逍遙の殺人鬼

こあら

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気づけばもうお昼

少し小腹が空いたので、買ったバターロールを食べることにする
居間に行き、時計とテレビのリモコンの電池を買ってきたものと入れ替える
カチ、カチ、カチっと秒針が動き出しテレビをつける
テレビの時報を頼りに時間を合わせていく


よし、っと壁にかけなおし、バターロールを袋から取り出と、はむっと一口噛じると、柔らかな生地とバターのほのかな香りが鼻の底をくすぐった
この万人受けする様な味が口いっぱいに広がり頬が落ちそうになる


美味しい

単純かつ端的な感想





〈昨日夕方、交差点でひき逃げ事件が起きました。〉

つけたままのテレビからニュースが流れる
聞き取りやすいアナウンサーの言葉が、耳にすらすらと入ってくる


〈歩行中の女性、38歳を車ではねて殺害したなどとして警察は、ひき逃げした犯人を探しています。また、被害者の女性は車ではねられた時、既に即死だったそうです。警察は事故ではなく、計画殺人として捜査を進めているようです。〉



(ひき逃げした…物騒な世の中だ……)

女性が亡くなったという現場は私が走って休憩した所の近くだった

人は常に死と隣り合わせで生きていると先生が言っていた
人生には必ず終わりが来る
避けて通ることは絶対にできない
人は死を背負って生きているんだ…っと


確かに、死なない人はいないだろう
この亡くなった女性も、死を背負っていたんだろうか?









食事を終えテレビを消す
廊下やトイレを掃除して、臼田うすたさんが言ったをきちんと綺麗にした

1日で結構綺麗にしたんじゃない?
洗濯、買い物、掃除
中々にハードな仕事内容だったと自負している


この後、夕食作らないと
何作ろうかな?

候補は何個かある
買い物にでかけた時、ふらっと目に入ってきた雑誌に気になる特集が載っていた


【男性の好きな手料理ベストファイブ】

せっかくならジャンさんにも食べてもらいたい
昨日作ったハンバーグは、なんちゃってハンバーグだから食欲もそんなにそそられなかったのかもしれない


なら、男性が好きそうなご飯を作れば食べてくれるかもしれない
そんな安易な考えから、私は雑誌に釘付けでちゃっかり立ち読みしていた






結局、肉じゃがを作ることにした


男性が好きな手料理第3位が肉じゃがだった
なぜ1位じゃないのか
それは、1位の手料理を作ったら、狙ってますよ感が強いかもと思ったから
それに、勘の良さそうなジャンさんだ…
より、警戒されるかもしれない


私は手に持ったピーラーで、じゃが芋の皮を剥く
にんじんの革も剥いて一口サイズに切り、じゃが芋も同様に一口サイズに切っていく
耐熱ボウルに入れて電子レンジで少し温める
こうすることで時間を短縮でき味な染みるように、つける時間を長く取ることができる


温めている間、玉ねぎをくし切りにして、しらたきは水で軽く洗い流し、適当に切る
だいたい…3等分くらいかな


そしたら、豚の小間肉を鍋で焼いていく
一般的は牛なんだけど、あのちょっと筋張った感じ?硬い感じが少し苦手だ


お肉のいい匂いがしてきたら、玉ねぎを入れて炒める
玉ねぎがしんなりしてきたら、温めたにんじん、じゃが芋を入れてさらに炒める
それぞれ火が通ったら、お水を入れる

ほんだし、醤油、みりん、砂糖を入れてしらたきを投入しかき混ぜて落し蓋をして蒸らす



昨日の土鍋ごはんを冷蔵庫から出し、電子レンジで温めて、わかめ、しらすを加える
混ぜて混ぜて
全体に満遍なく混ざったら

じゃじゃーーーーん
わかめごはん、いっちょあがり


とても簡単に作れて美味しくて小さい頃これだけは好きだった
2人も気にってくれるだろうか?
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