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ファスナーを締めてくれたジャンさんに感謝を告げると、お腹に手が回って来る
その手は私ではなくコルセットに向けられていて、迷うことなく的確に縛っていく
ぐっと縛られるそれに耐えられず、思わず本棚に手をつく
その拍子にガタンと棚が揺れるが、そんなことは気にしないのか彼の手は止まらなかった
着々と縛られていくウエストに若干の行く苦しさを感じるが、コルセットというのはそう言うものだからと心を落ち着かせる
彼に背を向け、本棚に手を付いて身体を支えているせいなのか、卑猥な体勢に思えて嫌だ
別にお尻を突き出しているわけじゃない、少し前屈みになっているだけだ
なのに、不規則に来る振動のせいで頭に浮かぶのは鄙陋なもので、猥りがわしいものだった
「終わりました……?」
「ああ」
その合図で棚から手を離し、身体の向きを変える
ありがとうございます、と言っているのに「あんたのケツ平ら」と人の感謝の気持ちを無視してくる
だから部屋から出ようとすると、二の腕を掴んで引き寄せるから訳がわからない
抱きしめるみたいに覆い被さってきては、結った三つ編みを解いていく
その器用な手で私の髪を無謀にすると「これ見ると苛つく」と言いながら違う髪型へと変えていった
"苛つく"って言われても、これのおかげでボリューム抑えられるし、何だか安心感があったから
なのに簡単に崩されてしまう
彼との距離が近いせいか、ジャンさんの匂いがする
何ものでもない、ジャンさんの香り
それを無意識に嗅ぐ
香水の匂いや、他の人の匂いのしないそれは心地良い
「ん」
「…終わりましたか?」
そう言うと身体を離してくれる
それを確認すべく手で触ると、ハーフアップのようにまとめられていて、彼が"苛つく"と言った三つ編みの感触もあった
ハーフアップの束は三つ編みでまとめているようだ
「ありがとうごさいっ、…!?」
「んあ?」
「なっなっな、なんで脱いでるんですか!?」
「俺も着替えるんだけど」
だからって脱がなくても!!!!
メイクが崩れないようにしながら顔を隠し彼の部屋から出た
露わになった彼の上半身を久しぶりに見た
一番最初に会った時もそんな感じだったのを思い出す
スラッとした体型には想像しづらい筋肉にタトゥー
把握してる範囲で胸板と首筋、それに右の中指に彫られている
中指のタトゥーだけよく分からない、マークのような模様が引っかかる
(魚みたいな…あれはどういう意味なんだろう)
「ちさちゃん、ちさちゃん」
「臼田さん?」
遠くから手招きする彼の方に歩いていくと「綺麗だね」と褒めてくれた
それは服であって私ではない…と思いたいが、そうではないみたいで私の手を引いては距離を縮めてくる
「これ」と言いながら渡してくるのは指輪だった
「見つけられるように」
「"見つけられるように"?逃げたりしませんよ」
「うん、分かってる。悪い虫が連れ去らないようにね」
"悪い虫"……
そんなもの寄ってこない、寄ってくるのはコバエぐらいだろう
はめてくれた指輪はシンプルで私の指を華奢に見せてくれる
何故か少し重く感じるのは気のせいだろうか?
「外さないでね」と言ってくる臼田さんに、外しません!と誓を立てた
「臼田さんは着替えないんですか?」
「僕はこれから。ちょっとその前に…」
ジャンに用があって、とジャンさんの部屋へ向かった
そんな臼田さんを見送って、左の中指をもう一度見た
これが薬指にはめられていたら…とか気色の悪いことを考えてしまって、自分にも引いた
(気色悪っ……)
その手は私ではなくコルセットに向けられていて、迷うことなく的確に縛っていく
ぐっと縛られるそれに耐えられず、思わず本棚に手をつく
その拍子にガタンと棚が揺れるが、そんなことは気にしないのか彼の手は止まらなかった
着々と縛られていくウエストに若干の行く苦しさを感じるが、コルセットというのはそう言うものだからと心を落ち着かせる
彼に背を向け、本棚に手を付いて身体を支えているせいなのか、卑猥な体勢に思えて嫌だ
別にお尻を突き出しているわけじゃない、少し前屈みになっているだけだ
なのに、不規則に来る振動のせいで頭に浮かぶのは鄙陋なもので、猥りがわしいものだった
「終わりました……?」
「ああ」
その合図で棚から手を離し、身体の向きを変える
ありがとうございます、と言っているのに「あんたのケツ平ら」と人の感謝の気持ちを無視してくる
だから部屋から出ようとすると、二の腕を掴んで引き寄せるから訳がわからない
抱きしめるみたいに覆い被さってきては、結った三つ編みを解いていく
その器用な手で私の髪を無謀にすると「これ見ると苛つく」と言いながら違う髪型へと変えていった
"苛つく"って言われても、これのおかげでボリューム抑えられるし、何だか安心感があったから
なのに簡単に崩されてしまう
彼との距離が近いせいか、ジャンさんの匂いがする
何ものでもない、ジャンさんの香り
それを無意識に嗅ぐ
香水の匂いや、他の人の匂いのしないそれは心地良い
「ん」
「…終わりましたか?」
そう言うと身体を離してくれる
それを確認すべく手で触ると、ハーフアップのようにまとめられていて、彼が"苛つく"と言った三つ編みの感触もあった
ハーフアップの束は三つ編みでまとめているようだ
「ありがとうごさいっ、…!?」
「んあ?」
「なっなっな、なんで脱いでるんですか!?」
「俺も着替えるんだけど」
だからって脱がなくても!!!!
メイクが崩れないようにしながら顔を隠し彼の部屋から出た
露わになった彼の上半身を久しぶりに見た
一番最初に会った時もそんな感じだったのを思い出す
スラッとした体型には想像しづらい筋肉にタトゥー
把握してる範囲で胸板と首筋、それに右の中指に彫られている
中指のタトゥーだけよく分からない、マークのような模様が引っかかる
(魚みたいな…あれはどういう意味なんだろう)
「ちさちゃん、ちさちゃん」
「臼田さん?」
遠くから手招きする彼の方に歩いていくと「綺麗だね」と褒めてくれた
それは服であって私ではない…と思いたいが、そうではないみたいで私の手を引いては距離を縮めてくる
「これ」と言いながら渡してくるのは指輪だった
「見つけられるように」
「"見つけられるように"?逃げたりしませんよ」
「うん、分かってる。悪い虫が連れ去らないようにね」
"悪い虫"……
そんなもの寄ってこない、寄ってくるのはコバエぐらいだろう
はめてくれた指輪はシンプルで私の指を華奢に見せてくれる
何故か少し重く感じるのは気のせいだろうか?
「外さないでね」と言ってくる臼田さんに、外しません!と誓を立てた
「臼田さんは着替えないんですか?」
「僕はこれから。ちょっとその前に…」
ジャンに用があって、とジャンさんの部屋へ向かった
そんな臼田さんを見送って、左の中指をもう一度見た
これが薬指にはめられていたら…とか気色の悪いことを考えてしまって、自分にも引いた
(気色悪っ……)
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