ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第四話 「夏祭りで大騒ぎ!」

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今日はまちにまった夏祭り。恵ちゃんと一緒に行くんだ。
おばあちゃんが買ってくれたゆかた、かわいいなぁ~。

「おっ!真莉亜。かわいいなぁ~。」

ジュンブライト!

「えへ。これから夏祭りに行くんだ。恵ちゃんと。」

私が笑顔で言うと、ジュンブライトはルクトさんの方を向いた。

「おい。じいや、夏祭りってなんだ?」

「夏祭りとは、夏に行われる、地域や神社の祭りですよ。」

「へぇー。んじゃあ、真莉亜がきているのはなんだ?」

「あれはゆかたと言って、もめんで作った、ひとえの着物。湯上りや、夏に着る物ですよ。」

ジュンブライトはわかった見たい。

「俺、真莉亜見たいなゆかたを着て、夏祭りに行きたーい!」

えぇ!?これ、女子用だよ。

「大丈夫ですよ。私が昨日、浴衣屋に行って、男子用の浴衣を買いましたから。」

と、ルクトさんが、袋の中にある黒いゆかたを出しながら言った。

「イェーイ!ありがとう、じいや。」

ジュンブライトは、めちゃくちゃ喜んでいます。



「どうだ?真莉亜、じいや。」

ジュンブライトの声が聞こえて、私とルクトさんは、後ろを振り返った。

「うわぁー。なかなか似合ってるよ。」

「だろ?人間界って、すんげぇーのがあるなぁ。」

と、ウインクをした。

「人間界って本当に、すごいのがありますね。」

ルクトさんが、ジュンブライトが着ているゆかたをジロジロ見つめながら、感心している。


「あっ!真莉亜!待ってたよ。あれ?潤君も来たの?」

「あたり前だろ。」

と、いつもの口癖。てか、今呼び捨てした!?恵ちゃん。

「恵でいいよ。もう、友達だから。あっ、この前は、ごめんね。」

いいよ。気にしなくて。

「先輩達も、謝ってたよ。さぁ、行こう。真莉亜。」

と、恵は手を出した。
私、東京で友達、出来たよ。

「ところで、潤君の隣にいるおじいさん、誰?」

恵が、ルクトさんの方を指さしている。

「この人は、潤の執事の、翔月ルクさんだよ。」

「どうも。」

と、ルクトさんは恵の方へ向かって、おしぎをした。


うわぁー。いっぱいお店があるなぁ~。

「まず、どこから行く?」

「えっ!?うんと、うんと・・・・・・。」

私が考えている時、ジュンブライトが屋台の方を指さした。

「あれ、なんだ?」

「あれはお化け屋敷。むちゃくちゃ怖いんだよ。」

恵が震えながら教えた。

「あら、真莉亜様と恵様。そして、わがクラスの№1、潤様♡」

比奈多さん!それに、なぎささんも、雪さんも。

「比奈多さん、花柄のゆかた、かわいいね。」

ジュンブライトがにっこり笑顔。

「でしょでしょ~。これはですね、お父様から買ってもらって、11500円するのですわ~♡」

高っ!

「なぎささんも、雪さんも、ゆかた、かわいいね。」

と、またまた笑顔。

「ありがとうございまーす♡」

なぎささんと雪さんは、合わせて言った。

「私達、これからお化け屋敷に行くのですわよ。」

「そうよ、そうよ。」

えぇ~!?

「だから、潤様、ここで待っていてくださーい♡」

「わかった。」

えぇ~!?
1分間後・・・・・・。

「まだあの三人、戻って来ないね。」

「うん・・・・・・。」

ドタバタドタバタ!
ん!?何か音が聞こえるよ。

「キャー!潤様♡」

比奈多さん!駆けつけながら潤に抱きつくの、やめてくださいっ!

「怖かったです~。」

と、なぎささんと雪さんが言った。

「じゃあ、俺達も行こうか。」

えぇ!?私、お化け、苦手だよ。
すると、ジュンブライトが、私の耳元で、こうささやいた。

「絶対、俺が真莉亜のこと、守ってやるから。」

ジュンブライト・・・・・・。

「潤様♡今度は2学期にまたあいましょうね。」

「あぁ。」

比奈多さんの目が、ハートになっています。

「アハハハハハハ・・・・・・。」

と、私と恵は苦笑い・・・・・・。

いよいよ、私達の順番。

「次の方、入ってくださーい。」

と、係の人の大きな声が聞こえた。
そして、私達が中に入った、その時!

「ガォー!」

ひぃぃぃぃ!オオカミ男~!

「キャー。」

バタン。

えぇ!?恵、気絶しちゃった!

「王子!ここは私におまかせを。」

ルクトさん!いたの!?

「あたり前じゃないですか。」

その、「あたり前」が、流行語ノミネート賞になって欲しい。

「ガォー!」

「ひぇー!」

と、ルクトさんは恵をおんぶして、逃げっちゃった。

「来た理由は、なんだったんだよ!」

ジュンブライトが大きな声でつっこむ。

「ガォー!」

た・・・・・・助けて~。

「シャー!」

ジュンブライトが口を大きく開けて、とんがった歯を、オオカミ男に見せます。

「ひぃぃぃぃ!本物のヴァンパイアだー!」

オオカミ男は驚いて逃げちゃった。
でもジュンブライト、少しやりすぎだよ。

「さぁ。次、行こうぜ。」

全然、聞いてないし!
次は、墓がいっぱいのところ。
なんか、嫌な予感だなぁ。
ヒュードロドロドロ。
ひぃぃぃぃ!

「うらめしや~。」

今度は幽霊だ・・・・・・。

「シャー!」

ジュンブライト!

「キャー!」

幽霊は真っ先に逃げて行っちゃった。
次々、ジュンブライトはお化け達を驚かす。
そして、いよいよ最後!って、誰もいないよ。
ドスン!ドスン!
ん?なにか後ろから音が聞こえた?
振り返ってみると・・・・・・。

「ぬ~り~か~べ~。」

キャー!ぬりかべだー!

「シャー!」

ジュンブライト!

「え?」

ぬりかべが、立ち止まりながらあわあわしている。
ど・・・・・・どうしたんですか!?

「ひゃ~!恐れ入りました~!」

と、ぬりかべは言って、走って逃げちゃった。

「真莉亜!出口だぞ!」

ジュンブライトが大きな声で言っている。

「よし!一緒に行くか!」

ジュンブライトが、私の手を握って走った。

「あ・・・・・・暖かい。」

私は小さな声で言った。

「ゴール!」

私とジュンブライトが、大きな声で合わせて言った。
私達の前には恵とルクトさんがいた。

「真莉亜・・・・・・。」

え?

「手・・・・・・。」

ん?あっ!なんで手なんかつないでいるの!?
私はジュンブライトの手を離した。

「どうでしたか?王子。」

と、ルクトさんが、ジュンブライトの耳元で話した。

「すんげぇー、楽しかったぜ!また一緒に来ような!真莉亜!」

ジュンブライトが、にかっと笑った。

「いいよ!潤君。」

恵が、グーサインで、ジュンブライトの方に向かって、ウインクをした。
来年かぁ~。
その時、ジュンブライトは人間界にいるのかなぁ。
私はそう思い浮かべながら、空を見上げた。
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