逍遙の殺人鬼

こあら

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「で?その残党の目星は付いてんの?」

「手首に火傷の跡が付いてるらしい」

「”らしい”って何だよ、自信なさげ。っあ!!」

「居たか?」

「ちーちゃんとひさしがゲームしてる。」

お前、真剣に探す気ないだろ
カジノ大好きだもんな

こんな騙して騙される所の何が良いんだ
安っぽい小細工かまして、バレバレの手つきで楽しさのカケラもない
まぁ、監視カメラに気付かれにように不正するのは楽しいけどな

「あんなにベッタリくっついちゃって。」

「おい」

「嫉妬した?」

「黙れ」

遊びに来たんじゃないんだ、真面目に探せと言えば「じゃ、ボク西ね。」とかほざいてスロットの方に行きやがった
こんな大勢居る中で探し出すのは、森ん中で葉っぱを見つけ出すのと同じくらい難しい
しかも、顔は知らない
手首の火傷が手がかりなら、尚更だ









客をひとりひとり確認してみるが、全くそれらしい人物は見つからない
(いや待てよ、そもそもここに居るとは限らない)

店で働いている可能性だって十分ある
黒服か?
ディーラーか?
それともバーテンか?

(見つけ出すところか、範囲広げてどうすんだよ…)

手首に火傷……あの場所が燃えて、逃げ出す時に負った傷か
絶対に、そいつは例の薬と関係している
てことは、間接的にもあいつらとも繋がってやがるはずだ

「必ず見つけ出して吐かせてやる」

_____どれだけ時間が掛かろうと、何日かかろうとだ

《ビリヤードのところには居ない。》

《スロットも同じく、火傷のやの字も無い。》

「客だけじゃなく店の奴らかもしれない。その事を頭に入れて探してくれ」

《はいよ。》

《分かった。》

カメが使えないんじゃ、探し出すのは結構時間がかかるな
3人でやるしかない

(ダーツにも居ないか)

運が良いのか悪いのか、真冬でもカジノここは暑過ぎるくらいの室温だ
そのお陰で半袖や腕を捲ってる奴が殆ど
探しやすい環境でも、大勢を裁くのは至難の業

「ルタスのチョコはいかがですか?」

「いや、要らない」

「無償でお配りしてますので、」

「いいか、俺は要らない」

風俗街並みのキャッチ量だな
うんざりするくらい多い
(こんな状況で菓子なんか食えるかよ)

早く見つけ出して聞き出す
それが最優先だ

あの人を……ナツさんを苦しめた奴の名を突き止める為に
地道だが一歩一歩進まなきゃいけない
最初から知っていればこんなに苦労はしないが、関わった奴諸共全員殺す

(トランプゲームの方はまだ見てなかったな。…ん?)

あいつが笑ってる姿は、遠目でしか見たことがない
俺の前では怖がるくせに、馬鹿正直にこんな所カジノに来たいだなんて言い出して
役に立ちだとか……弱いあんたに何が出来んだよ

「おい、あんた」

「っあ!ジャンさんだー」

(なんだ?いつもと様子が…)「おい…」

「私今からハネムーン行くんです。…えっと、誰と行くんでしたっけ?」

腑抜けた顔で何ほざいてんだ?
全身に力が入ってないこの感じ、酒でも飲んだのか?

いや、コイツは自分から飲まない
カメも飲ませる訳ない
そもそも酒じゃないのか?アルコールの匂いはしない

「はいはい!僕とハネムーン行くんだよね。5年くらい向こうに、」

「おいカメ、しっかりしろ。フラつくな」

どうなってる、コイツ見ながら酒なんか飲むはずねぇし
そもそもさっき見た時は普通にゲームしてたはずだ
そん時は普通に見えた

目を離してほんの数分だ
そんな短時間で何があったんって言うんだ

「ジャンさん、ぎゅー」

「はぁ?あんた正気じゃないぞ」

「ぎゅうー、えへへ」

「あんた何か食ったか?」

コイツもカメもまともじゃない
まさか、さっきっからしつこく出て来るあの菓子のせいか?
確か………ルタスとか言ってた、チョコレート
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