ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第十五話 「文化祭に長ぐつをはいたねこ!?」

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「『この畑は、どなたのものじゃ。』」

「『みんな、カラバこうしゃく様のものです。』」

「『たいしたざいさんをおもちですな。』」

「『は・・・・・・はい!』」

「『すてきなお方。』」

いよいよ、雪さんの番です!

「地獄に落ちたストーリーデビルよ!今人間を悲しませて、生き返れ!」

ピカー!
ま・・・・・・窓の方から、黒いかみなりが?

「なんだ今の。」

「お母さん、こわーい!」

会場のみんながざわざわ騒いでいた、その時!
ドッシーン!
うわ、ステージの上に、魔王だ!体が大きくて、緑色のマントを広げていて、鉄のかざりをしている魔王が現れた!
ん?この魔王、どっかで見たことあるぞ・・・・・・。
あ!長ぐつをはいたねこに出てくる、人喰いおにこと、魔王だ!

「うわぁ~!怪物だ~!」

「文化祭中止~!」

「にげろ~!」

「キャ~!」

ジュンブライト達以外のお客さん達は、大急ぎで逃げて行っちゃった。
もちろん、役者の女子も。

「司ちゃん、にげて!」

「・・・・・・わかった。」

司ちゃんはうなづいて、とっさににげた。

「さぁ。この中で一番おいしそうなやつは、どこだ?」

魔王はステージ辺りをきょろきょろ見回した。すると、ステージ側でこわがっている比奈多さんを見つけて、ニカッと笑って、比奈多さんを左手にもって、比奈多さんは「キャッ!」とさけんだ。

「この女、まるで豚の丸焼きみたいだな!」

「比奈多さん!」

「助けてください、潤様~!」

比奈多さんの声で、ジュンブライトとマドレーヌちゃんとリリアさんとルクトさんがステージの上に上がった。

「おい!ねこのショーンよ、どこだ!」

「僕は前にいるニャー!」

ショーンさん!

「ははん。お前の石を渡せ!さもないと、この女をくっちまうぞ!」

魔王は笑みを浮かべた。

「どうしましょう、真莉亜様。」

「どういったって・・・・・・。」

「雪お姉様!比奈多お姉様にあやまるんです!そうしたら、友情の心が、よみがえります!」

「え・・・・・・。」

雪さんは驚いた。

「そうだニャ!息を吸うニャー、雪さん!」

「すぅ~。」

雪さんは大きく息を吸った。

「やめてください!」

「ああん?」

魔王が雪さんの方を振り返った。

「私の・・・・・・私の大切な友達を返してください!」

「雪様・・・・・・。」

「比奈多様、ごめんなさい。昨日はあれだけ教えてもらったのに、怒らせてしまって・・・・・・。でも、私、思ったんです。比奈多様は私が大好きだから怒ってるって。なのに私、絶交するって、自分勝手に決めちゃって・・・・・・。だから!だから、比奈多様!本当に、ごめんなさい!これからも、私の友達でいてください!」

ピカッー!
なにかが光り出した。ま・・・・・・まぶしい・・・・・・。
ってこれ、なに?雪さんの手の平に、黄色いスマホで、タッチペン付きのアイテムが現れた。

「これはヴァンパイアスマートフォンよ!呪文をタッチペンでタッチして、となえるのよ!ヴァンパイアラブハーモニーって!」

リリアさんが雪さんに教えた。

「わかりました。」

雪さんは大きくうなづいた。

「どうした?手におえないのか?」

「おいつけてみせます!悪にそまったストーリーデビルよ!今心の中で罪をあやまち、天へのぼりなさい!ヴァンパイアラブハーモニー!」

ピカッー!

「う・・・・・・うわぁ~!」

魔王は白い灰になって、風に飛ばされて、空の上までいっちゃった。

「やったです~!」

マドレーヌちゃんは大喜び。良かった。

「雪様。」

「ひ、比奈多様~!」

雪さんは、泣きながら比奈多さんにぎゅっとだきついた。

「ごめんなさい、ごめんなさーい!」

「いいですわよ。強く言った私も悪いですし・・・・・・。もしまたこんなことがあったら、本当に絶交ですわよ。」

「はっ、はい!」

私達はステージの裏側で、比奈多さんと雪さんを強く見守った。





「はい、これ。」

「ありがとうございますニャー!」

ピカッー!
私はショーンさんに、石を渡して、石はアクセサリーになり、ジュンブライトの手の平には、長ぐつの形をした、黄色い石があった。

「いいのかよ。雪に別れ言わなくて。」

ジュンブライトが髪をこすりながら、ショーンさんに聞くと、ショーンさんは「はい。」とうなづいた。

「あと、雪さんにこう言ってください。お友達と、これからずっと、仲良くなってくださいだニャーって。」

「わかった。」

私が大きくうなづくと、ショーンさんは消えて行っちゃった。

「はぁー。結局、文化祭は中止になったなぁ。」

そうだねぇ。ところで、マドレーヌちゃん達は?

「帰った。」

そうなんだ。

「真莉亜様、潤様!」

後ろから声が聞こえて、私達が後ろを振り向くと、雪さんが立っていた。

「ショーンは?」

「ショーンさんは、用事があるっと言って、自分の家に帰りましたよ。あと、ショーンさんが、お友達っこれからもずっと、仲良くやってくださいニャーって。」

「そうですか・・・・・・。」

雪さんがしゅんと表情を変えた。ずっといて欲しかったのかな~、ショーンさんに。

「あっ、これ!」

雪さんがなにか黒いものを投げた。それを私がキャッチして、手を広げると、ヴァンパイアスマートフォンがあった。

「これ、返します!だって、真莉亜様達は、正義の味方だからです!」

???

「は?」

私とジュンブライトは、ハモって驚いた。

「だって、あーんなこわーい怪物を、一瞬、私がたおして、犬がしゃべったいたので、真莉亜様は伝説の戦士、プ〇キュアかな~って。」

プリキュア?てか、あれは犬じゃありません。ヴァンパイアキャットです~。とは言わず・・・・・・。
雪さんの脳みそは、一体、どうなっているんでしょうか。

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