ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

文字の大きさ
上 下
54 / 138

第二十九話 「集結!ヴァンパイアクラブ!」

しおりを挟む
土曜日。今日は初デートの日♡
う~ん、なに着てこよっかな?

「どうしたんだ、真莉亜。今日、ファッションにこだわりすぎだぞ!」
ちょっとジュンブライト!勝手に人んち、入らないでくれる?

「いいじゃねぇかよ!今日、真莉亜と一緒に、『おおかみこどものごんとあき』を観に行くんだぞ!」

それを言うなら、『おおかみこどもの雨と雪』です。

「真莉亜お姉様!ちょっとおかしいですよぉ!」

マドレーヌちゃん、ちょっとだまってて!

「ああん?誰がだまれだと、オラ!」

ごめんなさい・・・・・・。

「真莉亜。これはどう?」

リリアさんがとり出したのは、ピンクのリボン付きのワンピース。
あ!それ、かわいい~♡さっそく着てみよ!ルクトさんとジュンブライトは、見ないでねっ。

「はーい。」

30秒後。
どう?似合う?

「すっごく似合いますよ。」

「きれいです!」

「本当。」

ジュンブライトは?

「・・・・・・。」

あれ?なんで、顔真っ赤になって、ほっぺをふくらませて、横を見てるの?
もしかして、はずかしくて言えないとか?

「ち・・・・・・ちげーよ!」

ぷっ。どんどん真っ赤になってるし。
あ、もう時間だ。じゃあね。映画、楽しみにねっ。

「えー、真莉亜お姉様と映画、行きたかったですぅ!」

マドレーヌちゃんが、ほっぺをふくらませている。

「私も行きたかったよ。だけど、用事が急に入って、行けなくなったんだ。ごめんね、マドレーヌちゃん。」

「いいですよ。冬休み、『かいけつゾロリだ・だ・だ・だいぼうけん』、観に行きましょう!」

なんで急に、冬休みの話を。

「行ってきまーす。」

「いってらっしゃーい!」

私はみんなに見送られ、部屋のドアを閉めた。
今日はピンクのサンダル、はこうかな?
ピンクづくしって、おかしいです。
がチャ。

「やぁ。」

ドッキューン!!
合沢さん、お・・・・・・おはようございます!

「おはよう、真莉亜。」

ドッキューン!!×2
お・・・・・・お洋服、かっこいいですね。

「ありがとう。」

ドッキューン!!×3

「なぁ、誰だ?この男。」

「王子によく、似ていますね。」

「もしかして、真莉亜お姉様の彼氏!とか。」

「そんなわけ、ないでしょ?だって、真莉亜は・・・・・・。」

「俺のお妃、だからな!」

「王子!」

パコーン!

「いってぇー!」

「あー!二人とも、どっか行こうとしているですー!」

「あっ。手、つないだわ。」

「そしてどっか、行っちゃいました。」

「なぬー!?じいや、マドレーヌ、リリア!跡を追うぞ!」

「りょうかい!」

「りょうかいしました!」

「りょうかいです!」





さて、ヴァンパイア四人は、楽しく映画、観に行っているでしょうか。
私は現在、合沢さんと一緒に、ジェットコースターに乗る予定です♡
だけど・・・・・・。
このジェットコースター、絶叫マシーンらしく、人気があって、人が多くならんでいるのです。
私達は列から二番目です。

「次の方~!お乗りくださ~い!」

はーい!

「行こう、真莉亜。」

ドッキューン!!×4
ハートの矢をを、うたれました。エンジェル君から。
私達は、席に乗って、ベルトをはめた。
はぁ~、ドキドキするなぁ♡
ピンポンパンポーン。

「『ただいまより、絶叫マシーンが発車します。』」

ガッタンゴットンガッタンゴットン。
うお!始まった!
ガタンゴトン、ガタンゴトン・・・・・・。
ん?なんか、おかしいぞ。
ガー!
キャャャャャア!スピード、速いよぉ!
『イッテQ』の番組に出たようでぇーす!
やっぱ、乗りたくなかったぁ!

「イェーイ!ヤッフー!」

合沢さん、こわくないんですか?

「だってこれ、絶叫マシーンだもん!絶叫マシーン、大好き!」

子供のようにはしゃがないでください!だんだん、こわくなってきます!
キャー!うわぁぁぁ!うぉぉぉぉ!
シュー。

「『終点です。ご利用してくれて、ありがとうございました。また、ご利用ください。』」

誰が、またご利用くださいだ!二度と、乗るもんか・・・・・・ゔ!

「どうした?真莉亜。」

なんか、絶叫マシーンに乗ったせいか、吐き気がしました。

「大変だ!僕もトイレに行くから、一緒に行こう!」

「はい・・・・・・。」

-男子トイレー


「鏡よ鏡。魔界のお妃様にご報告したいのだ。」

「『順調か?アルマ。』」

「はい。順調です。」

「『私の言った通り、春間真莉亜は、あのバカ王子みたいな男が好き。情報を集めて、よかったわ。』」

「次は、何をすればよろしいのでしょうか。」

「『次は、観覧車に乗って、春間真莉亜がだきついてきたら、キスするのよ。帰りに、石を盗んでちょうだい。』」

「かしこまりました。」

「おまたせ、合沢さん!」

「もう、大丈夫?」

はい!大丈夫っ・・・・・・って、合沢さん。なんで鏡の前にいるんですか?

「あ・・・・・・顔をあらっていたんだよ。」

ドッキューン!!×5
私、ここだけには弱いです。

「え?観覧車に乗りたい?」

「あぁ。僕、きれいな景色を見るの、大好きなんだ。」

そうなんですか・・・・・・。私も、景色を見るの、大好きだから、乗りましょう!

「じゃあ、決定だな。」

ドッキューン!!×6
はい♡
ということで、私達は観覧車に乗りました。
うわぁ。景色、いい♡
ん?あそこでヒーローショーがおこなっているぞ。
それに、人がまるでありさんみたいです。

「合沢さん。観覧車乗るの、初めてですか?」

「あぁ。この間まで外国にいたんだ。」

外国って、どこにですか?

「イギリス。」

イギリスぅ~!?すっごーい!オリンピック、見たんですか!?

「あぁ。見たよ。とくに僕は、格闘技が好きだから、プロレスとか柔道とか見にいったよ。」

すごいです!4年後のオリンピック、いっしょに見に行きましょーう!
ツルっ。
キャ!

「大丈夫?」

大丈夫です。はしゃぎすぎちゃっただけ・・・・・・。
ポー!
なんていうことでしょう!私、合沢さんにだきつちゃってるし!
てか距離感、ちぢんでいるっちゃね?
これってキス、できるかも!

「合沢さん・・・・・・。」

「真莉亜・・・・・・。」

「合沢さん・・・・・・。」

「真莉亜・・・・・・。」

チュ。
私、合沢さんのことが、大好きです!

「真莉亜。」

合沢さん!って、私達、なにしていたんでしょう?

「ファーストキス、していたよ。」

ポー!
ファ、ファーストキスですとぉ~!?
あぁ神様。私はなんて、幸運がいっぱいある女の子でしょー!

「もう、そろそろ到着するみたいだね。」

合沢さんが右手を窓にかざしながら、下を見つめている。
あ、もう夕方だ!

「じゃあ、僕が送って行くよ。」

ドッキューン!!×7
はい♡





私達は今、歩道橋を歩いています。

「ねぇ。ちょっと、ティッシュ、かしてくれない?」

いいですけど・・・・・・。

(ふっ。石はどこにあるんだ?)

ピカー。

(ここか。)

ス・・・・・・。

「どうしたんですか?合沢さん。」

「いや。なんにもないよ。」

(ちくしょー!ミッション、失敗だ!)

「真莉亜!」

ジュンブライト!それにルクトさん、マドレーヌちゃん、リリアさん!
みんな、映画に見に行っていなかったの!?

「あたり前だろ。俺達、ずっと真莉亜の跡をついてきたんだぞ!」

跡をついてきた?

「えぇ。あなた達が絶叫マシーンに乗ったり、観覧車の中でだいてキスしたところを見てたのよ。」

見ていた・・・・・・。
するとジュンブライトが、合沢さんの胸ぐらをぐいっと引っぱった。

「おい!合沢ってヤロー!二度と真莉亜に近づくなっ!」

「そうです!」 「そうよ!」 「そうと思います!」

「ジュンブライト!」

私がさけぶと、ジュンブライトが合沢さんの胸ぐらを引っぱるのをやめた。
そして私は、ジュンブライトのところへ行って、右手を大きくふって、ジュンブライトのほっぺを・・・・・・。
パン!
ビンタした。
ジュンブライトのほっぺは赤くなっている。

「な・・・・・・何すんだよ!」

ジュンブライトがほっぺをおさえながら、カンカンに怒り出した。
少し、半泣き状態だけど。

「ひどいよ。勝手に人のデートをだいなしにして・・・・・・。」

「だいなしにしてねぇよ!ただ俺は・・・・・・俺は、とても心配して・・・・・・。」

「うそつき!なーんにも、心配してないじゃない!ルクトさんはなんで、とめなかったの!?」

「い・・・・・・いや・・・・・・。ただ、わたくしも王子と同じ、心配してまして・・・・・・。」

ルクトさんがあわてている。

「ルクトさんはしつじのくせに、ジュンブライトにあまやかしすぎですよ!もう、あんた達とは絶交!リリアさんも、マドレーヌちゃんも!みーんな、ヴァンパイア界に帰ればいい!」

するとジュンブライトは、わかったかのように、後ろを向いた。

「あーわかりましたよ。俺達三人、明日帰るから、一人で石集めしてください。じいや、マドレーヌ、リリア、行くぞ!」

リリアさんとルクトさんは、後ろを向いて、ジュンブライトと一緒に歩き始めた。
でもマドレーヌちゃんは、私をじっと見つめている。

「マドレーヌ、行くぞ!真莉亜お姉様は、最低な女だからな!」

ジュンブライトがそう言うと、マドレーヌちゃんは、後ろを向いて、走り始め、ジュンブライト達と一緒に仲良く、歩いて行っちゃった。

「真莉亜。」

なんですか、合沢さん。

「明日、来て。」

でも明日、日曜日でクラブ、休みですよ。

「いいから。来て欲しい、君には。」

は・・・・・・はい。





私、ジュンブライト達にあんなこと、言ってしまった。
もう帰る準備、しているのかな。
ポタ、ポタ・・・・・・。
何?私の目から、雨がこぼれた?
違う。これは、涙だ。
私、泣いている・・・・・・。
悲しくて、とても反省している涙が、流れてくる。

「真莉亜、ご飯よ~。」

下から、お母さんの声が聞こえる。
私、ジュンブライトにビンタするの、初めてしたな。
私は右手をじいっと見つめた。

「真莉亜、ご飯って言ってるじゃない。」

お母さんが私の部屋に入った。

「今日はいい。いらない。」

「そう。じゃあ、後でお腹が空いたって言っても、知らないわよ。」

そう言って、お母さんは私の部屋を去った。
トゥゥゥゥル。
メールだ。誰からだろ?
・・・・・・合沢さんからだ。

『明日、深夜5時に来て。』

一体、なにがあるんだろ。




お母さんとお父さんと琉理にばれないよう、なんとか家を脱出したけど・・・・・・。
ふぁ~、ねむ~い。こんな深夜に来いって言われて、なんか、ねむけがしてきます。
すると、私は立ちどまった。
ジュンブライト達が住んでいたお屋敷。もうそこには、あのじゃまするヴァンパイア四人組は、もういない。
んん!そんなことは気にしない、気にしないっと!さぁ、クラブに行こう!





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夜の公園、誰かが喘いでる

ヘロディア
恋愛
塾の居残りに引っかかった主人公。 しかし、帰り道に近道をしたところ、夜の公園から喘ぎ声が聞こえてきて…

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

社長の奴隷

星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

JC💋フェラ

山葵あいす
恋愛
森野 稚菜(もりの わかな)は、中学2年生になる14歳の女の子だ。家では姉夫婦が一緒に暮らしており、稚菜に甘い義兄の真雄(まさお)は、いつも彼女におねだりされるままお小遣いを渡していたのだが……

何を間違った?【完結済】

maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。 彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。 今真実を聞いて⋯⋯。 愚かな私の後悔の話 ※作者の妄想の産物です 他サイトでも投稿しております

処理中です...