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2人が支度を進める間、洗濯をしたり掃除機をかけている
ドレスを着ているのに、その綺麗な服に似つかわしくない行動をしている
だが、待っている間の時間を口を開けて待っているのは
時間の無駄遣いというもので、何かしないで待っていることはできなかった
私は家事代行として雇われたんだから、ちゃんとお給料分の仕事をしなければ
給料泥棒なんて、罪深い
テレビのホコリを取っていると、聞き慣れた声で「何してんだ」と呼ばれる
それはジャンさんで、隣には臼田さんも居た
2人して仲良しみたいに全く同じスーツを着ている
髪型も同じで、何だか変な感じだ
違うところは顔と身長ぐらいだ
「何してたのー、ちさちゃん」
(あと身のこなし方かな、全然違う)
掃除していたことを伝えると「掃除のおばさん」とか言ってくるジャンさんは無視して、掃除を終えた
「行こうか」と暇になった手を握っては、リードするみたいに引いてくれる
「はい、ちさちゃんの靴」
「すいません、また買わせてしまって」
「良いの良いの。あ、ジャンのはこっちね」
靴を履いて臼田さんの方を向くと、何故かさっきより身長が大きく見受けられる
近くにいるせいとかでは無く、確実に高くなっている
隣にいるジャンさんとの身長差が縮まっている
それが妙に感じて直球な質問を投げかけた
すると臼田さんが厚底の靴を履いていて、その分身長が増したんだとか
まあ、そうでなければ身長は高くはならないか
「かめ今日は寝るなよ」
「大丈夫、ちゃんと熟睡したから。」
「助手席」
「はーい。」
どうぞと後部座席のドアを開けてくれる臼田さん
本当に紳士だな
車に乗ってシートベルトをすると前から「やっぱ後ろがいいな」と呟く声が聞こえたが、ジャンさんは無視している
(今から仮面舞踏会に行くのか…)
心なしかオペラ座の怪人を連想させる、仮面という単語にワクワクしている
舞踏会の出席者は、みんな仮面で顔を隠している
それは日常とは言い難いもので、普段の自分とはかけ離れた者になれる
(私も、なれるかしら…?)
自分のことを、好きになれる自分に
なれたりするのかな?……
仮面をつければ、私じゃない私に…なれるかな?
車の混み具合が多くなってきて、渋滞気味だ
だけどそれは舞踏会の人たちで前の車も、後ろの車もその後ろも、そのまた後ろも全部全部そうだ
暇になったのか、臼田さんは「これちさちゃんの」と助手席から顔を見せ渡してくる
それは今から行く舞踏会には欠かせない仮面だった
陶器のようになめらかで、切り絵みたいに透け透けであまり仮面の役割を果たせていない
でも一応感謝は伝えた
それを目元に着けて、紐を後ろで結んだ
若干の違和感があるものの、逆にそれが私の好奇心を更に掻き立てる
ドキドキでワクワクなそれはきっと仮面では隠せてはいないが、それでも楽しみを捨てることはできない
こうやって明るい考えをするのは、何だか気分がいい
こんな自分は嫌いじゃない
ドレスを着ているのに、その綺麗な服に似つかわしくない行動をしている
だが、待っている間の時間を口を開けて待っているのは
時間の無駄遣いというもので、何かしないで待っていることはできなかった
私は家事代行として雇われたんだから、ちゃんとお給料分の仕事をしなければ
給料泥棒なんて、罪深い
テレビのホコリを取っていると、聞き慣れた声で「何してんだ」と呼ばれる
それはジャンさんで、隣には臼田さんも居た
2人して仲良しみたいに全く同じスーツを着ている
髪型も同じで、何だか変な感じだ
違うところは顔と身長ぐらいだ
「何してたのー、ちさちゃん」
(あと身のこなし方かな、全然違う)
掃除していたことを伝えると「掃除のおばさん」とか言ってくるジャンさんは無視して、掃除を終えた
「行こうか」と暇になった手を握っては、リードするみたいに引いてくれる
「はい、ちさちゃんの靴」
「すいません、また買わせてしまって」
「良いの良いの。あ、ジャンのはこっちね」
靴を履いて臼田さんの方を向くと、何故かさっきより身長が大きく見受けられる
近くにいるせいとかでは無く、確実に高くなっている
隣にいるジャンさんとの身長差が縮まっている
それが妙に感じて直球な質問を投げかけた
すると臼田さんが厚底の靴を履いていて、その分身長が増したんだとか
まあ、そうでなければ身長は高くはならないか
「かめ今日は寝るなよ」
「大丈夫、ちゃんと熟睡したから。」
「助手席」
「はーい。」
どうぞと後部座席のドアを開けてくれる臼田さん
本当に紳士だな
車に乗ってシートベルトをすると前から「やっぱ後ろがいいな」と呟く声が聞こえたが、ジャンさんは無視している
(今から仮面舞踏会に行くのか…)
心なしかオペラ座の怪人を連想させる、仮面という単語にワクワクしている
舞踏会の出席者は、みんな仮面で顔を隠している
それは日常とは言い難いもので、普段の自分とはかけ離れた者になれる
(私も、なれるかしら…?)
自分のことを、好きになれる自分に
なれたりするのかな?……
仮面をつければ、私じゃない私に…なれるかな?
車の混み具合が多くなってきて、渋滞気味だ
だけどそれは舞踏会の人たちで前の車も、後ろの車もその後ろも、そのまた後ろも全部全部そうだ
暇になったのか、臼田さんは「これちさちゃんの」と助手席から顔を見せ渡してくる
それは今から行く舞踏会には欠かせない仮面だった
陶器のようになめらかで、切り絵みたいに透け透けであまり仮面の役割を果たせていない
でも一応感謝は伝えた
それを目元に着けて、紐を後ろで結んだ
若干の違和感があるものの、逆にそれが私の好奇心を更に掻き立てる
ドキドキでワクワクなそれはきっと仮面では隠せてはいないが、それでも楽しみを捨てることはできない
こうやって明るい考えをするのは、何だか気分がいい
こんな自分は嫌いじゃない
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