ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第四十八話 「涙の再会!真莉亜とジュンブライト!」

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ふぅ。
なんとか無事に、20個、とれましたぁ。

「真莉亜、おまたせっ。」

あっ、紅葉。
紅葉、たっくさん、とれたみたいだねっ。
ん?ハートの形と、星の形をした木の実があるけど、なんていう木の実なの?

「あっ、これは、ハートの実で、食べると心がポカポカするの。で、この木の実は、スターの実で、食べると流れ星が見えるの。」

へぇー。で、この木の実をどうするの?

「隠し味に入れるの。」

隠し味に?

「えぇ。」

紅葉って、木の実にくわしいんだね。

「小さいころに、お姉ちゃんがおやつの時に、よく、つくってたから。今みたいにくわしくなったのよ。」

白雪姫さんって、優しいんだね。

「えぇ。」

うらやましいなぁ~。
だって私、妹がいて、世話をするのがとっても、大変なんだよ。

「真莉亜って、妹がいたんだっけ・・・・・・。」

「うん。私、白雪姫さんみたいなお姉さんが、欲しかったなぁ。」

「ここにいるじゃないの。」

え?

「真莉亜、あなたよ。」

わ、私?なんで?

「だって、私がクレインで、人間界に来た時、琉理ちゃんに宿題を教えたり、琉理ちゃんの相談にのってくれたりしていて、私のお姉ちゃんみたいだなぁって、思ったんだもの。」

白雪姫さんのこと、そんなに好きなんだ。

「えぇ。とっても。大好きよ。」

ねぇ、早くケーキをつくって、白雪姫さんのことを話してよ。

「わかったわ。じゃあ、手伝ってくれる?」

うん!





「へぇー、そんなことがあったんだぁ。」

「えぇ。お姉ちゃんはすっごくおバカで、いっつもテストの点数が悪かったのよ。特に、お姉ちゃんは漢字が苦手で、『道』を『未知』って、書いたのよ。」

漢字の間違いレベルが、『黒魔女さんが通る!!』に出てくる、紫苑メグみたーい・・・・・・。

「それに、『聖火』を『生花』って、書いたのよ。」

白雪姫さんは、そんなに漢字が苦手なんだぁ。

「もう、二十五歳という若さなのに、まだ漢字が苦手なのよ。」

白雪姫さんって、二十五歳なんだぁ。

「そうよ。あっ、漢字が苦手なお姉ちゃんは、実は、まんがのキャラの名前の漢字を間違えるの。」

へぇー。

「お姉ちゃん、こう見えてまんがが大好きなのよ。」


へぇー。
それより、このムーンの実のケーキ、おいしいね。
スターの実のすっぱい味が残ってるし、まるで、レモンのケーキみたーい。

「でしょ?真莉亜がつくったムーンの実の紅茶も、おいしいわ。」

えへへへへ。ルクトさんがつくっているのを、何回も見たことあるから、隠し味にハートの実を入れたんだ。
ムーンの実のパイも、おいしいね。

「ありがとう。」

紅葉、今、笑ったよね?

「えぇ。それがどうしたの?」

私、紅葉の笑顔、初めて見たよ!

「そ、そう?」

うん!
紅葉がまた、満面な笑顔で笑った。
それにつられて、私も満面な笑顔で笑った。





もう、夜は遅いから、私達は森の中でねることにした。

「ホー、ホー。」

ひぃぃぃぃ!
なんだぁ、ふくろうかぁ。

「カー、カー。」

ひぃぃぃぃぃ!またからす!?
バサッ!
ひぃぃぃぃ!また鳥!?

「カー、カー。」

「ホー、ホー。」
バサッ!

「カー、カー。」

「ホー、ホー。」

バサッ!

「カー、カー。」

「ホー、ホー。」

バサッ!
もう!だんだん、ねむれなくなるんじゃないの!
こうなったら、紅葉と一緒にねよっ。

「ねぇ紅葉、一緒にねない?一人でねると、こわくってさ。私、こう見えて、こわがりなんだ。」

そのとたん、紅葉がすくっと起き上がった。

「いいわよ。全く、真莉亜のお世話係じゃないのよ、私。」

ありがとー!では、早速、一緒にねさせてもらいまーす。

「・・・・・・会えるといいわね。」

え?

「会えるといいわね。」

誰に?

「ジュンブライト達に。」

紅葉が初めてジュンブライトを、名前で呼んだ・・・・・・。

「あたり前じゃない。だって私、もうクレインじゃないんだから。」

紅葉・・・・・・。

「お妃をたおして、必ず人間界を元に戻して、クリスと一緒に、人間界に行きましょう。」

うん!


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