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まぶたの裏側が明るい
カーテンを開けたまま寝たおかげで朝早く起きることができた
幸い寝起きは良い方で、早起きなんかも全然苦じゃない
消灯時間は決まっていたけど、起床時間前に起きることは禁止されていなく、朝早く起きて日の出とともに太陽の明るさを頼って本をよく読んでいた
同室の子に悪いと思って電気はつけたくなかった
でも、唯一の楽しみ、趣味と行っても良いかも知れない
小説や論文、あらゆる本を読んでいた
周りからは良く本の虫と言われた
暇さえあれば本のことを考えて、時間があれば本を読んでいた
一度読んだら続きが気になる
本の1ページ1ページをめくるあの感覚が好きだ
知らない出来事、知識が頭の中に入ってくる嬉しさと言ったら他に例えようがない
クリスマスや誕生日に何が欲しい?
その質問には即答で本と答える
だって、本が欲しいから欲しいって言う
毎年毎年そのお決まりの言葉に施設の子は私のことを少し変な子だと言っていたが、気にしないと嘯いていた
こんなの自己満足だって心の中で自己完結して自分を守った
あなた達が欲しがっている物だって結局は自分のため、欲を満たすためのモノ
私はそれがたまたま本だっただけだ
モノが違うだけで本質は一緒じゃない
んんーーーー!っと大きく伸びをして立ち上がり、居間を後にする
台所に入り朝食を考える
ふとゴミ箱に目が行き、昨日の夕食が捨てられていることを再度認識する
昔ある子がいつも私が本を読んでいることが気に入らなかったみたいで、私が貰ったばかりの本を目の前で奪ってビリビリに破かれたことがあった
その時はまだ幼く、大事に読んでいた本を壊されて大泣きしたくらい悲しかった
破かれた紙を全て集めてセロハンテープで貼り付けて何とか読めるように治したかった
だけど、どれがどこにあるのか、何ページなのか分かる訳もなく、当然ながら本は治らなかった
その憂いに胸が締め付けられそうになっていた
その子が里子に出される時、当時のことを謝って来た
意地悪がしたかったのではなく、ただ私と仲良くしたかったけど本ばかり読んでいて中々話すことができず、勢い余ってやってしまったことだったと
声をかけてくれれば読むのをやめ、ちゃんと話を聞いたのに
当時はそう思ってたけど、今思い返すと近寄りがたい雰囲気の中をわざわざ突っ走るバカはいない
本を破られた時の感情と似た何かが今、胸の奥底でざわめいていた
(朝食、朝食、作らなきゃ)
食材がないから簡単におにぎりを作ろうと思う
昨日土鍋で作ったごはんを使ってシンプルに塩むすびでいこう
そう考えていると後ろから胸をガシッと鷲掴みされる
「きゃあっ!!」
「んー、もうちょい胸あったほうがいい」
いきなり何を!?!?!?
あまりの猥雑で驚嘆な出来事に戸惑いを隠せずにいると、掴んだ手を動かし胸を揉んでいく
揉む手が、何だか意図的に敏感な所を刺激するかのようにいやらしく動く
いきなり過ぎて頭が真っ白だ
「っんん…」
「へぇー、結構いい声出すじゃん」
まずい、完全に彼のペースに踊らされている
必死に抵抗し、彼から離れて距離を取る
危ない相手だ
考え事をしていたせいか近づいてくるジャンさんに全く気づかなかった
当の本人はふんっと私を嘲笑っていた
「そんなに気持ちよかったんだ」
「…っ!っせ、セクハラ、セクハラよ!!」
そう言って台所のお手拭きタオルでバシバシ叩く
別に図星を突かれたとかそんなんじゃない
今の出来事が恥ずかしくて、彼の婬猥な行動に赤面している自分の顔を見られたくないだけだ
そんな小さな攻撃も虚しく簡単にタオルを掴まれ、紅潮した顔を見られてしまう
「俺の家だから何しても合法」
嫌なら出て行けと言い放つと戸棚からカップラーメンを出し、ポットでお湯を沸かし始めた
朝食作ります
そう言っても、答えは決まってる
『知らねぇ奴の作ったメシなんか食えるか』
きっとまたそう言われるだろう
カチッ、お湯が沸いたポット音が自分がどれだけ非力なのかを思い知らされた
カーテンを開けたまま寝たおかげで朝早く起きることができた
幸い寝起きは良い方で、早起きなんかも全然苦じゃない
消灯時間は決まっていたけど、起床時間前に起きることは禁止されていなく、朝早く起きて日の出とともに太陽の明るさを頼って本をよく読んでいた
同室の子に悪いと思って電気はつけたくなかった
でも、唯一の楽しみ、趣味と行っても良いかも知れない
小説や論文、あらゆる本を読んでいた
周りからは良く本の虫と言われた
暇さえあれば本のことを考えて、時間があれば本を読んでいた
一度読んだら続きが気になる
本の1ページ1ページをめくるあの感覚が好きだ
知らない出来事、知識が頭の中に入ってくる嬉しさと言ったら他に例えようがない
クリスマスや誕生日に何が欲しい?
その質問には即答で本と答える
だって、本が欲しいから欲しいって言う
毎年毎年そのお決まりの言葉に施設の子は私のことを少し変な子だと言っていたが、気にしないと嘯いていた
こんなの自己満足だって心の中で自己完結して自分を守った
あなた達が欲しがっている物だって結局は自分のため、欲を満たすためのモノ
私はそれがたまたま本だっただけだ
モノが違うだけで本質は一緒じゃない
んんーーーー!っと大きく伸びをして立ち上がり、居間を後にする
台所に入り朝食を考える
ふとゴミ箱に目が行き、昨日の夕食が捨てられていることを再度認識する
昔ある子がいつも私が本を読んでいることが気に入らなかったみたいで、私が貰ったばかりの本を目の前で奪ってビリビリに破かれたことがあった
その時はまだ幼く、大事に読んでいた本を壊されて大泣きしたくらい悲しかった
破かれた紙を全て集めてセロハンテープで貼り付けて何とか読めるように治したかった
だけど、どれがどこにあるのか、何ページなのか分かる訳もなく、当然ながら本は治らなかった
その憂いに胸が締め付けられそうになっていた
その子が里子に出される時、当時のことを謝って来た
意地悪がしたかったのではなく、ただ私と仲良くしたかったけど本ばかり読んでいて中々話すことができず、勢い余ってやってしまったことだったと
声をかけてくれれば読むのをやめ、ちゃんと話を聞いたのに
当時はそう思ってたけど、今思い返すと近寄りがたい雰囲気の中をわざわざ突っ走るバカはいない
本を破られた時の感情と似た何かが今、胸の奥底でざわめいていた
(朝食、朝食、作らなきゃ)
食材がないから簡単におにぎりを作ろうと思う
昨日土鍋で作ったごはんを使ってシンプルに塩むすびでいこう
そう考えていると後ろから胸をガシッと鷲掴みされる
「きゃあっ!!」
「んー、もうちょい胸あったほうがいい」
いきなり何を!?!?!?
あまりの猥雑で驚嘆な出来事に戸惑いを隠せずにいると、掴んだ手を動かし胸を揉んでいく
揉む手が、何だか意図的に敏感な所を刺激するかのようにいやらしく動く
いきなり過ぎて頭が真っ白だ
「っんん…」
「へぇー、結構いい声出すじゃん」
まずい、完全に彼のペースに踊らされている
必死に抵抗し、彼から離れて距離を取る
危ない相手だ
考え事をしていたせいか近づいてくるジャンさんに全く気づかなかった
当の本人はふんっと私を嘲笑っていた
「そんなに気持ちよかったんだ」
「…っ!っせ、セクハラ、セクハラよ!!」
そう言って台所のお手拭きタオルでバシバシ叩く
別に図星を突かれたとかそんなんじゃない
今の出来事が恥ずかしくて、彼の婬猥な行動に赤面している自分の顔を見られたくないだけだ
そんな小さな攻撃も虚しく簡単にタオルを掴まれ、紅潮した顔を見られてしまう
「俺の家だから何しても合法」
嫌なら出て行けと言い放つと戸棚からカップラーメンを出し、ポットでお湯を沸かし始めた
朝食作ります
そう言っても、答えは決まってる
『知らねぇ奴の作ったメシなんか食えるか』
きっとまたそう言われるだろう
カチッ、お湯が沸いたポット音が自分がどれだけ非力なのかを思い知らされた
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