ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第二十六話 「真莉亜とマドレーヌ、動物になる?」

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土曜日。今日は、ジュンブライト達がいなくて、とても静かです。
おかげで、『黒魔〇さんが通る!!』を、ゆっくり読めます。
あっ、今日はお母さんは中学校の同窓会で、2泊3日の、京都に旅行に行って、お父さんと琉理といっしょに、いるんだった!
それよりお父さん、せんたくをたたまずに、ぐっすりとソファーでおひるねしてる・・・・・・。

「ねぇ。せんたくもの、たたんでよ。」

呼びかけると、お父さんは、あきれた顔をして、起きてきた。

「あ?いやだよ。それは、女の子の仕事だろ?ゆっくりねかせろよ、休日は。」

でも、お母さんが言ってたじゃない。「お父さん。休日だからと言って、ゆっくりねたら、だめよ。」って。

「お前も言われたろ?「真莉亜。休日だからと言って、あそぶのではなく、お手伝いをしてね。琉理も。」って。」

「え?私も?」

宿題をしていた琉理が、鉛筆を動かすのを止めて驚いた。そうしたらお父さんは、うんっと、うなずいた。

「あ~。ゆっくりねかせて・・・・・・Z、Z、Z・・・・・・。」

そのまま、お父さんはいびきをかぎながら、またねた。
この、面倒くさがりやの親父めっ!

「あ~、わかったわかった。私がする!」

私は反抗期モードになって、洗たくもののところへ行って、洗たくものをたたんだその時。
ピンポーン。
インターホンが鳴った。
誰だろ?
私は、インターホンの前に行った。
わわわ!女の子のでっかい顔が、画面にうつってる!

「『驚きすぎです、真莉亜お姉様。』」

真莉亜お姉様?あっ。

「マドレーヌちゃん!」

ん!しまった!大きな声で、言ってしまった!
琉理とお父さんには、聞こえてなかった!ふー、セーフ。もし、聞こえてたら、パニックになっていたとこだよぉ。
それよりマドレーヌちゃんの服、今日はかわいいね。
サイドのくしゅくしゅで元気さに女の子らしさをプラスした、赤と白のしましま模様の服で、青色のボーターTで、ちょい甘デニムのショーパン。

「今から行くね。」

玄関に行って、私はドアを開けた。
あれ、マドレーヌちゃん?

「ここです。」

うわぁ!マドレーヌちゃん!ひょっとして、はしごを使って、インターホンを押したの?

「そうです。近所の人が、インターホンが届かない私を、助けてくださいました。」

そう言いながら、マドレーヌちゃんは、はしごから飛びおりた。

「真莉亜お姉様。これ、すっごくかわいいでしょ?」

本当だね!

「これ、『ちゃお』で、『ニコプチ』とコラボTシャツプロジェクトって言う企画がありまして、かわいいなぁ~と思って、昨日、リリアといっしょに、EARTHМAGICに行って買ったんです。少しはオシャレに目覚めようと思って。」

マドレーヌちゃんは、うれしそうな顔で、私に服を見せた。
あっ、そうじゃなくて。マドレーヌちゃん、何の用?

「実は、菜の花広場でいっしょに遊びましょう!」

「遊びましょうって、マドレーヌちゃん、ジュンブライトがいるじゃん。」

すると、マドレーヌちゃんの顔がしゅんとなった。

「ひどいんですよ!」

へ?

「だから!ジュンブライトお兄様が、ひどいんですって!私が遊びましょうって言ったら、「あ~、無理。休日だからねる。」って。」

マドレーヌちゃん、ものまね、お上手です。
てか、悪いヴァンパイアだね。

「そうでしょ?」

相当、マドレーヌちゃんはほっぺをふくらませた。

「それで、真莉亜お姉様。私といっしょに遊びませんか?」

ごめんね~。今、せんたくものをたたんでて・・・・・・。今日は遊べないの。

「遊べない?ことわったらなぐるぞ、オラ!!」

ひぃぃぃぃ!すみません、じゃ、じゃあ、遊ぼう!

そうしたらマドレーヌちゃんは、かわいい顔に一瞬、戻った。

「やったです~!」

マドレーヌちゃんったら、うれしそうに、はしゃいでいる。

「お姉ちゃん。どうしたの?」

私の後ろに、琉理が立っていた。

「琉理、ごめん。私、円花ちゃんと遊ぶんだ。だから、せんたくもの、たたんでくれる?」

「わかった。」

琉理はうなずいて、リビングへと向かった。

「さぁ、行きましょう!」

「うん!」

「げっ。こんなにたくさん、たたむの?」





菜の花広場には大勢の子供たちが、いっぱいいます。
男の子は、戦いごっこをしている子が多く、女の子は、おままごとをしている子が、多くいます。
マドレーヌちゃん。すべり台でいっしょに遊・・・・・・って、あれ?
さっきまで、いっしょにいたのに。一体、どこ行ったの?

「真莉亜お姉様ー!」

ん?なんか草むらの方で、声が聞こえるぞ。
わ!黒い影が、私の方に向かってるー!

「また、驚きすぎです、真莉亜お姉様。」

わ~。なんだ、マドレーヌちゃんかぁ~。
ん?マドレーヌちゃん、右手になにもってるの?

「ヘビです。」

へへへへヘビ!マドレーヌちゃん、それを、どうする気?

「食べるんです。」

マドレーヌちゃんったら、目が星になって、よだれをたらしてるよ~。
こりゃ、ついていきません。

「あら、真莉亜様。ぐうぜんですわねぇ。」

その、おじょう様語は・・・・・・。

「比奈多さん!」

って、あれ?いつものお二人さんは?

「なぎさ様と雪様は、わたくしのいとこが遊びに来て、「菜の花広場に行きたい。」っとおっしゃって、4人で行こうかと思いまして、さそってみたら、「休日だから、じゅくの宿題をしたい。」と、ことわられたんです・・・・・・。」

あ、それ、私も同じです。てか、比奈多さんの、いとこって、誰なんですか?

「比奈多様!このお花、きれいでしょ?」

女の子が、比奈多さんのところに走って、花を見せた。
それにしても、かわいいなぁ~。
頭の上にでっかいピンクのリボンをつけていて、背は小っさいし、おめめが、くりくりしている。おじょう様らしいですっ。

「まぁ、きれいなお花ねぇ。くるみ。」

くるみ?

「これが、わたくしのいとこの、5さいの花本くるみですわよ。ほら、くるみ。ごあいさつは?」

「初めまして。花本くるみです。」

くるみちゃんったら、私に向かって、深々とおしぎをした。

「こちらこそ、初めまして。春間真莉亜で・・・・・・。」

「ひぃぃぃぃ!」

急に、くるみちゃんが、比奈多さんの背中に隠れて、おびえた。
どうしたの?私の顔が、こわいの?

「い、いや。へ・・・・・・ヘビが!」

くるみちゃんがふるえながら指さしたのは、マドレーヌちゃんが持っている、ヘビ。
マドレーヌちゃん!にがしてやりなっ。

「はーい。」

マドレーヌちゃんはしゅんとした顔をして、ヘビをにがした。
めいわくかけたね、ヘビさん。

「あら。円花ちゃん、久しぶりねぇ。クイズと文化祭以来ですわ。」

「円花ちゃん?」

さっきまでおびえていた、くるみちゃんが、ひょこっと顔を出した。

「円花ちゃんはね、わたくしのダーリンの、いとこなのよ♡」

ダーリン・・・・・・。

「黒月円花です。」

おりこうさんに、マドレーヌちゃんは、くるみちゃんの方におしぎをしたら、くるみちゃんは、なぜか、マドレーヌちゃんの顔をじー。
なんか、にらんでいるけど・・・・・・。

「野生児。」

へ?野生児?

「うん。このお姉様、さっきまでヘビをおもちされたんですもの。」

「ちょっとくるみ!円花ちゃんはね、あなたと3つ、歳が違いますのよっ!そんな言い方、しない!」

比奈多さん、完全的に、おこってらっしゃいます。
それにくらべ、くるみちゃんは、比奈多さんの顔を見るき、なし。

「私、家に帰って、ショートケーキ、食べたいですわ~。」

「じゃあ、帰りましょう。また月曜日ね、真莉亜様。」

そう言いながら、比奈多さんは、手をふって、くるみちゃんと手をつないで帰った。
二人とも、後ろ姿はまるで、姉妹みたいだなぁ~。

「なーんが、姉妹みてぇだなぁって?」

ひぃぃぃぃ!マドレーヌちゃん、キャラを変えて、ヤンキーずわりをしています!

「あのキラキラ女、俺に野生児って言った!次、会ったらなぐるぞぉ、オラ!」

ちょ、ちょっと、マドレーヌちゃん!

「うわぁ!あのお姉ちゃん、こわーい!」

「他のところで、遊ぼっ。」

「えーん!」

うわぁ。さっきまであそんでた子供たちが、泣きながらとっさににげたよ!
それにくらべ、菜の花広場の遊具は、置きざり状態。

「ふん!まいったか!」

マドレーヌちゃん、全然、まいっていません!
こーんな人前で、キャラを変えるなんて、ありえません!

「あいたたたた・・・・・・。」

あ!おばあさんが、こまってるよ、マドレーヌちゃん。

「助けに行きましょう!」

って、私も!?

「あたり前でしょう。」

その言葉、流行語ノミネート大賞予定の言葉だ!
もう、その言葉のせいで、助ける気、アップします。

「行こう!」

「はいっ。」

私とマドレーヌちゃんは、こまっているおばあさんの方まで走った。
このおばあさん、外見が60代か70代ぐらいで、白い髪で、肩にはタオルをかけていて、服は半そでの青い服で、目は小さめ。

「どうしたんですか?」

声をかけると、おばあさんは、「あー。」っと言いながら、こしをおさえた。

「実は、屋台をしてたら、こしを痛めてしまったとよ。」

この人、長崎人だ。

「んで、あんた達、てつだってくれんか?」

「手つだいます!私達にどーんと、まかせてくださいっ!」

マドレーヌちゃんったら、胸をポンっとたたいて、はりきっている。

「ありがとう。そこのかわいい女の子は、私をおんぶして。もう一人の女の子は、屋台をひっぱってくれん?」

おばあさんは、屋台の方を指さした。
・・・・・・なんか、この屋台、チリンチリンアイスっぽくネ?

「んっしょ、んっしょ。」

重すぎます、この屋台。私の体力的に、無理です。
それにしても、マドレーヌちゃん、重くない?
超能力ヴァンパイアだから、重いの平気なのは、わかるけど・・・・・・。
私、超能力、使いたーい!

「なーにぶつぶつ言うとると!あんた、13やろ?ちゃんとしなさい!」

は・・・・・・はい。
って、おばあさん、なんで私のとしを、知っているんだろ?
なんか、不思議な感じがしてきます。

「ここでいいよ。」

おばあさんは、マドレーヌちゃんの背中におりた。
私は、屋台をとめた。

「ありがとう。お礼にチリンチリンアイス、やるから。」

え!?チリンチリンアイスを!?ありがとー、おばあさんっ。

「私、てつだってよかったです!」

「いいえ、とんでもかまわんよ。」

おばあさんはニコニコしながら、チリンチリンアイスをつくり始めた。

「はい、どうぞ。」

はやっ。

「これは、おじょうさんで、こっちは、お姉さんと。」

おばあさんが、チリンチリンアイスを、私達にわたした。

「ありがとうございます!あのう、お金は・・・・・・。」
タダ
「今日は特別やっけん。無料。」
タダ
無料!?
タダ
「そう、無料。」

うそでしょ~!?

「では、いただきまーす!」

私達は、アイスをぱくっと、食べた。
う~ん、ひんやりする~。
って、ちょっとまってよ。マドレーヌちゃんのアイスの色、オレンジだねぇ。

「それは、にんじん味。」

にんじんの味?めずらしいですねぇ。

「んじゃあ、なめてみますっ。」

マドレーヌちゃんは、不思議そうに、アイスをぺろっとなめると、突然、マドレーヌちゃんの体が、ゾクゾクとなった。

「んー!本当に、にんじんの味です!」

んじゃあ、わたしがもっている、この茶色のは?

「それは、肉味。」

肉味ですとぉー!?まさに、アカン飯ですっ。
ま、私もなめよっ。
ぺろ。

「んー!おいしいワン!ん!?」

ちょっとまってだワン。さっきと今、自分の口から勝手に、「ワン。」って、言ったワン?

「何、言ってるですかでピョン、真莉亜お姉様?ん!?」

急に、マドレーヌちゃんが、口をおさえた。
マドレーヌちゃん、今、「ピョン。」って、言ったワンね?

「はい。自分の口から勝手に、言ったでピョ・・・・・・あー!」

わわわ!マドレーヌちゃんの頭から、うさぎの耳がっ。

「真莉亜お姉様も!頭の上に、犬の耳が、はえていますピョン。」

うわわ、本当だ!だんだん、私達、動物になっていくだワン!

「・・・・・・ほら、鏡があるけん。」

あ・・・・・・はい。ありがとうございますワン。
私達は、鏡を持った。
ちょちょちょーと!私、犬になってるワン!

「私、うさぎになってるピョン!」

これって、もしかして・・・・・・。

「そう。あたしさ。」

うわわわ!おばあさんが、みるみる、若返っていくワン!
って、おばあさん、人間じゃない。ヴァンパイアだワン!

「久しぶりだねぇ。春間真莉亜。」

テレサ!

「お前たちのアイスに、『アニマル粉』をかけたのさ。」

アニマル粉?

「そ。その粉を食べ物にかけると、あら大変。たちまち動物に、大変身。」

「んで、どうやってもどるんだワン?」

私が聞くと、テレサは思いっきり、顔を近づけたワン。

「それは、たぶん、一生もどれないかもね。ふはははは!」

テレサは、笑い声とともに、消えていった。
一生、もどれないって、とても嫌だワン。
とりあえず、ジュンブライトたちのところに、行こう。





「ジュンブライトー、開けただワン!」

「ジュンブライトお兄様ー!」

・・・・・・だめだ。っと、思った瞬間。黒い影が、ドアを開けた。

「もー!しつこい!」

「ジュンブライト!」 「ジュンブライトお兄様っ。」

って、あれ?ジュンブライト、なにきょろきょろしてるんだワン?

「誰もいねぇぞ。いたずらか?」

「ジュンブライトお兄様、下ですピョン!」

マドレーヌちゃんが、大きな声を出すと、ジュンブライトは、下を向いて、私たちの姿に、びっくり。

「どどどどどうしたんだよっ。真莉亜が犬になって、マドレーヌがうさぎになって・・・・・・。」

これでは、深い理由が、ございましてだワン・・・・・・。

「深い理由?」

そうして、私達は、これまであった話をすると、ジュンブライトは、わかったかのように、うんうんとうなずいた。

「そうかぁ。テレサ、絶対ゆるさんぞ!すぐに、リリアとじいやを呼んでくるから。」

そう言って、ジュンブライトは、ドアを閉めた。

「何か、いい方法があれば、いいピョンね。」

そうだねぇだワン。

「あぁ。おばあさんを助けなかったら、よかったピョン・・・・・・。」

私もだワン・・・・・・。
もっと早く、テレサって、気づけりゃよかったワン。
そうしたら、私達は動物に、なれなくすんだのに・・・・・・。
反省するワン。

「あれ?向こうに、誰かいるピョン!」

マドレーヌちゃんが、向こうを指さした。
ん、どれどれ?ん?大きなリボンをしていて、5歳なのにピンクのドレスと、ピンクのブーツをはいていて、おめめをくりくりしながら、3DSをしている女の子だワン。
ん?この子、もしや・・・・・・。

「くるみちゃんっ。」 「キラキラ女!」

「へ?」

しまっただワン!見つかってしまったワン!
早く、どこかに隠れないと・・・・・・。
あった!くさむらだっ。

「マドレーヌちゃん!こっちおいでだワン!」

ところがマドレーヌちゃんは、くさむらに隠れた。

「誰か、いるの?」

ひぃぃぃぃ!くるみちゃんの足音が、どんどん聞こえてくるワン!

「不思議ですねぇ。」

「こっちまで、くるな!キラキラ女!」

「え?」

あ、しまった!
ところがくるみちゃんは、おめめをくりくりしながら、私達の方へ向かって、おめめをキラキラさせた。

「うわぁ。なんて、かわいいんでしょう。あら、このうさぎさんのピンクのおリボン、どっかで見た覚えが・・・・・・。」

くるみちゃんは、不思議そうに、マドレーヌちゃんのリボンをじー。

「ないですわ。」

がくっだワン。

「このお犬さんも、かわいいですわ~。えっと、名前は・・・・・・。あ!ローズで決まり!」

名前まで、決めるんかいっ。

「あと、このうさぎさんの名前は・・・・・・。あ!うささんで決まり!」

ぷはははは!マドレーヌちゃん、名前そのまんま!

「なんだと?」

と、マドレーヌちゃんは、私の方に向かって、ぎろり。
ごめんなさい・・・・・・。

「さぁ。行きましょう!」

へ?どこに行くだワン?

「私の家。」

えー!?まっ、まさか、くるみちゃん、私達と思わないで、行くのー?

「なにふるえてるの、ローズ。」

い、いや、べつに。
すると、くるみちゃんは、私達をだっこした。

「お父様、何ておっしゃるかしら、ね。」

「ワ・・・・・・ワン。」

「ピョ・・・・・・ピョン。」

「二匹とも、もしかして、きんちょうしてるの?」

ううん!してないワン!とは言わず。

「ワン、ワンワン!」

「ピョーン!」

「きんちょうしてない様子ね。」

ジュンブライト、助けてぇ!

「真莉亜、マドレーヌ、おまたせって、あれ?ジュンブライト、いないじゃない。」

「いたんだよ、ここに!」

「王子、あれ、見てくださいっ。」

「ん?あー!」

「ジュンブライトー!」

「ジュンブライトお兄様ー!」

「真莉亜、マドレーヌ!」

助けてくださーいって、もうお屋しきの前、すぎてるぅ!

「うふふふふ。」

十分後。

「さぁ、着きましたよ。」

ん?うわ、すご!すっごくきれーな豪ていじゃん!
ホワイトハウスみたいな、お家で、とても広くて、おまけに、プールがあるし、大きな門があるワン。
するとくるみちゃんは、背のびをして、インターホンを押した。

「『はーい。』」

その声は、おじいさんだワン。

「『じいや、開けてください。』」

「『わかりました。少々おまちを。』」

わわわ!門が勝手に、動いた!この家、どんな仕組みだワン?
ガチャ。

「お帰りなさいませ、くるみおじょう様!」

す・・・・・・すごいだワン!たくさんのメイドさんと、シェフさんが、深々と、ドミノみたいにおしぎしている!
その中には、まるで『逃走中』のハンターみたいな人達が。
この人達、ボディーガードさん?

「おぉ!わたしの我が娘、くるみ!」

誰かが、おどりながら、くるみちゃんの前に立った。
そのおどりを見て、メイドさん、シェフさん、ボディーガードさんは、大勢、はく手した。
その男の人は、声が野太く、タキシードを着ていて、赤いネクタイをはめていて、髪はとても俳優みたいな髪型。

「パパ!」

えっ、え~!?この人、くるみちゃんのお父さん!?

「あのね、今日、この子たちを拾ってきたの!」

くるみちゃんは、笑顔で私達を見せた。

「どこで拾ってきたんだ?」

うわぁ、くるみちゃんのお父さんは、とても真剣な顔で、私達を見つめてるワン。

「でっかいお屋敷の、くさむらで。」

「へぇ・・・・・・。」

ちょっと、やばくない?

「んで、飼ってもいい?」

「だめよ。」

向こうから、声が聞こえて、カッカッカッと、ブーツの音が聞こえるワン。
その人は女性。金髪で髪が長くて、超美人で、いちごみたいな赤い口紅をつけていて、服は超~高級で、体から、バラの香りの香水がただよってくる。
ん?この人、どっかで見たことあるような・・・・・・。あー!
あの、大物女優の、花本薫だワン!
んじゃあ、お父さんは・・・・・・。
あの、日本を代表するふりつけ師、花本博志だワン!
くるみちゃんの家族、すごすぎるだワン。

「なんでなの、ママ。」

くるみちゃんは、薫さんの顔を見て、目をうるうるしているワン。

「こーんな一億円した豪ていの中で、うんち、おしっこされたら、困るからよ!」

「ちょっとまってくれ!薫。」

博志さんが、くるみちゃんの前に立ったワン。

「なんなのよ。」

「こーんなかわいいかわいい我が娘の、かわいいかわいいわがままを、聞いてくれ!」

博志さん、親バカですワン。
しかも、くるみちゃんの味方になってるし。

「だーめーよ!くるみ、早くその動物を、かごの中に入れて。あなたは、動物保護施設に連絡してちょうだい。」

動物保護施設~!?

「ママ。そんなこと、やめて。」

「そうだ、そうだ!」

くるみちゃんが、かわいい目をくりくりさせて、おねだりをして、くるみちゃんのお父さんは、相変わらず、くるみちゃんの味方になってるワン。
それを見て、薫さんは、私達を目でぎろりと見て、それから、ため息をついた。

「わかったわ。今日は特別ね。明日、動物保護施設にやるから。」

薫さんは、後ろを向いて、くつの音を響かせて、向こうへと歩いた。

「やったぁ~!」

二人とも、大喜びだワン。

「それより真莉亜お姉様。明日、動物保護施設に連れられるんピョンよ。」

そうだったワン!なにかにげる方法、考えなくちゃだワン。



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