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第十七話 「真莉亜、子供になっちゃいました……。」
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ルクトさんのお部屋、ステキ~!
大きな本棚にはたくさんの本が並んでいるし、机の上にはむらさき色のノートパソコンがあって、きらきらと輝く水色の水晶玉が置いてあった。ルクトさん、この部屋、まるで魔女みたいだね。
「そうですか。あははは。こう見えても、本が大好きで、占いも大好きなんですよ。」
「つまりルクトは、若いころ、占い師だったのよ。」
え~?占い師だったの~?
「そうですよ、真莉亜お姉様。けれど、ギャラが少なく、やめてしまったんですよ。ルクトじいや様は。」
マドレーヌちゃん、そこは言わなくても・・・・・・。
「ところでルクトさん。お話って、なんですか?」
「実は、真莉亜様を元に戻す方法がわかりました。」
「え!?」
私達が驚くと、ルクトはぶ厚い本を持ってきて、その本のページを次々めくった。
「じいや、これは・・・・・・。」
「これはヴァンパイア界の実、クリリンという甘い栗があって、その実を棒でつぶして、卵と牛乳とホットケーキミックスを入れると、ホットケーキになって、そのホットケーキを食べると、元に戻れます。」
へー。てか、クリリンって、どっかのアニメで聞いたことような・・・・・・。
「で、どうやって手に入れるんだ?」
「実は、ヴァンパイア界にありますけど、ヴァンパイア界のどこにあるか、私にはわかりません・・・・・・。」
ルクトさんは下を向いたまま、がっかりした。
「じゃあ、どうすれば真莉亜を元に戻せるんだっ!」
ジュンブライトがルクトさんに向かって、さけんだ。
「真莉亜様の子供の血を吸えば、元通りの血になりますよ。」
え~?血を吸えば、私、ジュンブライト達の仲間になるんだけど・・・・・・。
「なっても仕方ないわ。私達の苦手なものをあなたに見せれば、元に戻るわ。」
リリアさんが私に言った。
「キッズ草は子供になると、血が子供の血になります。」
「ルクトさんとリリアさんがそう言うなら、私、ジュンブライトに血、吸われてもいいです。」
だって、自分が決意したことだもん。
「わかった。じゃあ、いくぞ。」
ジュンブライトが、私のところまでいって、とんがった歯を出して、私の首のまわりにがぶりとかんで、口のまわりと歯には血がいっぱいついたまま、私の首まわりに口を離した。
「・・・・・・どうだ?」
私の体、元に戻ってる~!ちゃんと、胸もあるし~!って、なんで私、こんな真っ暗なところに一人でいるの?
もしかして・・・・・・。
「オラ、オラ!あたしの大事な首になにするんだよっ!お前らの血を、好きなだけ吸うぞ!」
ヴァンパイアになってる~!てか、なんで私だけ、キャラが変わっているのでしょうか。
「少し、やりすぎたかな?あはははは!」
あははははじゃないわい!
「真莉亜お姉様、こわいです~!」
「大丈夫よ、マドレーヌ。」
リリアさんが泣いているマドレーヌちゃんをなぐさめている。
「オイ!ジュンブライトの野郎!あたしのこと、どう思ってんだよっ!」
!?
「は?」
「だぁかぁらぁ!あたしのこと、どう思ってるんだよって言ってんだよっ!」
ちょ、ちょ、ちょっと!なに言ってんの!ヴァンパイアの自分!てか、ジュンブライト、かたまってるし!
「真莉亜様!」
ルクトさんが、ヴァンパイアの自分を振り返らせると、マスクをしているルクトさん達が、十字架を見せて現れた。
なるほど!ヴァンパイアって、銀も十字架も苦手だったっけ!
「ゔぅ!」
ヴァンパイアの私は、トイレにそんまんま走って、トイレの中に入って、「オェー!」と吐いた。
・・・・・・ゔぅ、気持ち悪かったぁ~。
「真莉亜。元に戻って、よかったな。」
あは、ありがとう!一時はどうなるかと思ったよ~!
「んで、さっきの返事。」
さっきの返事・・・・・・。あ~!ヴァンパイアの自分が、「あたしのこと、どう思ってるんだよ!」って、ジュンブライトの前で言ったやつ?
「あぁ。俺、真莉亜のこと、ただの友達って、思ってるぜ。」
ただの友達?それって・・・・・・。
「人間界で初めてできた、友達ってことさ。」
そう言って、私の前から去った。
・・・・・・私、ジュンブライトのこと、大好きだよ。
大きな本棚にはたくさんの本が並んでいるし、机の上にはむらさき色のノートパソコンがあって、きらきらと輝く水色の水晶玉が置いてあった。ルクトさん、この部屋、まるで魔女みたいだね。
「そうですか。あははは。こう見えても、本が大好きで、占いも大好きなんですよ。」
「つまりルクトは、若いころ、占い師だったのよ。」
え~?占い師だったの~?
「そうですよ、真莉亜お姉様。けれど、ギャラが少なく、やめてしまったんですよ。ルクトじいや様は。」
マドレーヌちゃん、そこは言わなくても・・・・・・。
「ところでルクトさん。お話って、なんですか?」
「実は、真莉亜様を元に戻す方法がわかりました。」
「え!?」
私達が驚くと、ルクトはぶ厚い本を持ってきて、その本のページを次々めくった。
「じいや、これは・・・・・・。」
「これはヴァンパイア界の実、クリリンという甘い栗があって、その実を棒でつぶして、卵と牛乳とホットケーキミックスを入れると、ホットケーキになって、そのホットケーキを食べると、元に戻れます。」
へー。てか、クリリンって、どっかのアニメで聞いたことような・・・・・・。
「で、どうやって手に入れるんだ?」
「実は、ヴァンパイア界にありますけど、ヴァンパイア界のどこにあるか、私にはわかりません・・・・・・。」
ルクトさんは下を向いたまま、がっかりした。
「じゃあ、どうすれば真莉亜を元に戻せるんだっ!」
ジュンブライトがルクトさんに向かって、さけんだ。
「真莉亜様の子供の血を吸えば、元通りの血になりますよ。」
え~?血を吸えば、私、ジュンブライト達の仲間になるんだけど・・・・・・。
「なっても仕方ないわ。私達の苦手なものをあなたに見せれば、元に戻るわ。」
リリアさんが私に言った。
「キッズ草は子供になると、血が子供の血になります。」
「ルクトさんとリリアさんがそう言うなら、私、ジュンブライトに血、吸われてもいいです。」
だって、自分が決意したことだもん。
「わかった。じゃあ、いくぞ。」
ジュンブライトが、私のところまでいって、とんがった歯を出して、私の首のまわりにがぶりとかんで、口のまわりと歯には血がいっぱいついたまま、私の首まわりに口を離した。
「・・・・・・どうだ?」
私の体、元に戻ってる~!ちゃんと、胸もあるし~!って、なんで私、こんな真っ暗なところに一人でいるの?
もしかして・・・・・・。
「オラ、オラ!あたしの大事な首になにするんだよっ!お前らの血を、好きなだけ吸うぞ!」
ヴァンパイアになってる~!てか、なんで私だけ、キャラが変わっているのでしょうか。
「少し、やりすぎたかな?あはははは!」
あははははじゃないわい!
「真莉亜お姉様、こわいです~!」
「大丈夫よ、マドレーヌ。」
リリアさんが泣いているマドレーヌちゃんをなぐさめている。
「オイ!ジュンブライトの野郎!あたしのこと、どう思ってんだよっ!」
!?
「は?」
「だぁかぁらぁ!あたしのこと、どう思ってるんだよって言ってんだよっ!」
ちょ、ちょ、ちょっと!なに言ってんの!ヴァンパイアの自分!てか、ジュンブライト、かたまってるし!
「真莉亜様!」
ルクトさんが、ヴァンパイアの自分を振り返らせると、マスクをしているルクトさん達が、十字架を見せて現れた。
なるほど!ヴァンパイアって、銀も十字架も苦手だったっけ!
「ゔぅ!」
ヴァンパイアの私は、トイレにそんまんま走って、トイレの中に入って、「オェー!」と吐いた。
・・・・・・ゔぅ、気持ち悪かったぁ~。
「真莉亜。元に戻って、よかったな。」
あは、ありがとう!一時はどうなるかと思ったよ~!
「んで、さっきの返事。」
さっきの返事・・・・・・。あ~!ヴァンパイアの自分が、「あたしのこと、どう思ってるんだよ!」って、ジュンブライトの前で言ったやつ?
「あぁ。俺、真莉亜のこと、ただの友達って、思ってるぜ。」
ただの友達?それって・・・・・・。
「人間界で初めてできた、友達ってことさ。」
そう言って、私の前から去った。
・・・・・・私、ジュンブライトのこと、大好きだよ。
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