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第二十九話 「集結!ヴァンパイアクラブ!」
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土曜日。今日は初デートの日♡
う~ん、なに着てこよっかな?
「どうしたんだ、真莉亜。今日、ファッションにこだわりすぎだぞ!」
ちょっとジュンブライト!勝手に人んち、入らないでくれる?
「いいじゃねぇかよ!今日、真莉亜と一緒に、『おおかみこどものごんとあき』を観に行くんだぞ!」
それを言うなら、『おおかみこどもの雨と雪』です。
「真莉亜お姉様!ちょっとおかしいですよぉ!」
マドレーヌちゃん、ちょっとだまってて!
「ああん?誰がだまれだと、オラ!」
ごめんなさい・・・・・・。
「真莉亜。これはどう?」
リリアさんがとり出したのは、ピンクのリボン付きのワンピース。
あ!それ、かわいい~♡さっそく着てみよ!ルクトさんとジュンブライトは、見ないでねっ。
「はーい。」
30秒後。
どう?似合う?
「すっごく似合いますよ。」
「きれいです!」
「本当。」
ジュンブライトは?
「・・・・・・。」
あれ?なんで、顔真っ赤になって、ほっぺをふくらませて、横を見てるの?
もしかして、はずかしくて言えないとか?
「ち・・・・・・ちげーよ!」
ぷっ。どんどん真っ赤になってるし。
あ、もう時間だ。じゃあね。映画、楽しみにねっ。
「えー、真莉亜お姉様と映画、行きたかったですぅ!」
マドレーヌちゃんが、ほっぺをふくらませている。
「私も行きたかったよ。だけど、用事が急に入って、行けなくなったんだ。ごめんね、マドレーヌちゃん。」
「いいですよ。冬休み、『かいけつゾロリだ・だ・だ・だいぼうけん』、観に行きましょう!」
なんで急に、冬休みの話を。
「行ってきまーす。」
「いってらっしゃーい!」
私はみんなに見送られ、部屋のドアを閉めた。
今日はピンクのサンダル、はこうかな?
ピンクづくしって、おかしいです。
がチャ。
「やぁ。」
ドッキューン!!
合沢さん、お・・・・・・おはようございます!
「おはよう、真莉亜。」
ドッキューン!!×2
お・・・・・・お洋服、かっこいいですね。
「ありがとう。」
ドッキューン!!×3
「なぁ、誰だ?この男。」
「王子によく、似ていますね。」
「もしかして、真莉亜お姉様の彼氏!とか。」
「そんなわけ、ないでしょ?だって、真莉亜は・・・・・・。」
「俺のお妃、だからな!」
「王子!」
パコーン!
「いってぇー!」
「あー!二人とも、どっか行こうとしているですー!」
「あっ。手、つないだわ。」
「そしてどっか、行っちゃいました。」
「なぬー!?じいや、マドレーヌ、リリア!跡を追うぞ!」
「りょうかい!」
「りょうかいしました!」
「りょうかいです!」
☆
さて、ヴァンパイア四人は、楽しく映画、観に行っているでしょうか。
私は現在、合沢さんと一緒に、ジェットコースターに乗る予定です♡
だけど・・・・・・。
このジェットコースター、絶叫マシーンらしく、人気があって、人が多くならんでいるのです。
私達は列から二番目です。
「次の方~!お乗りくださ~い!」
はーい!
「行こう、真莉亜。」
ドッキューン!!×4
ハートの矢をを、うたれました。エンジェル君から。
私達は、席に乗って、ベルトをはめた。
はぁ~、ドキドキするなぁ♡
ピンポンパンポーン。
「『ただいまより、絶叫マシーンが発車します。』」
ガッタンゴットンガッタンゴットン。
うお!始まった!
ガタンゴトン、ガタンゴトン・・・・・・。
ん?なんか、おかしいぞ。
ガー!
キャャャャャア!スピード、速いよぉ!
『イッテQ』の番組に出たようでぇーす!
やっぱ、乗りたくなかったぁ!
「イェーイ!ヤッフー!」
合沢さん、こわくないんですか?
「だってこれ、絶叫マシーンだもん!絶叫マシーン、大好き!」
子供のようにはしゃがないでください!だんだん、こわくなってきます!
キャー!うわぁぁぁ!うぉぉぉぉ!
シュー。
「『終点です。ご利用してくれて、ありがとうございました。また、ご利用ください。』」
誰が、またご利用くださいだ!二度と、乗るもんか・・・・・・ゔ!
「どうした?真莉亜。」
なんか、絶叫マシーンに乗ったせいか、吐き気がしました。
「大変だ!僕もトイレに行くから、一緒に行こう!」
「はい・・・・・・。」
-男子トイレー
「鏡よ鏡。魔界のお妃様にご報告したいのだ。」
「『順調か?アルマ。』」
「はい。順調です。」
「『私の言った通り、春間真莉亜は、あのバカ王子みたいな男が好き。情報を集めて、よかったわ。』」
「次は、何をすればよろしいのでしょうか。」
「『次は、観覧車に乗って、春間真莉亜がだきついてきたら、キスするのよ。帰りに、石を盗んでちょうだい。』」
「かしこまりました。」
「おまたせ、合沢さん!」
「もう、大丈夫?」
はい!大丈夫っ・・・・・・って、合沢さん。なんで鏡の前にいるんですか?
「あ・・・・・・顔をあらっていたんだよ。」
ドッキューン!!×5
私、ここだけには弱いです。
「え?観覧車に乗りたい?」
「あぁ。僕、きれいな景色を見るの、大好きなんだ。」
そうなんですか・・・・・・。私も、景色を見るの、大好きだから、乗りましょう!
「じゃあ、決定だな。」
ドッキューン!!×6
はい♡
ということで、私達は観覧車に乗りました。
うわぁ。景色、いい♡
ん?あそこでヒーローショーがおこなっているぞ。
それに、人がまるでありさんみたいです。
「合沢さん。観覧車乗るの、初めてですか?」
「あぁ。この間まで外国にいたんだ。」
外国って、どこにですか?
「イギリス。」
イギリスぅ~!?すっごーい!オリンピック、見たんですか!?
「あぁ。見たよ。とくに僕は、格闘技が好きだから、プロレスとか柔道とか見にいったよ。」
すごいです!4年後のオリンピック、いっしょに見に行きましょーう!
ツルっ。
キャ!
「大丈夫?」
大丈夫です。はしゃぎすぎちゃっただけ・・・・・・。
ポー!
なんていうことでしょう!私、合沢さんにだきつちゃってるし!
てか距離感、ちぢんでいるっちゃね?
これってキス、できるかも!
「合沢さん・・・・・・。」
「真莉亜・・・・・・。」
「合沢さん・・・・・・。」
「真莉亜・・・・・・。」
チュ。
私、合沢さんのことが、大好きです!
「真莉亜。」
合沢さん!って、私達、なにしていたんでしょう?
「ファーストキス、していたよ。」
ポー!
ファ、ファーストキスですとぉ~!?
あぁ神様。私はなんて、幸運がいっぱいある女の子でしょー!
「もう、そろそろ到着するみたいだね。」
合沢さんが右手を窓にかざしながら、下を見つめている。
あ、もう夕方だ!
「じゃあ、僕が送って行くよ。」
ドッキューン!!×7
はい♡
☆
私達は今、歩道橋を歩いています。
「ねぇ。ちょっと、ティッシュ、かしてくれない?」
いいですけど・・・・・・。
(ふっ。石はどこにあるんだ?)
ピカー。
(ここか。)
ス・・・・・・。
「どうしたんですか?合沢さん。」
「いや。なんにもないよ。」
(ちくしょー!ミッション、失敗だ!)
「真莉亜!」
ジュンブライト!それにルクトさん、マドレーヌちゃん、リリアさん!
みんな、映画に見に行っていなかったの!?
「あたり前だろ。俺達、ずっと真莉亜の跡をついてきたんだぞ!」
跡をついてきた?
「えぇ。あなた達が絶叫マシーンに乗ったり、観覧車の中でだいてキスしたところを見てたのよ。」
見ていた・・・・・・。
するとジュンブライトが、合沢さんの胸ぐらをぐいっと引っぱった。
「おい!合沢ってヤロー!二度と真莉亜に近づくなっ!」
「そうです!」 「そうよ!」 「そうと思います!」
「ジュンブライト!」
私がさけぶと、ジュンブライトが合沢さんの胸ぐらを引っぱるのをやめた。
そして私は、ジュンブライトのところへ行って、右手を大きくふって、ジュンブライトのほっぺを・・・・・・。
パン!
ビンタした。
ジュンブライトのほっぺは赤くなっている。
「な・・・・・・何すんだよ!」
ジュンブライトがほっぺをおさえながら、カンカンに怒り出した。
少し、半泣き状態だけど。
「ひどいよ。勝手に人のデートをだいなしにして・・・・・・。」
「だいなしにしてねぇよ!ただ俺は・・・・・・俺は、とても心配して・・・・・・。」
「うそつき!なーんにも、心配してないじゃない!ルクトさんはなんで、とめなかったの!?」
「い・・・・・・いや・・・・・・。ただ、わたくしも王子と同じ、心配してまして・・・・・・。」
ルクトさんがあわてている。
「ルクトさんはしつじのくせに、ジュンブライトにあまやかしすぎですよ!もう、あんた達とは絶交!リリアさんも、マドレーヌちゃんも!みーんな、ヴァンパイア界に帰ればいい!」
するとジュンブライトは、わかったかのように、後ろを向いた。
「あーわかりましたよ。俺達三人、明日帰るから、一人で石集めしてください。じいや、マドレーヌ、リリア、行くぞ!」
リリアさんとルクトさんは、後ろを向いて、ジュンブライトと一緒に歩き始めた。
でもマドレーヌちゃんは、私をじっと見つめている。
「マドレーヌ、行くぞ!真莉亜お姉様は、最低な女だからな!」
ジュンブライトがそう言うと、マドレーヌちゃんは、後ろを向いて、走り始め、ジュンブライト達と一緒に仲良く、歩いて行っちゃった。
「真莉亜。」
なんですか、合沢さん。
「明日、来て。」
でも明日、日曜日でクラブ、休みですよ。
「いいから。来て欲しい、君には。」
は・・・・・・はい。
☆
私、ジュンブライト達にあんなこと、言ってしまった。
もう帰る準備、しているのかな。
ポタ、ポタ・・・・・・。
何?私の目から、雨がこぼれた?
違う。これは、涙だ。
私、泣いている・・・・・・。
悲しくて、とても反省している涙が、流れてくる。
「真莉亜、ご飯よ~。」
下から、お母さんの声が聞こえる。
私、ジュンブライトにビンタするの、初めてしたな。
私は右手をじいっと見つめた。
「真莉亜、ご飯って言ってるじゃない。」
お母さんが私の部屋に入った。
「今日はいい。いらない。」
「そう。じゃあ、後でお腹が空いたって言っても、知らないわよ。」
そう言って、お母さんは私の部屋を去った。
トゥゥゥゥル。
メールだ。誰からだろ?
・・・・・・合沢さんからだ。
『明日、深夜5時に来て。』
一体、なにがあるんだろ。
☆
お母さんとお父さんと琉理にばれないよう、なんとか家を脱出したけど・・・・・・。
ふぁ~、ねむ~い。こんな深夜に来いって言われて、なんか、ねむけがしてきます。
すると、私は立ちどまった。
ジュンブライト達が住んでいたお屋敷。もうそこには、あのじゃまするヴァンパイア四人組は、もういない。
んん!そんなことは気にしない、気にしないっと!さぁ、クラブに行こう!
☆
う~ん、なに着てこよっかな?
「どうしたんだ、真莉亜。今日、ファッションにこだわりすぎだぞ!」
ちょっとジュンブライト!勝手に人んち、入らないでくれる?
「いいじゃねぇかよ!今日、真莉亜と一緒に、『おおかみこどものごんとあき』を観に行くんだぞ!」
それを言うなら、『おおかみこどもの雨と雪』です。
「真莉亜お姉様!ちょっとおかしいですよぉ!」
マドレーヌちゃん、ちょっとだまってて!
「ああん?誰がだまれだと、オラ!」
ごめんなさい・・・・・・。
「真莉亜。これはどう?」
リリアさんがとり出したのは、ピンクのリボン付きのワンピース。
あ!それ、かわいい~♡さっそく着てみよ!ルクトさんとジュンブライトは、見ないでねっ。
「はーい。」
30秒後。
どう?似合う?
「すっごく似合いますよ。」
「きれいです!」
「本当。」
ジュンブライトは?
「・・・・・・。」
あれ?なんで、顔真っ赤になって、ほっぺをふくらませて、横を見てるの?
もしかして、はずかしくて言えないとか?
「ち・・・・・・ちげーよ!」
ぷっ。どんどん真っ赤になってるし。
あ、もう時間だ。じゃあね。映画、楽しみにねっ。
「えー、真莉亜お姉様と映画、行きたかったですぅ!」
マドレーヌちゃんが、ほっぺをふくらませている。
「私も行きたかったよ。だけど、用事が急に入って、行けなくなったんだ。ごめんね、マドレーヌちゃん。」
「いいですよ。冬休み、『かいけつゾロリだ・だ・だ・だいぼうけん』、観に行きましょう!」
なんで急に、冬休みの話を。
「行ってきまーす。」
「いってらっしゃーい!」
私はみんなに見送られ、部屋のドアを閉めた。
今日はピンクのサンダル、はこうかな?
ピンクづくしって、おかしいです。
がチャ。
「やぁ。」
ドッキューン!!
合沢さん、お・・・・・・おはようございます!
「おはよう、真莉亜。」
ドッキューン!!×2
お・・・・・・お洋服、かっこいいですね。
「ありがとう。」
ドッキューン!!×3
「なぁ、誰だ?この男。」
「王子によく、似ていますね。」
「もしかして、真莉亜お姉様の彼氏!とか。」
「そんなわけ、ないでしょ?だって、真莉亜は・・・・・・。」
「俺のお妃、だからな!」
「王子!」
パコーン!
「いってぇー!」
「あー!二人とも、どっか行こうとしているですー!」
「あっ。手、つないだわ。」
「そしてどっか、行っちゃいました。」
「なぬー!?じいや、マドレーヌ、リリア!跡を追うぞ!」
「りょうかい!」
「りょうかいしました!」
「りょうかいです!」
☆
さて、ヴァンパイア四人は、楽しく映画、観に行っているでしょうか。
私は現在、合沢さんと一緒に、ジェットコースターに乗る予定です♡
だけど・・・・・・。
このジェットコースター、絶叫マシーンらしく、人気があって、人が多くならんでいるのです。
私達は列から二番目です。
「次の方~!お乗りくださ~い!」
はーい!
「行こう、真莉亜。」
ドッキューン!!×4
ハートの矢をを、うたれました。エンジェル君から。
私達は、席に乗って、ベルトをはめた。
はぁ~、ドキドキするなぁ♡
ピンポンパンポーン。
「『ただいまより、絶叫マシーンが発車します。』」
ガッタンゴットンガッタンゴットン。
うお!始まった!
ガタンゴトン、ガタンゴトン・・・・・・。
ん?なんか、おかしいぞ。
ガー!
キャャャャャア!スピード、速いよぉ!
『イッテQ』の番組に出たようでぇーす!
やっぱ、乗りたくなかったぁ!
「イェーイ!ヤッフー!」
合沢さん、こわくないんですか?
「だってこれ、絶叫マシーンだもん!絶叫マシーン、大好き!」
子供のようにはしゃがないでください!だんだん、こわくなってきます!
キャー!うわぁぁぁ!うぉぉぉぉ!
シュー。
「『終点です。ご利用してくれて、ありがとうございました。また、ご利用ください。』」
誰が、またご利用くださいだ!二度と、乗るもんか・・・・・・ゔ!
「どうした?真莉亜。」
なんか、絶叫マシーンに乗ったせいか、吐き気がしました。
「大変だ!僕もトイレに行くから、一緒に行こう!」
「はい・・・・・・。」
-男子トイレー
「鏡よ鏡。魔界のお妃様にご報告したいのだ。」
「『順調か?アルマ。』」
「はい。順調です。」
「『私の言った通り、春間真莉亜は、あのバカ王子みたいな男が好き。情報を集めて、よかったわ。』」
「次は、何をすればよろしいのでしょうか。」
「『次は、観覧車に乗って、春間真莉亜がだきついてきたら、キスするのよ。帰りに、石を盗んでちょうだい。』」
「かしこまりました。」
「おまたせ、合沢さん!」
「もう、大丈夫?」
はい!大丈夫っ・・・・・・って、合沢さん。なんで鏡の前にいるんですか?
「あ・・・・・・顔をあらっていたんだよ。」
ドッキューン!!×5
私、ここだけには弱いです。
「え?観覧車に乗りたい?」
「あぁ。僕、きれいな景色を見るの、大好きなんだ。」
そうなんですか・・・・・・。私も、景色を見るの、大好きだから、乗りましょう!
「じゃあ、決定だな。」
ドッキューン!!×6
はい♡
ということで、私達は観覧車に乗りました。
うわぁ。景色、いい♡
ん?あそこでヒーローショーがおこなっているぞ。
それに、人がまるでありさんみたいです。
「合沢さん。観覧車乗るの、初めてですか?」
「あぁ。この間まで外国にいたんだ。」
外国って、どこにですか?
「イギリス。」
イギリスぅ~!?すっごーい!オリンピック、見たんですか!?
「あぁ。見たよ。とくに僕は、格闘技が好きだから、プロレスとか柔道とか見にいったよ。」
すごいです!4年後のオリンピック、いっしょに見に行きましょーう!
ツルっ。
キャ!
「大丈夫?」
大丈夫です。はしゃぎすぎちゃっただけ・・・・・・。
ポー!
なんていうことでしょう!私、合沢さんにだきつちゃってるし!
てか距離感、ちぢんでいるっちゃね?
これってキス、できるかも!
「合沢さん・・・・・・。」
「真莉亜・・・・・・。」
「合沢さん・・・・・・。」
「真莉亜・・・・・・。」
チュ。
私、合沢さんのことが、大好きです!
「真莉亜。」
合沢さん!って、私達、なにしていたんでしょう?
「ファーストキス、していたよ。」
ポー!
ファ、ファーストキスですとぉ~!?
あぁ神様。私はなんて、幸運がいっぱいある女の子でしょー!
「もう、そろそろ到着するみたいだね。」
合沢さんが右手を窓にかざしながら、下を見つめている。
あ、もう夕方だ!
「じゃあ、僕が送って行くよ。」
ドッキューン!!×7
はい♡
☆
私達は今、歩道橋を歩いています。
「ねぇ。ちょっと、ティッシュ、かしてくれない?」
いいですけど・・・・・・。
(ふっ。石はどこにあるんだ?)
ピカー。
(ここか。)
ス・・・・・・。
「どうしたんですか?合沢さん。」
「いや。なんにもないよ。」
(ちくしょー!ミッション、失敗だ!)
「真莉亜!」
ジュンブライト!それにルクトさん、マドレーヌちゃん、リリアさん!
みんな、映画に見に行っていなかったの!?
「あたり前だろ。俺達、ずっと真莉亜の跡をついてきたんだぞ!」
跡をついてきた?
「えぇ。あなた達が絶叫マシーンに乗ったり、観覧車の中でだいてキスしたところを見てたのよ。」
見ていた・・・・・・。
するとジュンブライトが、合沢さんの胸ぐらをぐいっと引っぱった。
「おい!合沢ってヤロー!二度と真莉亜に近づくなっ!」
「そうです!」 「そうよ!」 「そうと思います!」
「ジュンブライト!」
私がさけぶと、ジュンブライトが合沢さんの胸ぐらを引っぱるのをやめた。
そして私は、ジュンブライトのところへ行って、右手を大きくふって、ジュンブライトのほっぺを・・・・・・。
パン!
ビンタした。
ジュンブライトのほっぺは赤くなっている。
「な・・・・・・何すんだよ!」
ジュンブライトがほっぺをおさえながら、カンカンに怒り出した。
少し、半泣き状態だけど。
「ひどいよ。勝手に人のデートをだいなしにして・・・・・・。」
「だいなしにしてねぇよ!ただ俺は・・・・・・俺は、とても心配して・・・・・・。」
「うそつき!なーんにも、心配してないじゃない!ルクトさんはなんで、とめなかったの!?」
「い・・・・・・いや・・・・・・。ただ、わたくしも王子と同じ、心配してまして・・・・・・。」
ルクトさんがあわてている。
「ルクトさんはしつじのくせに、ジュンブライトにあまやかしすぎですよ!もう、あんた達とは絶交!リリアさんも、マドレーヌちゃんも!みーんな、ヴァンパイア界に帰ればいい!」
するとジュンブライトは、わかったかのように、後ろを向いた。
「あーわかりましたよ。俺達三人、明日帰るから、一人で石集めしてください。じいや、マドレーヌ、リリア、行くぞ!」
リリアさんとルクトさんは、後ろを向いて、ジュンブライトと一緒に歩き始めた。
でもマドレーヌちゃんは、私をじっと見つめている。
「マドレーヌ、行くぞ!真莉亜お姉様は、最低な女だからな!」
ジュンブライトがそう言うと、マドレーヌちゃんは、後ろを向いて、走り始め、ジュンブライト達と一緒に仲良く、歩いて行っちゃった。
「真莉亜。」
なんですか、合沢さん。
「明日、来て。」
でも明日、日曜日でクラブ、休みですよ。
「いいから。来て欲しい、君には。」
は・・・・・・はい。
☆
私、ジュンブライト達にあんなこと、言ってしまった。
もう帰る準備、しているのかな。
ポタ、ポタ・・・・・・。
何?私の目から、雨がこぼれた?
違う。これは、涙だ。
私、泣いている・・・・・・。
悲しくて、とても反省している涙が、流れてくる。
「真莉亜、ご飯よ~。」
下から、お母さんの声が聞こえる。
私、ジュンブライトにビンタするの、初めてしたな。
私は右手をじいっと見つめた。
「真莉亜、ご飯って言ってるじゃない。」
お母さんが私の部屋に入った。
「今日はいい。いらない。」
「そう。じゃあ、後でお腹が空いたって言っても、知らないわよ。」
そう言って、お母さんは私の部屋を去った。
トゥゥゥゥル。
メールだ。誰からだろ?
・・・・・・合沢さんからだ。
『明日、深夜5時に来て。』
一体、なにがあるんだろ。
☆
お母さんとお父さんと琉理にばれないよう、なんとか家を脱出したけど・・・・・・。
ふぁ~、ねむ~い。こんな深夜に来いって言われて、なんか、ねむけがしてきます。
すると、私は立ちどまった。
ジュンブライト達が住んでいたお屋敷。もうそこには、あのじゃまするヴァンパイア四人組は、もういない。
んん!そんなことは気にしない、気にしないっと!さぁ、クラブに行こう!
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