191 / 333
192
しおりを挟む
「到着♪」と車のエンジンを切ってシートベルトを外す春さんは、ここが家だよと私に紹介してくれた
「ここって、バーじゃ…」(前に1度連れてこさせられた)
「地下はね。でもこの建物所有してるのアタシだから、あんま気にしなくていいよ」
「お金持ちなんですね…スゴイ」
地下は(オカマ?)バーで、それ以外は普通に家として使えているんだとか
「どうぞ」と手招きしてくる春さんに従って中に入ると、確かに外観とは違って普通の家だった
それにもスゴイ…と感動してしまう
ここがトイレ、こっちがリビングねと間取りを丁寧に教えてくれる
荷物こそ多くないものの、1番驚いたのはお風呂の大きさだ
普通のお風呂の大きさより2回りぐらい広いよ?
小さいよりかは良いけど…
(私が寝る部屋は左の…)
「ちーちゃん、こっちこっち」
「っあ、はい!」(何かな?)
「これ、ジャンが12の時の写真。結構可愛い顔してるでしょ」
「本当ですね…」(相変わらず整った顔)
中学校の卒業アルバムを広げて指差し、示してくれる
そこにはまだあどけないジャンさんの学ラン姿が写っている
笑顔じゃないけど、今のジャンさんからしたら全然可愛らしかった
そして同じページに中学生の春さんもいた
あり得ないくらい綺麗で、一瞬女の子と見間違えるほど無茶苦茶可愛く写っている
5回に3回は半目になる私とは大違いだ
目の大きさなんて比べ物にならない
こんな綺麗な顔した子が一緒だったら、毎日目の保養になるな…と納得してしまう
(学ランを着ていなければ男だとは思わないもの)
「こっちは修学旅行の時」とページをめくって見せてくれる春さんは、率先してジャンさんの写真を見せてくる
何故に?…
まあ、見ますけどね
「すごい嫌そうな顔」
「小さい頃からしかめっ面してたんだよな。一部の女子からは結構人気だったんだよ?誰も近寄らなかったけど、顔はイケメンだからね」
「春さも人気者じゃないですか!ほらここのコメントに"学校1の美少年"って書かれてますよ」
「そんな事もあったなー。っあ、そういやー、アタシとジャンがいつも一緒にいるもんだから"ゲイカップル"とか言いやがる奴もいたな。ま、後でしごいたけど」
なんだって?今さらっとすごいパワーワード言いましたよね?
まあ………聞こえなかったことにしよう
うん…それが良い…
若干の冷や汗をかいている私に、春さんは「もっと前のもあるよ」と、ここぞとばかりに出してくる
こんな機会無いのだからと、その誘惑に負けてしまっている私には何も言えないのだか…
「これ8歳ぐらいの時」と言っては少しだけ古びた感じの写真を手渡してくれる
そこにはまるで良い所のお坊っちゃんみたいに子供用スーツを着ているジャンさんと春さんがカメラ目線で写っていた
勿論ジャンさんは笑っていない
対象的に春さんは、とびきり可愛いスマイルをしている
「実はここにジャンの写真飾ってやってんの。せっかくだからと思って置いてるのに、あいつ"捨てろ"とか言うのよ」
「本当に仲良しなんですね。ん?春さん、この写真は何ですか?」
「これは13の時の写真。隣に居るのは小春さんっていって、大切な人。もうこの世にはいないんだけどね」
「…亡くなられたんですか。すいません、辛いこと聞いて」
春さんと小春さんという女性が写る写真は、桜色のキレイな写真立てにしまわれていた
それを手に取って憂いげな表情をしては、「天罰が下ったんだよ」と冷めた声で言い放った
その言葉が、やけに重く心にのしかかった
小春さんがどうやって亡くなったのかは知らない
写真から得られる情報は、とても綺麗で優しげな人だということと、その隣で今まで見たことない幸せそうな春さんが写っていることだけだった
春さんの大切な人、そんな人の死に対して"天罰が下った"だなんて言葉を言って欲しくない
だって…今だって、写真を見てはすごく悲しげに見えるから
「春さん…亡くなった方にその言葉は…いくらなんでも、」
「違う。天罰が下ったのはアタシの方だよ。いつまでも一緒に居られると思って、側にいることの有り難さを忘れてたから…だから俺から小春を取り上げたんだよ」
「そんな悲しいこと言わないでください。春さんのせいじゃないですよ…」
「悪い悪い、重苦しい雰囲気になった)。まあ、アタシよりジャンの方が辛かったんじゃないかな。あいつナツさんのことめちゃくちゃ好きだったから」
「ここって、バーじゃ…」(前に1度連れてこさせられた)
「地下はね。でもこの建物所有してるのアタシだから、あんま気にしなくていいよ」
「お金持ちなんですね…スゴイ」
地下は(オカマ?)バーで、それ以外は普通に家として使えているんだとか
「どうぞ」と手招きしてくる春さんに従って中に入ると、確かに外観とは違って普通の家だった
それにもスゴイ…と感動してしまう
ここがトイレ、こっちがリビングねと間取りを丁寧に教えてくれる
荷物こそ多くないものの、1番驚いたのはお風呂の大きさだ
普通のお風呂の大きさより2回りぐらい広いよ?
小さいよりかは良いけど…
(私が寝る部屋は左の…)
「ちーちゃん、こっちこっち」
「っあ、はい!」(何かな?)
「これ、ジャンが12の時の写真。結構可愛い顔してるでしょ」
「本当ですね…」(相変わらず整った顔)
中学校の卒業アルバムを広げて指差し、示してくれる
そこにはまだあどけないジャンさんの学ラン姿が写っている
笑顔じゃないけど、今のジャンさんからしたら全然可愛らしかった
そして同じページに中学生の春さんもいた
あり得ないくらい綺麗で、一瞬女の子と見間違えるほど無茶苦茶可愛く写っている
5回に3回は半目になる私とは大違いだ
目の大きさなんて比べ物にならない
こんな綺麗な顔した子が一緒だったら、毎日目の保養になるな…と納得してしまう
(学ランを着ていなければ男だとは思わないもの)
「こっちは修学旅行の時」とページをめくって見せてくれる春さんは、率先してジャンさんの写真を見せてくる
何故に?…
まあ、見ますけどね
「すごい嫌そうな顔」
「小さい頃からしかめっ面してたんだよな。一部の女子からは結構人気だったんだよ?誰も近寄らなかったけど、顔はイケメンだからね」
「春さも人気者じゃないですか!ほらここのコメントに"学校1の美少年"って書かれてますよ」
「そんな事もあったなー。っあ、そういやー、アタシとジャンがいつも一緒にいるもんだから"ゲイカップル"とか言いやがる奴もいたな。ま、後でしごいたけど」
なんだって?今さらっとすごいパワーワード言いましたよね?
まあ………聞こえなかったことにしよう
うん…それが良い…
若干の冷や汗をかいている私に、春さんは「もっと前のもあるよ」と、ここぞとばかりに出してくる
こんな機会無いのだからと、その誘惑に負けてしまっている私には何も言えないのだか…
「これ8歳ぐらいの時」と言っては少しだけ古びた感じの写真を手渡してくれる
そこにはまるで良い所のお坊っちゃんみたいに子供用スーツを着ているジャンさんと春さんがカメラ目線で写っていた
勿論ジャンさんは笑っていない
対象的に春さんは、とびきり可愛いスマイルをしている
「実はここにジャンの写真飾ってやってんの。せっかくだからと思って置いてるのに、あいつ"捨てろ"とか言うのよ」
「本当に仲良しなんですね。ん?春さん、この写真は何ですか?」
「これは13の時の写真。隣に居るのは小春さんっていって、大切な人。もうこの世にはいないんだけどね」
「…亡くなられたんですか。すいません、辛いこと聞いて」
春さんと小春さんという女性が写る写真は、桜色のキレイな写真立てにしまわれていた
それを手に取って憂いげな表情をしては、「天罰が下ったんだよ」と冷めた声で言い放った
その言葉が、やけに重く心にのしかかった
小春さんがどうやって亡くなったのかは知らない
写真から得られる情報は、とても綺麗で優しげな人だということと、その隣で今まで見たことない幸せそうな春さんが写っていることだけだった
春さんの大切な人、そんな人の死に対して"天罰が下った"だなんて言葉を言って欲しくない
だって…今だって、写真を見てはすごく悲しげに見えるから
「春さん…亡くなった方にその言葉は…いくらなんでも、」
「違う。天罰が下ったのはアタシの方だよ。いつまでも一緒に居られると思って、側にいることの有り難さを忘れてたから…だから俺から小春を取り上げたんだよ」
「そんな悲しいこと言わないでください。春さんのせいじゃないですよ…」
「悪い悪い、重苦しい雰囲気になった)。まあ、アタシよりジャンの方が辛かったんじゃないかな。あいつナツさんのことめちゃくちゃ好きだったから」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる