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さて、他のおかずも作りましょう
ほうれん草を取り出しす
ほうれん草はボリュームがあって濃い緑色をした葉、根は赤が強いものが良い
ほうれん草をササッと水洗いしそのまま茹でる
茹でたら氷と水の入ったボウルに入れて冷まして、冷えたら水気を手で絞って取る
4等分くらいに切って麺つゆとカツオを上からかければ、ほうれん草のお浸しの完成
次に、レンコンをスライスしてフライパンで炒める
火が通ったら醤油、砂糖を入れ絡めるように炒めて、少し色がつくぐらいになったら白ごまをまぶしで完成
なんだろう…肉じゃが以外、手抜き料理みたいになっちゃったかな?
まだ2人は帰っては来ないだろうから、今のうちに洗濯物を取り込んでお風呂に入ることにした
「ふわぁぁ」
お風呂場に気の抜けた声が響く
疲れが一気に飛んでいく
全身を洗ってさっぱりし、湯船に浸かり、心の芯まで暖まる感じがじんわりと感じ取れた
今までの疲れを洗い流すように
お湯が体を包んでふわふわする感覚に浸かる
今、私安心している
逃げて滑り込んだこの場所が、私にとっての平和になっているのかもしれない
そう考えているとふとジャンさんの顔が脳裏に浮かぶ
「っ……。」
あの人は………………
平和とは程遠い様な気もするけど…
「仲良く…、できたらなぁ」
何故か分からないけど、私のことをすごく毛嫌いするジャンさん
そりゃ…知らない人とだし
はい仲良くしましょう、なんて少し難しいかもしれないけど…
あんなにツンケンしなくてもいいのに
すこしは臼田さんを見習ってほしい
臼田さんは臼田さんで、あの髪の毛をどうにかしたほうがいいと思うけど……
「…。」
私が断髪しましょうか?って持ちかけてみる?
忙しくて切れなかったなら、雇われた身としては最高の仕事をしたい
まぁ、あの髪型が気に入ってるなら別だけど…
体が暖まり湯船から出てバスタオルで全身を拭く
取り込んだ洗濯物から自分の服を取り着て、頭をタオルでわしゃわしゃと拭き水分をタオルに吸収させていく
真っ白なタオルは、私の赤みがかった髪の毛をより鮮明に見せてくれる
この髪が…嫌いだ
日本人じゃないみたいで
施設の子たちとの違いを晒されてるみたいで
『せんせー、ちさちゃんどうしてあんなに髪があかいの?』
『さぁ、どうしてかしらね』
『ひとりだけへんだよね』
『変わり者だもん』
『わたしたちとは、ちがうんだよ』
昔の嫌な記憶が、頭の中で飛び交っていた
わたしたちとはちがう…
それは、あなたは選ばれないのよって言われてるみたいで、水の中に沈められるみたいに…
息が、呼吸が苦しくなる…
子どもだったから
その言葉に悪意はない
正直な子ども故、その言葉が心に重くのしかかっている
その言葉が、まるで呪いみたいに心を蝕んでいく
私は普通にはなれない
みんなと同じにはなれない
お前は選ばれない
そんな風に心の奥底で暴れている寄生虫が居た
この寄生虫は毎日毎日心を食い殺していって
遂には、心がなくなってしまう
そんな気がしていた
ほうれん草を取り出しす
ほうれん草はボリュームがあって濃い緑色をした葉、根は赤が強いものが良い
ほうれん草をササッと水洗いしそのまま茹でる
茹でたら氷と水の入ったボウルに入れて冷まして、冷えたら水気を手で絞って取る
4等分くらいに切って麺つゆとカツオを上からかければ、ほうれん草のお浸しの完成
次に、レンコンをスライスしてフライパンで炒める
火が通ったら醤油、砂糖を入れ絡めるように炒めて、少し色がつくぐらいになったら白ごまをまぶしで完成
なんだろう…肉じゃが以外、手抜き料理みたいになっちゃったかな?
まだ2人は帰っては来ないだろうから、今のうちに洗濯物を取り込んでお風呂に入ることにした
「ふわぁぁ」
お風呂場に気の抜けた声が響く
疲れが一気に飛んでいく
全身を洗ってさっぱりし、湯船に浸かり、心の芯まで暖まる感じがじんわりと感じ取れた
今までの疲れを洗い流すように
お湯が体を包んでふわふわする感覚に浸かる
今、私安心している
逃げて滑り込んだこの場所が、私にとっての平和になっているのかもしれない
そう考えているとふとジャンさんの顔が脳裏に浮かぶ
「っ……。」
あの人は………………
平和とは程遠い様な気もするけど…
「仲良く…、できたらなぁ」
何故か分からないけど、私のことをすごく毛嫌いするジャンさん
そりゃ…知らない人とだし
はい仲良くしましょう、なんて少し難しいかもしれないけど…
あんなにツンケンしなくてもいいのに
すこしは臼田さんを見習ってほしい
臼田さんは臼田さんで、あの髪の毛をどうにかしたほうがいいと思うけど……
「…。」
私が断髪しましょうか?って持ちかけてみる?
忙しくて切れなかったなら、雇われた身としては最高の仕事をしたい
まぁ、あの髪型が気に入ってるなら別だけど…
体が暖まり湯船から出てバスタオルで全身を拭く
取り込んだ洗濯物から自分の服を取り着て、頭をタオルでわしゃわしゃと拭き水分をタオルに吸収させていく
真っ白なタオルは、私の赤みがかった髪の毛をより鮮明に見せてくれる
この髪が…嫌いだ
日本人じゃないみたいで
施設の子たちとの違いを晒されてるみたいで
『せんせー、ちさちゃんどうしてあんなに髪があかいの?』
『さぁ、どうしてかしらね』
『ひとりだけへんだよね』
『変わり者だもん』
『わたしたちとは、ちがうんだよ』
昔の嫌な記憶が、頭の中で飛び交っていた
わたしたちとはちがう…
それは、あなたは選ばれないのよって言われてるみたいで、水の中に沈められるみたいに…
息が、呼吸が苦しくなる…
子どもだったから
その言葉に悪意はない
正直な子ども故、その言葉が心に重くのしかかっている
その言葉が、まるで呪いみたいに心を蝕んでいく
私は普通にはなれない
みんなと同じにはなれない
お前は選ばれない
そんな風に心の奥底で暴れている寄生虫が居た
この寄生虫は毎日毎日心を食い殺していって
遂には、心がなくなってしまう
そんな気がしていた
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