ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

文字の大きさ
111 / 138

第五十話 「奇跡の勇者!その名はゴッド・リン!」

しおりを挟む
「ねぇノア様、ゴッド・リン様ってどんな人ですか?」

私も気になりますっ。

「俺も。」

「わたくしも。」

「私も。」

「俺も。」

「あたしも。」

紅葉は知ってるんだよね。ゴッド・リン様のこと。
そのとたん、紅葉が首を左右に振った。

「ごめんなさい。私、奇跡の勇者って呼ばれたことしか知らないの。」

そうなんだ。

「ノア様、私もゴッド・リン様はどんな人なのか、知りたいです!教えてください。」

紅葉がノア様の前でおしぎをすると、ノア様がにっこり笑った。

「わかったわ。歩きながら話をするわ。ゴッド・リン様は、2000年前にいた、勇者よ。」

へぇー。ていうことは、ノア様が生まれるずっと前にいた人なんだぁ。
ということは、私の予想通り、ノア様よりえらい人だったんだぁ。

「そうよ。ゴッド・リン様は、おとぎの国のお姫様だったんだけど、5歳のころから剣力を学び、真莉亜と紅葉と同じ歳に、一人で旅に出たわ。」

へぇー。ゴッド・リン様って、そんなにかっこよかったんだぁ。

「『ベルサいぬのばら』みたいな生き方してたのか?」

「いいえ。ゴッド・リン様は男として生きていくタイプじゃなかったわ。女心を捨てることができず、ちゃんと女として生きていたわ。」

なんか、かっこいい~♡

「しかし・・・・・・15歳になった時、自分のふるさとに、悪い魔女が来たって知らせが来て、ゴッド・リン様は急いでおとぎの国に帰ったわ。」

「そんなにふるさとが大好きだったんですかぁ。」

「えぇ。帰ると、魔界からやって来た魔女達が、ゴッド・リン様に、次々襲いかかったわ。」

あ!2000年前って、魔女が生まれた年だから、魔女がおとぎの国を支配しようとしたんだぁ!

「えぇ。ゴッド・リン様はたくさんの魔女をたおして、死刑を実行したわ。その後、ゴッド・リン様はふるさとに残ろうとしたわ。けれど、その一年後、生き残った魔女が、ゴッド・リン様の前に現れたの。」

「それが、お妃ね。」

「そう。お妃は死刑された仲間の敵をうとうという気持ちがあふれてきて、ゴッド・リン様を殺したわ。」

えぇ!?

「その三日後、奇跡が起きたの。」

奇跡?

「ゴッド・リン様が生き返ったの。」

えぇ!?ジュンブライトみたーい。

「でもその五日後、ゴッド・リン様はまた死んだの。」

えぇ!?また死んだの!?なんで!?

「病気で。ゴッド・リン様の骨は、洞窟の中にうめられたわ。その後、ゴッド・リン様は一回、生き返ったから、奇跡の勇者って呼ばれたわ。」

だから、ここの洞窟は、『奇跡の洞窟』というんだぁ。

「えぇ。もうすぐ、ゴッド・リン様のお墓に着くわ。」

「おい。ゴッド・リン様のところに行って、なにをするんだ。」

私も気になります。

「ゴッド・リン様の力をお借りするようにたのむの。」

「なんで力をお借りするんですか?」

マドレーヌちゃん、いいところに気付いたねぇ。

「お妃をたおすためよ。ゴッド・リン様は、私よりすごい力を持っているからよ。」

ていうことは、魔界は絶滅するってこと!?

「その通りよ。」

私の方を振り向きながら、ノア様は微笑んだ。

「なぁ。さっさと行こうぜ!」

ジュンブライト、わがまま言ったらだめだよ。

「よーし!ランプの精にたのんで、瞬間移動をしてもらうぜ!」

あ・・・・・・。ジュンブライト、それは・・・・・・。

「なんだよ。」

い、いや。なんでもないです。

「ならいただくぜ!」

ジュンブライトがランプを取って、「二ヒ二ヒ。」と笑いながら、ランプをこすった。
でも、ランプの精さんはなかなか出てこない。

「あれ?おかしいなぁ。」

ジュンブライトがじろじろと、ランプを見つめた。

「もしかして、寝ているのか?」

ジュンブライト、あのね、実は・・・・・・。

「なんだよ。さっきから様子がおかしいぞ。」

・・・・・・もう、三つ目の願いを叶えたから、出てこないよ。

「なーんだ。だったら最初っから言えばいいのに・・・・・・。って、なんだとぉ!?」

す、すみませ~ん。

「お前、本当にバカだなぁ。こんのぉ~!自分勝手に願いを叶えるなぁ!」

ジュンブライトが、怒りながら走り出した。
ひぇ~!真っ暗だから、前が見えないよぉ~!
バサバサッ!
ひぃぃぃぃぃ!コウモリ~!
ドッ!

「キャッ!」

いてててて・・・・・・。おでこ、打っちゃったよぉ。
てか、ここどこ?暗くてよくわからなーい。
あっ。ガーナさんからもらったマッチ、使おうっかな?
私はポケットから、ガーナさんからもらったマッチを取り出した。
シュッ。
火をつけると、目の前には大きくて、石でできた墓があった。
けっこう、古いお墓だねぇ。ん?
お墓になんか書いてあるぞ。しかも、ほってあるし。
私がお墓をじーっと見ると・・・・・・。

『ゴッド・リン 西暦十三年~二十八年』

あー!これって、ゴッド・リン様の墓じゃん!

「おーい!みんなぁ、ゴッド・リン様のお墓、見つけたよぉ。」

「なんだとぉ!?」

ほら、見て。名前と生まれた年と死んだ年を!

「本当だわ。このお墓は、間違いなく、ゴッド・リン様のお墓よ。」

やっぱり!おいのりしましょう!

「おいのりするために来たんじゃないわ。力をお借りするために来たのよ。」

そ、そうでした・・・・・・。

「どうやって、ゴッド・リン様を呼び出すんですか!?」

「いい質問ね。マドレーヌ。ゴッド・リン様を呼び出すには、この、ゴッド・ストーンを使うの。」

ノア様が、羽の形をした、白い石を取り出した。

「ゴッドストーンを、お墓にはめるの。」

あっ、お墓の真ん中に、羽の形をした穴がある!

「そうしたら、ゴッド・リン様が出てくるわ。」

へぇー。

「なぁ、早く呼び出せよ。」

「ジュンブライト、わがまま言ったらだめだぞ。」

「そうだよ。ノア様に失礼だよ。」

「・・・・・わかった。」

「じゃあ、行くわね。」

笑顔でノア様が、ゴッド・リン様が、ゴッドストーンをはめた、その時!
ピカーッ!
ゴッド・リン様のお墓が光り始めた。

「ま、まぶしい・・・・・・。」

これって、まさか・・・・・・。と、その時。光が光り終わった。

「そなたは誰だ。」

ものすごく低い声が聞こえた。
前を見ると、髪の色は青くて、髪型は長いポニーテールで、目の色は青色で、鎧を着た女の子が現れた。

ま、まさか、この人!

「ゴッド・リン様?」

「いかにも。」

やっぱり!うなずいてるし、胸には『G』のイニシャルが付いてるもん!

「ところで、そなたは誰だ。」

「私は、おとぎの国の女神、ノアというもので・・・・・・。」

「そなたじゃない。となりにいる娘に聞いてるんだ。」

え?わ、私?

「そうだ。」

ゴッド・リン様が、笑顔でうなずいた。

「私は、人間界からやって来た、春間真莉亜です。」

「春間真莉亜か・・・・・・。」

「ゴッド・リン様、真莉亜お姉様をきにいったみたいですね。」

「あぁ。ノア様の話を聞かなかったしな。」

「意外だわ。ゴッド・リン様が、真莉亜に夢中になってるの。」

「きっと、真莉亜になにか感じるのよ。」

「え!?」

一体、みんな、なに話してるんだろ。

「で、なにしに来たんだ。」

あっ。実は、その・・・・・・。

「ゴッド・リン様の力をお借りしたいんですけど。」

ノア様が、私の耳元でささやいた。

「あっ、実は、ゴッド・リン様の力をお借りしたいんですけど・・・・・・。」

「私の力を?なぜだ?」

ひぃぃぃぃぃ!こ、こわ~い目で、にらまれたよぉ。

「そなた、人間界から来たって、言ったな。人間界でなにかあったのか?」

そ、その・・・・・・。

「言えないのか?」

い、いえ・・・・・・。

「人間界でなにかあったのかと聞いているんだぞ。」

「じ、実は・・・・・・。」

私は思い切って、今までのことを全部話した。

「ですからゴッド・リン様、お願いですっ。あなたの力が必要なのですっ。どうか、力をお借りしていただきませんか?」

「・・・・・・。」

それから、ゴッド・リン様は黙りこんだ。

「だめだ。」

「えぇ!?」

「なんでだめなんですか!?」

「今の私の力じゃ、お妃に勝てん。」

そ、そんな・・・・・・。

「生きていたころは、お妃よりあったが、今はその逆。死んでから、力はお妃の方がたくさんある。」

じゃあ、ゴッド・リン様の力では、勝てないっていう意味なんですか!?

「そういうことになる。」

バン、バン!
ジュンブライトが、涙を流しながら、壁にパンチしている。

「ちくしょー!せっかく、ここまで来たのによぉ!人間界を二度と救えないのかよぉ!そんなの、いやだぜ!いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!」

「王子、落ち着いて・・・・・・。」

「落ち着いてられっか!」

ジュンブライト・・・・・・。

「ゴッド・リン様、なんとかしてくれますか?」

「・・・・・・。」

また、黙りこんでる・・・・・・。

「あなたの力が必要なのです。お願いします。このままほおっておくと、人間界が危ないです。お願いします。」

「そなたの考えがあますぎる。」

え?

「『人間界が危ない。』それはあたり前のことだ。もっと人間界のことを考えて言ってみないか。例えばそう、未来とか。」

未来?

「あぁ。」

と、ゴッド・リン様がうなずいた。
未来・・・・・・。私は将来の夢とかまだ決まってないけど、未来はたくさんある。そう、みんながにぎやかで暮らせる未来を。
それと、結婚したいし、子供も欲しいし、いい仕事を見つけたい。
それが、私の未来です!

「・・・・・・ふっ、そなたらしいな。」

ゴッド・リン様が笑った・・・・・・。
それからゴッド・リン様は、私達をじーっと見つめた。

「みなのもの!私に力をくれっ!」

えぇ!?てことは・・・・・・。

「協力する。」

本当ですか!?やったー!

「よかったね、ジュンブライト。」

「あぁ。」

「で、どうやって力をやるんですか?」

「それはな、この石を、手にかざすんだ。あと真莉亜、マッチの箱を私の前におけ。」

あっ、はい。
えーっと、マッチの箱をお墓の前においてっと。

「一人ずつ、墓の真ん中にある石にてをかざすんだ。順番は、誰からでもいい。」

「じゃあ、あたしから行く。」

テレサさんが、墓の方に向かって、石に手をかざした。

「次は俺が行く。」

アルマさんが、墓の方に向かって、石に手をかざした。

「次は私が行くわ。」

ノア様が、墓の方に向かって、石に手をかざした。

「私も行くわ。」

リリアさんが、墓の方に向かって、石に手をかざした。

「では、わたくしも。」

ルクトさんが、墓の方に向かって、石に手をかざした。

「私も行きます!」

マドレーヌちゃんが、墓の方に向かって、石に手をかざした。

「俺も行くぜ!」

ジュンブライトが、墓の方に向かって、石に手をかざして、私の方を振り向いた。

「真莉亜!」

「うんっ!」

最後に私が、墓の方に向かって、石に手をかざした。
その時。
ピカーッ!
まぶしい光が光り始めた。
ま、まぶしい・・・・・・。
そして、光が光り終わった後、墓の前に魔法のコンパクトみたいなのがおいてあった。
これって・・・・・・。

「『ゴッドコンパクトだ。』」

その声は・・・・・・。

「ゴッド・リン様!てか、ゴッドコンパクトって、なんですか?」

「『変身アイテムだ。必要な時に使え。』」

まるで、プリキュアみたい・・・・・。でも、マッチは・・・・・・。

「『コンパクトを使ってからのお楽しみだ。』」

そ、そんなぁ。

「さぁ、早く魔界に行くわよ。」

はいっ。





真っ赤な空に、黒い雲。さらに、鬼が島みたいな山があって、赤い海がキラキラ輝いている。

「ここが、魔界よ。」

「橋があるから、渡りましょう。」

うんっ。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...