ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第二十六話 「真莉亜とマドレーヌ、動物になる?」

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ふぁー、ねむいワン。中は暗いし、ここはどこだワン?
なんか、ろうやみたいだし・・・・・・。
げっ!ここ、ゲージの中じゃん!

「ゔ~、うるさいピョン。」

マドレーヌちゃんが起きると、なんか、スマホみたいなものが、見えてきたワン。

「これ、ファンタジーフォンじゃないワンね?」

「確かに!そうです!さぁ、ジュンブライトお兄様に電話するでピョン!」

マドレーヌちゃんが、ピッピッと、ジュンブライトの電話番号を押したワン。

「『あー、なんだよ!人がねているくせによぉ!』」

「ジュンブライト!」 「ジュンブライトお兄様!」

「『あっ。真莉亜とマドレーヌか。今、どこにいるんだ?』」

「ん?キラキラ女の、家だぜぇ。」

マドレーヌちゃん、こわすぎるワン。最後にスギちゃんのまねをするのは、やめてくださいでワン。

「『ワイルドだろぉ?って、マドレーヌ!言葉づかい、デタラメだぞ!』」

「はーい。」

ジュンブライトに注意され、マドレーヌちゃんは顔をしょぼーんとしたワン。

「『んで、マドレーヌが言う、そのぉ、なんつーか、キラキラ女って、誰のことだ?』」

「比奈多さんのいとこ、くるみちゃんのことだワン。」

「『なぬぅ!?』」

しっ!ジュンブライト、声、でかすぎだワンよ!

「ん~。」

ひぃ!くるみちゃんが、起きたワン!

「なんだ。ローズがほえているのね。」

くるみちゃんは、またねたワン。

「『比奈多のやつ、いとこまでいたのか・・・・・・。』」

「うん。で、私達、明日、動物保護施設に、連れていかれるピョン。」

「『動物保護施設にだとぉ!?わかった!明日の朝、じいやとリリアに、言っとくから!』」

ブチッ。





次の日。

「くるみ~。ケージを持ってきてぇ~、早く!」

下から、薫さんの声が響くワン。
いよいよ、運命の日がやってきたワンね、マドレーヌちゃん。

「そうピョンね!」

マドレーヌちゃんは、うんうんと、うなずいたワン。
ところが、私達の前に、くるみちゃんが立っていたワン。
なんか、私の方をじーっと見ているけど・・・・・・。
すると、くるみちゃんは、ケージを持って、階段におりた。

「くるみ。もうすぐ来ちゃうわよ!」

薫さんの横に、くるみちゃんは、スーっと、走ったワン。

「ちょっと、くるみ!」

薫さんが呼んだけど、くるみちゃんは、無視して、全力疾走で走ったワン。
どこに行くだワン、くるみちゃん。
たどり着いたのは、なーぜーか、菜の花広場。
ここで、なにをするワン?

「私、ローズ、ピョンちゃんを、施設にはやりたくないの。」

くるみちゃんの目は、泣きそうになっているワン。
土には、ポタポタと、なみだのしずくが、おっこっちゃってるし・・・・・・。

「ここで、新しい飼い主が見つかるといいね。」

新しい飼い主~!?そんなバカなっ。

「ちょっといい?」

「えっ?」

くるみちゃんの、後ろに立っているのは・・・・・・。
リリアさん、ジュンブライト、ルクトさん!
リリアさんは、くるみちゃんの方に、しゃがみこんだ。

「あのね。そのゲージの中の動物、返してくれない?」

「なんで?」

「あのね。実はその動物、人間なの。」

「え!?」

そうそう。

「ジュンブライト、水をかけて。」

小声で言うと、ジュンブライトは、ゲージの上に、水をかけた。
なんと!かけたら私達、元にもどった!
それを見て、くるみちゃんは、口をポカーンとしたまま、びっくりしている。その後、ルクトさんが、ゲージのドアを開けてくれた。

「真莉亜ちゃん!」

ごめんね、くるみちゃん。

「それと、円花先輩!」

円花先輩!?

「昨日はごめんなさい。野生児って言ってしまって・・・・・・。私、今日から先輩のこと、円花先輩っと、呼んでも、よろしいですか?」

「あ、はい・・・・・・。」

マドレーヌちゃんの目が、点になっている。

「ありがとうございます。では、お言葉にあまえて、円花先輩、よろしくお願いします。」

くるみちゃんは、マドレーヌちゃんの方に向かって、ぺこり。
一体、なにがあったんだろ?


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