93 / 333
93
しおりを挟む
車は進み私達の番が回ってくる
車から降りて差し出された手を握れば、ようこそと門番が歓迎してくれる
行きましょうかと握る主に言おうと向くと、それが誰なのか一瞬分からなかった
仮面で隠された顔により認識は遅れ、えっと…と私を悩ませる
私を見てニコッと笑うと、その人が臼田さんだと分かり安堵した
「レイモンドだ」
「レイモンド様御一行確認しました。どうぞ。」
"レイモンド"、それはあの女の人に使っていた偽名で、私はレイモンドの助手という役を担っている
そう、私は遊びに来たわけではない
だけど、こんな非日常に心が高鳴る
仮面を着けた臼田さんに手を引かれ、中に入ると色んな仮面を着けた人々で賑わっていた
ざわめく大通りを抜けて大ホールに着くと、真っ先に目に入ったのはフルーツの盛り合わせや取り放題と言わんばかりに並んでいる料理たちだ
そんなご馳走を前に、ヨダレが出そうだが口周りの締りを強くし隣の臼田さんに行ってもいいか目で訴えた
それに気づくと、笑いながら「いいよ」と言ってくれる
「ありがとうございます!お2人の分も持ってきますね!!」
「ちさちゃん嬉しそうだね。」
私はその興奮冷めやらない気持ちでバイキング場に向かった
そこには作りづらいものから、滅多に食べることのない料理がずらりと並べてられている
その中で私が目をつけたのは、やっぱりパフェだろう
イチゴパフェかバナナパフェ、さてどちらを選ぶか…
いや、ここはまずちゃんと主食を食べたほうがいいかな
取り敢えずワンプレートに取れるだけの主食を取り、2人元に帰ることにした
2人は何やら話し込んでたみたいだったが、私は気づいておらず空気が読めない女みたいに間に割って入る
お待たせしました、だなんて呑気に言ってしまう
「色々あって迷ったんですが、取れるだけふんだくって来ました!」
「あんたの分は」
「2皿分しか持てなくて…でも大丈夫でっぐ…」
「毒味しろ」
そう言ってえび天を口に突っ込んでくる
嫌とは言わせない彼の強引さに、眉をひそめるが仮面で見えてはいない
(美味しいけど………)
モグモグと食べ進めると、今度は臼田さんが「はい、あーん」とハンバーグを食べさせてくる
反射的に反応してしまい、ッハと気づいた時にはそれは口の中に入ってしまっていて、既に手遅れな状態だった
2人に食べてもらおうと思って持ってきたのに、何かと食べさせようとしてくる
「持ってろ」
「っえ、でもこれジャンさんの…、どこ行くんですか?」
「あー…、ちさちゃん向こうにパフェがあるよ」
「そうなんですよ!でも、イチゴパフェかバナナパフェか迷ってて」
悩む私に「どっちも食べたら?」と提案してくれるが、残念ながら2つ食べれるほどの余裕は残っていない
更にコルセットでウエストを締め付けられているので、いつもよりも量が入らない
ちょっと2つとお見合いしてきますね、と告げデザートコーナーに向う
どちらも捨てがたい美味しさなのは、承知
甘酸っぱさか滑らかさか……
腕を組みながら悩んでパフェを睨んでいれば、急により一層ザワザワと私の周りがざわめき始めたに
「貴方、どこのご令嬢?」
「え、ご令嬢?……」
「こちらが聞いてますの、お答えになって」
「私は令嬢では…」
華奢な体型に似合わないどでかいダイヤモンドのネックレスが目立つ彼女は、扇子で口元を隠し「では企業の方?」と見据えてくる
えっと……ジャンさんは何をしてる人って設定だったけ?
車から降りて差し出された手を握れば、ようこそと門番が歓迎してくれる
行きましょうかと握る主に言おうと向くと、それが誰なのか一瞬分からなかった
仮面で隠された顔により認識は遅れ、えっと…と私を悩ませる
私を見てニコッと笑うと、その人が臼田さんだと分かり安堵した
「レイモンドだ」
「レイモンド様御一行確認しました。どうぞ。」
"レイモンド"、それはあの女の人に使っていた偽名で、私はレイモンドの助手という役を担っている
そう、私は遊びに来たわけではない
だけど、こんな非日常に心が高鳴る
仮面を着けた臼田さんに手を引かれ、中に入ると色んな仮面を着けた人々で賑わっていた
ざわめく大通りを抜けて大ホールに着くと、真っ先に目に入ったのはフルーツの盛り合わせや取り放題と言わんばかりに並んでいる料理たちだ
そんなご馳走を前に、ヨダレが出そうだが口周りの締りを強くし隣の臼田さんに行ってもいいか目で訴えた
それに気づくと、笑いながら「いいよ」と言ってくれる
「ありがとうございます!お2人の分も持ってきますね!!」
「ちさちゃん嬉しそうだね。」
私はその興奮冷めやらない気持ちでバイキング場に向かった
そこには作りづらいものから、滅多に食べることのない料理がずらりと並べてられている
その中で私が目をつけたのは、やっぱりパフェだろう
イチゴパフェかバナナパフェ、さてどちらを選ぶか…
いや、ここはまずちゃんと主食を食べたほうがいいかな
取り敢えずワンプレートに取れるだけの主食を取り、2人元に帰ることにした
2人は何やら話し込んでたみたいだったが、私は気づいておらず空気が読めない女みたいに間に割って入る
お待たせしました、だなんて呑気に言ってしまう
「色々あって迷ったんですが、取れるだけふんだくって来ました!」
「あんたの分は」
「2皿分しか持てなくて…でも大丈夫でっぐ…」
「毒味しろ」
そう言ってえび天を口に突っ込んでくる
嫌とは言わせない彼の強引さに、眉をひそめるが仮面で見えてはいない
(美味しいけど………)
モグモグと食べ進めると、今度は臼田さんが「はい、あーん」とハンバーグを食べさせてくる
反射的に反応してしまい、ッハと気づいた時にはそれは口の中に入ってしまっていて、既に手遅れな状態だった
2人に食べてもらおうと思って持ってきたのに、何かと食べさせようとしてくる
「持ってろ」
「っえ、でもこれジャンさんの…、どこ行くんですか?」
「あー…、ちさちゃん向こうにパフェがあるよ」
「そうなんですよ!でも、イチゴパフェかバナナパフェか迷ってて」
悩む私に「どっちも食べたら?」と提案してくれるが、残念ながら2つ食べれるほどの余裕は残っていない
更にコルセットでウエストを締め付けられているので、いつもよりも量が入らない
ちょっと2つとお見合いしてきますね、と告げデザートコーナーに向う
どちらも捨てがたい美味しさなのは、承知
甘酸っぱさか滑らかさか……
腕を組みながら悩んでパフェを睨んでいれば、急により一層ザワザワと私の周りがざわめき始めたに
「貴方、どこのご令嬢?」
「え、ご令嬢?……」
「こちらが聞いてますの、お答えになって」
「私は令嬢では…」
華奢な体型に似合わないどでかいダイヤモンドのネックレスが目立つ彼女は、扇子で口元を隠し「では企業の方?」と見据えてくる
えっと……ジャンさんは何をしてる人って設定だったけ?
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
【R18】短編集【更新中】調教無理矢理監禁etc...【女性向け】
笹野葉
恋愛
1.負債を抱えたメイドはご主人様と契約を
(借金処女メイド×ご主人様×無理矢理)
2.異世界転移したら、身体の隅々までチェックされちゃいました
(異世界転移×王子×縛り×媚薬×無理矢理)
女の子がいろいろされる話
ききょきょん
恋愛
女の子がいじめらたり、いじられたり色々される話です。
私の気分であげるので、性癖とか方向性はぐちゃぐちゃです、よろしくお願いします。
思いついたら載せてくゆるいやつです。。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる