

「じゃあ、私とはつきあえないってこと?」

あぁ。ごめん。

「そんな……。」

レーナががっかりしている。

「レーナ。」

俺が呼ぶと、レーナは顔を上げた。

「いつか、お前を愛してくれる人が見つかるといいな。」

俺はニカッと笑うと、その場を去った。


                            ☆


「レーナちゃん達、笑顔で帰りましたよ。」

そうかぁ~。それはよかったなぁ~。
あっ、マドレーヌ。エースが出てるぞ。

「本当ですか!?」

マドレーヌが目をキラキラさせながら、テレビの前に立った。

「相変わらず、かっこいいです~♡」

ふぅ~。おじさんにバレずにアラバスタ編を借りて、よかったぜ~。
ブチッ。

「あ。」

「あ。」

あれ?テレビ、こわれたのかなぁ~?

「え~?」

ま、まさか……。

「ジュ~ン~ブ~ラ~イ~トぉ~。」

その声は……。

「おじさん!」

なんで、リモコンを持ってんだよ!

「お父様!ひどいですぅ~。せっかくいいシーンだったのにぃ~!」

「マドレーヌ。こういう男を好きになったらいけないよ。」

ま~た、じゃましおって~。

「ジュンブライト。私に内緒で、『ONEP〇ECE』を借りるなんて、ゆるさんぞ。」

「ゴムゴムのぉ~、バズーカぁぁぁぁぁ!」

「うわぁ~!」

おじさんは、空の果てまで、飛んで行っちゃった。
よし、マドレーヌ。テレビ、付けていいぞ。

「はいっ。」

マドレーヌがテレビを付けると、愛しのエース様がうつっていた。

「〇ース様ぁ~、私のおむこさんになってくださぁ~い♡」

現実を見ろ、現実を。

「俺と〇ース、どっちがかっこいいと思う?」

「もっちろん、エース様で~す♡」

がくっ。
アニメキャラに負けるなんて、がっかりだぜ!
ブチッ。

「あー!ジュンブライトお兄様!消さないでください!」

「別にいいじゃねぇか。」

「よくありませんっ。」

「こうら、ジュンブライト!マドレーヌを泣かすな!」

「げ!いつの間に戻って来たんだよ!」
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