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第一章 雪女に出会いました。

青いボーダーとの出会い6

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俺は奥の席へ回り込み、玲奈れなと向かい合って座る。
「冷める前に食べようよ」
「そうね」
「「いただきます」」
多少会話をしたとはいえ、合って間もない女の子と何を話したらよいかわからず俺は無言でラーメンをすすり始めた。顔はそのまま、視線だけ玲奈をに向けると、彼女はフォークで小さな口にカルボナーラを運んでいる。フォークを皿の上に下ろし幸せそうにもぐもぐと咀嚼する玲奈に見惚れていると、玲奈の切れ長の眼がスッと俺を見上げた。
「ちょっと!恥ずかしいからそんなに見ないでよ!」
俺はドキリとした。いかんいかん。見惚れていたと思われるのはちょっと悔しい。
「あ、ごめんごめん。カルボナーラ美味そうだなぁと思ってさ」
俺は努めて自然に言葉を返した。
「美味しいわよ。水っぽくなくて味が濃い目なのがすごく良いわ」
確かにもっちりとした麺にソースが均一に絡んでいてすごく美味しそうだ。
「少し食べる?」
「いいの?」
「唐揚げのお皿ちょうだい。乗せてあげるから」
俺は右手に箸をもったまま左手でから揚げのお皿を玲奈に手渡した。
「良かったら唐揚げ食べなよ。まだ食べてないから美味しいかわかんないけど」
玲奈の顔がぱぁっと笑顔になった。
「わぁっ!ありがとう!一個貰うね!」
玲奈は大きくも小さくもない唐揚げを一つカルボナーラの更に移し、唐揚げのあった場所に気持ち多めにカルボナーラを乗せて俺の前に差し出した。
「こんなにもらっちゃっていいのかよ?」
「うん、デザートを美味しく食べたいから」
分けてもらったカルボナーラは玲奈の言う通り、味が濃い目でとても美味しかった。
俺がラーメンと唐揚げを平らげるのとほぼ同時に玲奈はカルボナーラを食べ終え、ショートケーキにスプーンを挿し入れる。
「へへへ。美味しそうでしょ」
いつもなら甘いものはそんなに魅力を感じない俺だが、ラーメンとから揚げを食べた後ということもあり少し食べてみたいのが正直なところだ。俺は目の前にあるショートケーキを眺める。
「うん。美味しそうだね。一口くれよ」
玲奈は顔を上げ気味にして視線を下げて俺を見ると、悪戯っぽい表情になって勝ち誇ったような口調で話し出す。
「欲しい~?え~?どうしよっかな~。雪女とか言って妖怪扱いされたしなぁ~」
うん、このオンナ、ウザイ。
「そうだ。昼から私に優しくしてくれるなら一口あげる」
玲奈はぱくぱくとケーキを口に運んでいる。
「優しくってどんなんだよ」
「意地悪しないで普通に接してくれればいいのよ。そうだ!後半一緒に滑ろうよ!」
一緒に滑るぅ~?。・・・・・・まぁ、いつも一人でばっかり滑っているし、ゴーグルしてるとわかんないけど玲奈は美人だし、思い出になりそうな気もする。
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