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4 「死を、宣告する…。」
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「お前飛べねぇの忘れてたわ」
「えぇぇぇぇ!そんなことより高ぁぁぁぁぁぁい…」
叫ぶ私の反応を見てゲラゲラ笑う最低男に、唯一使える両手で雪さんの上着にしっかり捕まる
「絶対に落とさないでよ…。」
「離さねぇよ」
涙目の私に向かって安心しろと言い、楽しそうに目的に向かう
「絶対だよ…っ」
「はーい」
ビュンビュンスピードを増していき、目を強く瞑る
この担ぎ上げられた体勢がなんとも不安定で、ちょっと動いただけでも崩れて落ちてしまいそうな、ジェットコースターより不安にさせる浮遊感がこれは現実だと告げていた
目的地に着いたらしく私を地べたに、よっと置く
(戻しちゃいそう…)
うぅ…っと胸辺りの気持ち悪さを必死に押さえる
(姿くらましした後ってこんなんなのかな…)
「うっ、…ううぅ…」
(今私、2日酔いで倒れこんでるおじさんと大差ない感じ…)
「クロ。どいつだ?」
「あの髪を1つに結んでいるやせがたの男性です。あと数秒です。」
「ちょうどいいじゃん」
「っう、うぅ…。ん?」
今から何が起こるのか聞きたいけど、座っているだけで精一杯の私は口を開くことすらできなかった
クロさんが言っていた人相の人を見つけ、気分が悪いながら見つめる
(普通に歩いているだけじゃん)
そう思っていると、男性が急に胸に手を当て倒れこむ
周りには交通にんは居らず、男性は息が絶え絶えの状態で意識を失う
「大変っ、…救急車…」
助けなきゃと、電話ボックスを探しているとクロさんが私の肩に手を置く
「これが仕事です。」
そう言い雪さんの方を指差す
男性の方へ歩みより、私にしたように枝切りハサミを首元へ向けガシャンっと勢い良く切る
「そんなっ、なんてことを…」
すると切られた男性の首元から白く柔らかな球体のようなものが現れる
球体は空へ空へとゆっくりと上がっていき、遂には見えなくなっていた
男性へと目を向けると切られたはずの首には傷が1つもなかった
「…?」
「今の白い物体は、男性の魂です。死神の仕事は、生を失った体から魂を切り離す。つまり、死を宣告することです。」
「死を、宣告する…。」
「辛い仕事ではありますが、これをしないと永遠に魂は体から離れることは出来ず苦しみだけが残ります。切り離すにも技術がいり、綺麗に切れないと魂が傷つき来世に影響を与えてしまうのです。」
切るだけが死神だと思っていた私は、作業の大変さと常に死に関わっていることを改めて知る
切り終え私の方へ歩いてくる
「よーし、次行くぞー」
「まだ、あるの?」
毎日どれほどの数を扱っているのか知らないけど、1回見ているだけの私は限界だった
自らの手で人の人生を終わらせるのは冗談でも良いとは言えない
「今回のノルマは達成しています。審問会へ向かってはどうでしょう?」
「そうだな」
それじゃっと、また私を担ぎ上げられる
「あの、この体勢は不安定で怖いんですが…」
オロオロしながら言う
「大丈夫大丈夫」
(いや、私が大丈夫じゃない)
っよ、とまた勢い良く飛ぶ
「んうっ…!!」
「…。」
震える体を見て、担ぎ上げた体勢から抱き寄せる形へと変えていった
体に体重をかけ、彼の右手が背中に、左手が太もも裏にあるのが分かった
私は落ちないように両腕を雪さんの首元に絡めて必死にしがみついた
「えぇぇぇぇ!そんなことより高ぁぁぁぁぁぁい…」
叫ぶ私の反応を見てゲラゲラ笑う最低男に、唯一使える両手で雪さんの上着にしっかり捕まる
「絶対に落とさないでよ…。」
「離さねぇよ」
涙目の私に向かって安心しろと言い、楽しそうに目的に向かう
「絶対だよ…っ」
「はーい」
ビュンビュンスピードを増していき、目を強く瞑る
この担ぎ上げられた体勢がなんとも不安定で、ちょっと動いただけでも崩れて落ちてしまいそうな、ジェットコースターより不安にさせる浮遊感がこれは現実だと告げていた
目的地に着いたらしく私を地べたに、よっと置く
(戻しちゃいそう…)
うぅ…っと胸辺りの気持ち悪さを必死に押さえる
(姿くらましした後ってこんなんなのかな…)
「うっ、…ううぅ…」
(今私、2日酔いで倒れこんでるおじさんと大差ない感じ…)
「クロ。どいつだ?」
「あの髪を1つに結んでいるやせがたの男性です。あと数秒です。」
「ちょうどいいじゃん」
「っう、うぅ…。ん?」
今から何が起こるのか聞きたいけど、座っているだけで精一杯の私は口を開くことすらできなかった
クロさんが言っていた人相の人を見つけ、気分が悪いながら見つめる
(普通に歩いているだけじゃん)
そう思っていると、男性が急に胸に手を当て倒れこむ
周りには交通にんは居らず、男性は息が絶え絶えの状態で意識を失う
「大変っ、…救急車…」
助けなきゃと、電話ボックスを探しているとクロさんが私の肩に手を置く
「これが仕事です。」
そう言い雪さんの方を指差す
男性の方へ歩みより、私にしたように枝切りハサミを首元へ向けガシャンっと勢い良く切る
「そんなっ、なんてことを…」
すると切られた男性の首元から白く柔らかな球体のようなものが現れる
球体は空へ空へとゆっくりと上がっていき、遂には見えなくなっていた
男性へと目を向けると切られたはずの首には傷が1つもなかった
「…?」
「今の白い物体は、男性の魂です。死神の仕事は、生を失った体から魂を切り離す。つまり、死を宣告することです。」
「死を、宣告する…。」
「辛い仕事ではありますが、これをしないと永遠に魂は体から離れることは出来ず苦しみだけが残ります。切り離すにも技術がいり、綺麗に切れないと魂が傷つき来世に影響を与えてしまうのです。」
切るだけが死神だと思っていた私は、作業の大変さと常に死に関わっていることを改めて知る
切り終え私の方へ歩いてくる
「よーし、次行くぞー」
「まだ、あるの?」
毎日どれほどの数を扱っているのか知らないけど、1回見ているだけの私は限界だった
自らの手で人の人生を終わらせるのは冗談でも良いとは言えない
「今回のノルマは達成しています。審問会へ向かってはどうでしょう?」
「そうだな」
それじゃっと、また私を担ぎ上げられる
「あの、この体勢は不安定で怖いんですが…」
オロオロしながら言う
「大丈夫大丈夫」
(いや、私が大丈夫じゃない)
っよ、とまた勢い良く飛ぶ
「んうっ…!!」
「…。」
震える体を見て、担ぎ上げた体勢から抱き寄せる形へと変えていった
体に体重をかけ、彼の右手が背中に、左手が太もも裏にあるのが分かった
私は落ちないように両腕を雪さんの首元に絡めて必死にしがみついた
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