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ベッドとマットレス、枕等のセットを台車に乗せレジから帰還した臼田さんがこちらに来る
「買って来たー」
「ありがとうございます」
「ジャンお願ーい」
台車を渡そうとするも「お前が積め」と車のキーを投げつける
「僕なのー?」と嫌そうにする臼田さんに「早く行け」と遇らう
じゃあ私も、と彼に着いて行こうとする私の襟元を掴んで「あんたはこっち」と連れ去られてしまう
今この人、人攫いまがいの行動してます!
「早く歩け」
「なら、手離してください……」
そう言っても離してはもらえず、どこに行くかも分からないまま歩き進んだ
「………、どこに行くんですか…」
「黙って歩け」
結局着いた場所は、女性の匂いが漂う化粧品のお店だった
私、お化粧しないんだけど……
「っあ!林さん!!」
(林さん??)
美容部員さんが「いらっしゃいませ」とジャンさんに駆け寄って、彼のことを”林さん”と呼んだ
昨日は”山本”と呼ばれてなかった………?
そんなことを思っているとグイッと前に出され「これお願いします」と差し出された
「っえ!」
「かしこまりました。さ、どうぞ」
「え、あのっ、…??」
美容部員に促されるまま、ふっかふかの椅子に座らせると前髪を端によけられ、柔らかい声で「失礼します」と頬のパッチを剥がされる
あまり痛みを生じないように優しく剥がすと、コットンに何かを染み込ませ顔中を拭かれる
女性の手つきは慣れていて、次々と顔に何かを施してくる
ジャンさんは?と鏡で確認すると、後ろで脚を組みながら優雅に雑誌をペラペラとめくり、終わるのを待っている
(こんな時にお化粧って………)
「お客様、終わりましたよ」
美容部員さんの声で前にある鏡に写る自分の顔を見る
そこには見慣れた顔に、あるはずのものが消えていた
「…っ……」
「林さん終わりましたよ」
ジャンさんは美容部員さんにお礼を言うと、座る私の方に歩み寄って来た
鏡越しに彼と目が合う
鏡にはあまり変わらない、でも少しはっきりとした顔になった顔、頬の痣が綺麗に無くなった顔が写されていた
「林さんあんまり濃いの好きじゃないから、整える程度にしときましたよ」
「お金これで」
「はい、確かに頂戴いたしました。またどうぞ。」
ありがとうございますと美容部員さんにお礼を言うと、先にお店を出て、スマホをいじるジャンさんの所に行った
もしかしてさっきの人達の話、聞こえてたのかな……?
あの、ジャンさんと彼を呼ぶと、スマホから私に1度視線だけ向けすぐにスマホに戻る
誰かに連絡していたみたいで、文章を打っていた
すぐにそれを終わらせると、ポケットに軽く手を入れこちらを見直す
「ありがとう、ございます…」
「なにが」
「…この、ほっぺの…です」
「は?」
「だから痣、のことです」
「お礼なら言葉じゃなくて、身体でしてくんない?」
グイッと腰に腕をまわされ彼の方に引き寄せられる
一気に彼との距離が近くなり、ドキッと胸が高鳴った
”身体で”と言われても………と困っていると、「なにマジになってんの」と離される
「顔真っ赤」とあざ笑われ、何も言い返せずいる
そんな私を置いて歩き出すジャンさんに、着いていくように後を追った
「買って来たー」
「ありがとうございます」
「ジャンお願ーい」
台車を渡そうとするも「お前が積め」と車のキーを投げつける
「僕なのー?」と嫌そうにする臼田さんに「早く行け」と遇らう
じゃあ私も、と彼に着いて行こうとする私の襟元を掴んで「あんたはこっち」と連れ去られてしまう
今この人、人攫いまがいの行動してます!
「早く歩け」
「なら、手離してください……」
そう言っても離してはもらえず、どこに行くかも分からないまま歩き進んだ
「………、どこに行くんですか…」
「黙って歩け」
結局着いた場所は、女性の匂いが漂う化粧品のお店だった
私、お化粧しないんだけど……
「っあ!林さん!!」
(林さん??)
美容部員さんが「いらっしゃいませ」とジャンさんに駆け寄って、彼のことを”林さん”と呼んだ
昨日は”山本”と呼ばれてなかった………?
そんなことを思っているとグイッと前に出され「これお願いします」と差し出された
「っえ!」
「かしこまりました。さ、どうぞ」
「え、あのっ、…??」
美容部員に促されるまま、ふっかふかの椅子に座らせると前髪を端によけられ、柔らかい声で「失礼します」と頬のパッチを剥がされる
あまり痛みを生じないように優しく剥がすと、コットンに何かを染み込ませ顔中を拭かれる
女性の手つきは慣れていて、次々と顔に何かを施してくる
ジャンさんは?と鏡で確認すると、後ろで脚を組みながら優雅に雑誌をペラペラとめくり、終わるのを待っている
(こんな時にお化粧って………)
「お客様、終わりましたよ」
美容部員さんの声で前にある鏡に写る自分の顔を見る
そこには見慣れた顔に、あるはずのものが消えていた
「…っ……」
「林さん終わりましたよ」
ジャンさんは美容部員さんにお礼を言うと、座る私の方に歩み寄って来た
鏡越しに彼と目が合う
鏡にはあまり変わらない、でも少しはっきりとした顔になった顔、頬の痣が綺麗に無くなった顔が写されていた
「林さんあんまり濃いの好きじゃないから、整える程度にしときましたよ」
「お金これで」
「はい、確かに頂戴いたしました。またどうぞ。」
ありがとうございますと美容部員さんにお礼を言うと、先にお店を出て、スマホをいじるジャンさんの所に行った
もしかしてさっきの人達の話、聞こえてたのかな……?
あの、ジャンさんと彼を呼ぶと、スマホから私に1度視線だけ向けすぐにスマホに戻る
誰かに連絡していたみたいで、文章を打っていた
すぐにそれを終わらせると、ポケットに軽く手を入れこちらを見直す
「ありがとう、ございます…」
「なにが」
「…この、ほっぺの…です」
「は?」
「だから痣、のことです」
「お礼なら言葉じゃなくて、身体でしてくんない?」
グイッと腰に腕をまわされ彼の方に引き寄せられる
一気に彼との距離が近くなり、ドキッと胸が高鳴った
”身体で”と言われても………と困っていると、「なにマジになってんの」と離される
「顔真っ赤」とあざ笑われ、何も言い返せずいる
そんな私を置いて歩き出すジャンさんに、着いていくように後を追った
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