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「だれか……助けてっ…」
弱気で今にも途絶えそうな息で放った
暗闇に閉じ込めれた私を、誰か救い出してと願った
扉が閉まったことで部屋の中は明かり1つない暗闇へと変わり、私を孤独にさせる
一瞬見えたものに全身が震え、心臓がバクバクで喉の奥が締め付けられているみたいに呼吸が苦しい
扉にしがみつくみたいに座り込んでは、涙で目元を濡らした
あまり使われていない物置部屋
人など通らない
私は誰かが探しに来るまで、ここに居なければいけないという事だ
(そんなの嫌だ……)
だって、今にもあの棚から……降りてきそうで……
私の所に来そうで…
ガタンッ!……、そう扉が音を鳴らした
扉が閉まってそう時間は経っていないはず
しがみついた扉が動くのを感じ、うつむいた面を上げた
ゆっくりと光が差し込むのを細目で見た
開く扉の先に見えるのは人影で、逆光に負けて鮮明に目視する事はできなかった
眩しさと扉が開いたことによる安心感、そして恐怖心が入り混じっていてすぐには立ち上がる事ができない
涙でぼやける中、その人は私に向かって歩いて来た
開いた扉に手を付いては、私を見下ろし言った
「驚いたか?ちさ。」
「ギュウ、君…」(…どうして……)
「ドッキリ大成功だな。でしょ?シスター。」
「…"ドッキリ"?」
ドッキリで私を閉じ込めて、こんな怖い思いをさせたの?
ギュウ君よ、それは流石に酷過ぎる
私が怖がりだと知っているはずなのに、どうしてそんな事ができるのか…
ゆっくりと立ち上がる私は、少しの怒りと消えきれない恐怖心をギュウ君にぶつけた
私が怒っていることに気づいた彼は「おっと…」と流石にやりすぎたと思ったらしい
その様子を見ていたシスターシオリはケロッとした感じて「まあまあ。」と私をなだめようとして来る
2人してなんだ…
やっぱり結託して私を馬鹿にして、本当に酷い
シスターシオリも、やっぱり演技だったということだ
あんな迫真の演技して、私は本当に心配していたのに
ギュウ君もギュウ君だ
こんな子供じみたことに乗っかるなんて、いつもの大人な対応はどこへやら……
「いくら"ドッキリ"だからって、閉じ込めるなんて……。しかも、あんなリアルなマネキンまで使うなんて」
「"マネキン"?何言ってんだよ。俺らは扉を少しの間閉めただけだぞ。」
「え……。じゃあ………あそこに居たのは…」
後ろに振り向いてその存在を確認した
私に恐怖心を植え付けたと言っても過言じゃないそれは、1番奥の光が届きづらい棚の上にあって、私に向かって落とした
それはまだ頭にあって、若干乾き始めている
幻覚なんかじゃ無い
見間違いでも無い
開ききった扉によって出来た光の筋は、棚元を照らし私はおかしくないという事を確かな物にしてくれた
2人で話し合っている彼らに、私は震える声であれはっ…と呼びかけた
それはやはり、マネキンとは言い難く未だに滴らせていた
私の呼びかけに違和感を覚えた2人は口を揃えて「どうした?」と聞いてくる
あれと指差し、彼らにあれはマネキンじゃないの…?と細々と聞いた
「何だあれ!?」
「ギュウ君たちが仕掛けたんじゃないの…?」
「俺らじゃない!だって…あれは…」
「…シスター、エリにそっくり……」(そっくり過ぎるマネキンだ。)
明らかに動揺を示すギュウ君は、まだ状況が飲み込めていない様だった
私だってそれは同じだ
「そんな…。」と両手で口元を覆うシスターシオリも、どういう事なのか理解できていなかった
これも2人がやったことじゃないの?
そうだとしたら…あれは、本物のシスターエリだと言う事…なの?
弱気で今にも途絶えそうな息で放った
暗闇に閉じ込めれた私を、誰か救い出してと願った
扉が閉まったことで部屋の中は明かり1つない暗闇へと変わり、私を孤独にさせる
一瞬見えたものに全身が震え、心臓がバクバクで喉の奥が締め付けられているみたいに呼吸が苦しい
扉にしがみつくみたいに座り込んでは、涙で目元を濡らした
あまり使われていない物置部屋
人など通らない
私は誰かが探しに来るまで、ここに居なければいけないという事だ
(そんなの嫌だ……)
だって、今にもあの棚から……降りてきそうで……
私の所に来そうで…
ガタンッ!……、そう扉が音を鳴らした
扉が閉まってそう時間は経っていないはず
しがみついた扉が動くのを感じ、うつむいた面を上げた
ゆっくりと光が差し込むのを細目で見た
開く扉の先に見えるのは人影で、逆光に負けて鮮明に目視する事はできなかった
眩しさと扉が開いたことによる安心感、そして恐怖心が入り混じっていてすぐには立ち上がる事ができない
涙でぼやける中、その人は私に向かって歩いて来た
開いた扉に手を付いては、私を見下ろし言った
「驚いたか?ちさ。」
「ギュウ、君…」(…どうして……)
「ドッキリ大成功だな。でしょ?シスター。」
「…"ドッキリ"?」
ドッキリで私を閉じ込めて、こんな怖い思いをさせたの?
ギュウ君よ、それは流石に酷過ぎる
私が怖がりだと知っているはずなのに、どうしてそんな事ができるのか…
ゆっくりと立ち上がる私は、少しの怒りと消えきれない恐怖心をギュウ君にぶつけた
私が怒っていることに気づいた彼は「おっと…」と流石にやりすぎたと思ったらしい
その様子を見ていたシスターシオリはケロッとした感じて「まあまあ。」と私をなだめようとして来る
2人してなんだ…
やっぱり結託して私を馬鹿にして、本当に酷い
シスターシオリも、やっぱり演技だったということだ
あんな迫真の演技して、私は本当に心配していたのに
ギュウ君もギュウ君だ
こんな子供じみたことに乗っかるなんて、いつもの大人な対応はどこへやら……
「いくら"ドッキリ"だからって、閉じ込めるなんて……。しかも、あんなリアルなマネキンまで使うなんて」
「"マネキン"?何言ってんだよ。俺らは扉を少しの間閉めただけだぞ。」
「え……。じゃあ………あそこに居たのは…」
後ろに振り向いてその存在を確認した
私に恐怖心を植え付けたと言っても過言じゃないそれは、1番奥の光が届きづらい棚の上にあって、私に向かって落とした
それはまだ頭にあって、若干乾き始めている
幻覚なんかじゃ無い
見間違いでも無い
開ききった扉によって出来た光の筋は、棚元を照らし私はおかしくないという事を確かな物にしてくれた
2人で話し合っている彼らに、私は震える声であれはっ…と呼びかけた
それはやはり、マネキンとは言い難く未だに滴らせていた
私の呼びかけに違和感を覚えた2人は口を揃えて「どうした?」と聞いてくる
あれと指差し、彼らにあれはマネキンじゃないの…?と細々と聞いた
「何だあれ!?」
「ギュウ君たちが仕掛けたんじゃないの…?」
「俺らじゃない!だって…あれは…」
「…シスター、エリにそっくり……」(そっくり過ぎるマネキンだ。)
明らかに動揺を示すギュウ君は、まだ状況が飲み込めていない様だった
私だってそれは同じだ
「そんな…。」と両手で口元を覆うシスターシオリも、どういう事なのか理解できていなかった
これも2人がやったことじゃないの?
そうだとしたら…あれは、本物のシスターエリだと言う事…なの?
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