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「どうしたんだよ。せっかくだし、倉庫の中見れば?」
「わっ分かってる…」
離れにある倉庫
それはシスターシオリが近づかないようにと忠告した場所だ
危ないからと言われるより"幽霊が出る"と言われた方が、私は近づきたくないと警戒心を尖らせてしまう
オバケや幽霊が怖いだなんて言ったら、大抵の人は笑って呆れてしまうだろう
多くの人は朝から幽霊なんて出ないって言うだろうし、幽霊なんて信じてるの?と引く人もいるかもしれない
18にもなってそんな曖昧な存在に怯えてると認知するのも相当恥ずかしい
だからそれを悟られないように、私はギュウ君の後に続いて倉庫に歩き進んだ
私だって、怖くても逃げない勇気くらいはある
_____"私は大丈夫"そう心の中で唱えて、薄暗い倉庫へと潜入した
「結構広いだろ。毎日この倉庫を往復するんだけど、毎回このスケールに圧巻されんだ。」
「確かに…大きい…。それに…何か出そう……」
「ちさは本当にビビりだな。こう言うのを世間一般ではひよってるって言うらしいぞ。」
「ひよってなんかっないよ…」
そう言う割には妙に焦っているではないか…
ビビってますし、超超超超怖いです……
脚なんて生まれたての子鹿どころか、杖を持ったお婆ちゃんみたいに全然前に進めてはいない
…っお、おう…怖くなんかないぞ…と、心の中の私は強がりで、でも恐怖心を隠せずにいる
もし今ここにギュウ君が居なかったら、発狂して泣き喚いていたかもしれない
よいしょっと荷物を積み上げるギュウ君を見守って、ソワソワしながら待っている
入り口付近で止まった脚は、それ以上内部に進もうとはせずに留まっている
そのせいか倉庫内全体が見渡せるように視界内に入ってきて、ある疑問が生まれた
(なんだろう…何か、変だな…)
ギュウ君毎日倉庫に荷物運んでるって言ってたよね?
なのに、倉庫内に今日彼が運んだ物以外の荷物が見当たらない
どれくらいの荷物がここに運ばれるのか分からないが、毎日運ばれているはずなのに、その分の荷物はどこに…?
その絶妙な違和感に納得がいかなくて、怖かったはずの心を押し殺して脚を動かした
「ちさ?」
「…昨日も倉庫に荷物運んだ?」
「ああ、毎日ここに運んでるぞ。どうしてそんなこと聞くんだよ。」
「昨日の分の荷物は?どこに行ったの?」
キョロキョロ倉庫内を探索するみたいに見渡しても、荷物は見当たらない
痕跡すら無いように思える
私は探偵に、なりきって彼が運んだとすると…と考えを巡らせた
また慣れない事してるって分かってはいたが、疑問を解決したいと思った以上私は止まらなかった
荷物は毎日運ばれてくる
でも、翌日になると前日分の荷物は何処かへ消えてしまう
「俺は下働きで運ぶとこまでが仕事だからなー、誰かが荷解きでもしたんじゃないか?」
「あの量を?誰が?」
「知らないけど…何でそんな事に突っかかってくるんだよ。」
「………。ねぇ、それ一つ開けてもいい?」
ギュウ君が止める前に私は箱の上部を開けようと動いた
一応聞いたけど、答えなんて関係なく開けようとしていた
まさかの行動にギュウ君は焦り、必死で私を荷物から引き剥がした
きっと大切な物なのだろう
そんな風にされたら、余計気になるではないか
駄目と止められれば、見たくなるのが人の性
ギュウ君には悪いが、見させて頂きます
「っちょ、勝手に開けたら怒られるって…」
「1つぐらい大丈夫だよ。それに、ギュウ君も気になるでしょ」
「俺が気にしてんのは、ちさが変なことして怒られないかだよ!やめとこうって…」
「1つだけ!見たらすぐ蓋するから!!ねえ?いいでしょ、お願い」
私はこれまでに無いくらい気色悪い頼みごとをしている
今この状況を第三者目線で見ていたら、きっとゲロというゲロを出しまくっていただろう
こんな慣れないことして…きっと顔だって引きつっているだろ……
(Oh……My God…)
「わっ分かってる…」
離れにある倉庫
それはシスターシオリが近づかないようにと忠告した場所だ
危ないからと言われるより"幽霊が出る"と言われた方が、私は近づきたくないと警戒心を尖らせてしまう
オバケや幽霊が怖いだなんて言ったら、大抵の人は笑って呆れてしまうだろう
多くの人は朝から幽霊なんて出ないって言うだろうし、幽霊なんて信じてるの?と引く人もいるかもしれない
18にもなってそんな曖昧な存在に怯えてると認知するのも相当恥ずかしい
だからそれを悟られないように、私はギュウ君の後に続いて倉庫に歩き進んだ
私だって、怖くても逃げない勇気くらいはある
_____"私は大丈夫"そう心の中で唱えて、薄暗い倉庫へと潜入した
「結構広いだろ。毎日この倉庫を往復するんだけど、毎回このスケールに圧巻されんだ。」
「確かに…大きい…。それに…何か出そう……」
「ちさは本当にビビりだな。こう言うのを世間一般ではひよってるって言うらしいぞ。」
「ひよってなんかっないよ…」
そう言う割には妙に焦っているではないか…
ビビってますし、超超超超怖いです……
脚なんて生まれたての子鹿どころか、杖を持ったお婆ちゃんみたいに全然前に進めてはいない
…っお、おう…怖くなんかないぞ…と、心の中の私は強がりで、でも恐怖心を隠せずにいる
もし今ここにギュウ君が居なかったら、発狂して泣き喚いていたかもしれない
よいしょっと荷物を積み上げるギュウ君を見守って、ソワソワしながら待っている
入り口付近で止まった脚は、それ以上内部に進もうとはせずに留まっている
そのせいか倉庫内全体が見渡せるように視界内に入ってきて、ある疑問が生まれた
(なんだろう…何か、変だな…)
ギュウ君毎日倉庫に荷物運んでるって言ってたよね?
なのに、倉庫内に今日彼が運んだ物以外の荷物が見当たらない
どれくらいの荷物がここに運ばれるのか分からないが、毎日運ばれているはずなのに、その分の荷物はどこに…?
その絶妙な違和感に納得がいかなくて、怖かったはずの心を押し殺して脚を動かした
「ちさ?」
「…昨日も倉庫に荷物運んだ?」
「ああ、毎日ここに運んでるぞ。どうしてそんなこと聞くんだよ。」
「昨日の分の荷物は?どこに行ったの?」
キョロキョロ倉庫内を探索するみたいに見渡しても、荷物は見当たらない
痕跡すら無いように思える
私は探偵に、なりきって彼が運んだとすると…と考えを巡らせた
また慣れない事してるって分かってはいたが、疑問を解決したいと思った以上私は止まらなかった
荷物は毎日運ばれてくる
でも、翌日になると前日分の荷物は何処かへ消えてしまう
「俺は下働きで運ぶとこまでが仕事だからなー、誰かが荷解きでもしたんじゃないか?」
「あの量を?誰が?」
「知らないけど…何でそんな事に突っかかってくるんだよ。」
「………。ねぇ、それ一つ開けてもいい?」
ギュウ君が止める前に私は箱の上部を開けようと動いた
一応聞いたけど、答えなんて関係なく開けようとしていた
まさかの行動にギュウ君は焦り、必死で私を荷物から引き剥がした
きっと大切な物なのだろう
そんな風にされたら、余計気になるではないか
駄目と止められれば、見たくなるのが人の性
ギュウ君には悪いが、見させて頂きます
「っちょ、勝手に開けたら怒られるって…」
「1つぐらい大丈夫だよ。それに、ギュウ君も気になるでしょ」
「俺が気にしてんのは、ちさが変なことして怒られないかだよ!やめとこうって…」
「1つだけ!見たらすぐ蓋するから!!ねえ?いいでしょ、お願い」
私はこれまでに無いくらい気色悪い頼みごとをしている
今この状況を第三者目線で見ていたら、きっとゲロというゲロを出しまくっていただろう
こんな慣れないことして…きっと顔だって引きつっているだろ……
(Oh……My God…)
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