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第一章 雪女に出会いました。

いざスキー場へ5

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ホワイトウイングスキー場には、センターハウス隣の第一駐車場、ゲレンデの中腹辺りに位置する第二駐車場が用意されている。第一駐車場はセンターハウスにもリフト乗り場にも歩いて行ける、よくある普通の駐車場だ。第二駐車場はコースの途中にあって、そこにはリフト乗り場もセンターハウスも無い。ただ小さいトイレが設置されているだけだ。第二駐車場を利用する場合、スキーかスノーボードで第一駐車場隣のセンターハウスまで滑り下りていき、リフト券を手に入れる必要がある。俺達はいつもそんな面倒を受け入れて、駐車場が空き気味の第二駐車場を利用している。
「さぁ、トイレ行ってからさっさと準備だ。パウダー踏まれる前に行くぞ!」
親父は気合を入れながらトイレに向かう。トイレ済ませてから気合入れればいいのに。
俺は小さいころから親父にスキーもスノーボードも教えられた。小さいころはスキーばかりしていたが、中学生頃からスノーボードの比率が多くなり、今ではメインはスノーボードだ。スキーは忘れないように毎回慣らす程度に少々滑る感じだ。今日も例にもれずスノーボードを用意する。ジャージを脱いで脊髄保護用のプロテクターを装着しその上にツナギタイプの青黒チェックのウェアを着る。ヘルメットをかぶりゴーグルをかけ、グローブを装着したら準備万端だ。いつも俺が準備を終える頃に親父はやっとスキーブーツを履き終わる。今日も折りたたみ椅子に座りながらうんうん言ってブーツに足をつっこんでいる。硬くてなかなか入らないようだ。
「ふ~、相変わらずキツイな」
「板下ろしてておくよ」
「あぁ、頼む」
ルーフボックスから二人分の板を下し終わると親父も準備を終えていた。俺達はゲレンデ入り口まで歩いて板を履く。
「じゃぁ、十時にゲレンデ途中のセンターハウスに集合して休憩な。何かあったら携帯にメッセージいれろよ」
「あぁ。気を付けて」
「お前もな」
親父は言うなりスパーンと板を履いてゲレンデを下って行き、あっという間に見えなくなった。俺と親父はいつもこんな感じだ。スキーとスノーボードはそもそも滑るライン取りが異なるしいちいち遅い方を待ったりもしない。お互い自由に滑りたいからいつも別行動だ。俺はゆっくりと板を履き、極端に前後に重心を移動させてブーツに体重をかけながら足をなじませてセンターハウスまで下り、ビンディングを再調節した。これで準備OK。次から思い切り滑ることができる。空は曇り気味で細かい雪が降っているけど視界もそれほど悪くない。新雪の圧雪はとても滑りやすく、俄然テンションが上がってきた。しかし今日はまだ時間が早いとはいえ、ゲレンデもリフト乗り場もお客の数が少ない気がする。・・・空いているうちに思い切り滑ってやろう。
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