ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第四十話 「最後の石!こぶた三兄弟VSオオカミ三兄弟?」

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「ただいまより、結婚式を行う」

リリアさん達、さっきまでいたのに、いないなぁ。
一体、どこに行ったんだろ。

「おい、ボーとすんな!」

ひぃぃぃぃぃぃ!

「では、誓いのキスを。」

えぇぇぇぇぇぇぇー!?

「真莉亜ちゃん、照れてんの?」

ち、ちがいます!
って、ウルフ一郎さん!チャベル外すの、早いですぅ!

「んー。」

き、気持ち悪い・・・・・・。

「ウルフ一郎兄貴、いっけぇ!」

「んー。」

だんだん、唇の距離が短くなってくるぅ。
た、助けてぇ!

「ニャッ!」

「う、うわぁ!」

黒い猫が、ウルフ一郎さんの顔に飛びついてきた。

「いてててて・・・・・・う、うわぁ!ね、猫にヴァンパイアキャットだぁぁぁ!」

ヴァンパイアキャット?

「真莉亜、助けに来たわよ。」

リリアさんっ。
その黒い猫、リリアさんのお友達ですか?

「もう、忘れたの?」

う、うわぁ!ね、猫がしゃべったぁ!
と、思ったら、黒い猫がボンっと、人間の女の子に変わった。

「久しぶりね、春間真莉亜!」

その、キュアドリーム風の髪型は・・・・・・。

「ク、クリスさん!」

な、なんでいるんですか!?

「あんたを助けに来たに決まってんじゃん。」

「おら達も、助けに来ただ!」

その、イ〇シとノ〇シっぽいしゃべり方は・・・・・・。
ブタ一郎さん、ブタ次郎さん、ブタ三郎さんっ。

「こぶたちゃんだとぉ!?」

「オオカミ三兄弟!あんたらの好きにはさせないニャー!」

クリスさんの顔が、猫顔へ変わった。

「ひぃぃぃぃぃぃ!ね、猫苦手~!」

三匹そろって、ビクビクおびえている。

「オオカミ三兄弟!さっさとおとぎの国に帰るだよ!」

「わ、わ、わかったから、か、か、帰ってやるよ!お、お、おい、お前ら、帰るぞ!」

「は、はい~!」

あわてながら、オオカミ三兄弟さん達は帰っちゃった。
クリスさん、一体、誰から、私を助けてって、言われたんですか?
 ・ ・ ・ ・
「あのお方に、言われたのよ。」
・ ・ ・ ・
あのお方?

「真莉亜!」

その声は・・・・・・。

「ジュ、ジュンブライト!」

私は、ジュンブライトの方に走って、だきついた。
ありがとう、助けてくれて。

「無事でなによりだ。」

「真莉亜お姉様ー!」

マドレーヌちゃん!

「真莉亜様ー!」

ルクトさん・・・・・・。
うれしくて、涙が出そうだよ。
クリスさん、助けてくれて、ありがとう・・・・・・あれ?
クリスさん、さっきまでいたのに、いない・・・・・・。

「春間真莉亜、ジュンブライト様をちゃーんと、大切にしなさいよっ。」

「あいつ、もう帰ったかもしれねぇなぁ。」

え?帰っちゃったの?

「あぁ。猫族に帰るって、言ってたなぁ。」

そんな・・・・・・。仲良くしようと思ったのに・・・・・・。

「真莉亜さん。」

どうしたんですか?ブタ一郎さん。

「石を・・・・・・返してくれねぇか?」

え?帰るんですか?

「あぁ。クリスさんが言ってただ。「自分のふるさとに帰るのが一番なんだ。」って。」

「クリスがそう、いいこと言うなんて、めずらしいわねぇ。」

確かに。そうです。
今回のクリスさん、なんか様子がおかしかったなぁ~。
どうしたんだろ。

「わかりました。返します。」

私が、ブタ一郎さんに石をあげた、その時。
ピカーッ!
まぶしい光が光り始めた。
そして、光が光り終わった後、3匹のこぶたさん達の首元には、茶色いアクセサリーがあった。

「ありがとうございました。」

「また、人間界に来て、いいだか?」

もちろん。

「やったぁ!じゃあ、さようなら!」

3匹は、私達に手を振りながら、スッと消えていっちゃった。

「最後の石、見つけたわ。」

リリアさんが、レンガの家の形をした、茶色い石を見つけた。

「さ、真莉亜様。ファンタジーポーチを。」

あ、はいっ。
私は急いで、ファンタジーポーチを出して、それから、中を開けた。
はぁ。なつかしいなぁ。シンデレラさんに、マッチ売りの少女さんに、長ぐつをはいたねこに、美女と野獣さんに、ピーター・パンさんに、おやゆび姫さん。
私達って、6人のおとぎの国の住人さん達に、6個の感謝を言われたんだね。

『ありがとうございます。このご恩は一生忘れません。』

『真莉亜さん達、ありがとうございました。』

『ありがとうございますだニャー!』

『真莉亜さん、ジュンブライト様、マドレーヌ様、ルクトさん、リリアさん、本当に、ありがとうございます。』

『ありがとう、真莉亜さん達、ノア様。本当にありがとう。』

『みな様、今日はいろいろとありがとうございます。なんと、お礼したらいいか・・・・・・しくしく。』

いろいろ、みんなの感謝がつまった、石なんだね。

「真莉亜、さ、早く!」

う、うんっ。
ワクワクした気分で、石を中に入れようとした、その時。
シュッ。
え?
あれ?石がない・・・・・・。

「なんだとぉ!?」

「石なら、ここにあるわよ。」

ん?後ろで女の子の声が聞こえるぞ。
振り返ってみると・・・・・・。

「ク、クレイン!」

クレインが、宙に浮かびながら、私達の顔を見て、ニヤニヤと、笑っている。

「私達のために集めてくれて、ありがとう。」

「お前達のために集めたんじゃないぜ!人間界を救うために、集めたんだぞ!」

「そうです!」

「やかましい!人間界を救うため?ふっ、そんなもん、理由にならないわ。」

「クレイン!それ、どういうことなの!?」

「あのね、ファンタジー石を7つ集めると、願いが叶うのよ。そんなのを知らないで、集めてたのね。バッカみたい。」

バカじゃありませんっ。

「石を返してくださいっ。」

「誰が返すもんか!私は魔女の子なのよ!返すつもりはないわ!」

そんな・・・・・・。

「おい!お前の母さんがこんなことをしようとしても、娘のお前は、なんとも思わねぇのか!」

すると、クレインが、カッとなった。

「思わないわよ!私のお母さんは、私にとって、あこがれの存在よ!カタール・テレポートフィーナ!」

呪文をとなえると、クレインは、スッと消えちゃった。
・・・・・・石を・・・・・・石をうばわれてしまった・・・・・・。
私は、腰をぬかして、泣いてしまった。
人間界を守ることができなかった・・・・・・。
せっかく、7個、集めたのに・・・・・・。
ごめんなさい、ギラ様。約束をやぶってしまった・・・・・・。

「そんなにめぇめぇ泣くんじゃねぇ!」

ジュンブライト・・・・・・。

「また、取り返せばいいんですよ。」

マドレーヌちゃん・・・・・・。

「そうよ。絶対に、人間界をほろぼさせないわ。」

リリアさん・・・・・・。

「人間界はわたくし達にとって、第二のふるさとですからね。」

ルクトさん・・・・・・。
そうだよね。また、取り返せば、いいんだよね。
私はそう言いながら、立ち上がって、涙をふいた。

「よーし!絶対に、取り返すぞぉ!」

「オー!」
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